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京都府

阿弥陀ヶ淵(あみだがふち)とはどんな妖怪か|姿と伝承

阿弥陀ヶ淵  / アミダガフチ

水の妖怪 各地の伝説

京都府南丹市の淵。黄金の阿弥陀仏を別の場所に祀ると洪水で御堂が流れ、戻すと収まった。

阿弥陀ヶ淵の姿を描いた図

Ita140188 「日吉ダム(京都府南丹市日吉町中)」 2015年 / CC BY-SA 出典

阿弥陀ヶ淵とはどんな妖怪か

阿弥陀ヶ淵はひとことで言えば、仏が動くのを拒んだ淵です。京都府南丹市の話です。

国際日本文化研究センターの怪異・妖怪伝承データベースは、田中勝雄水に関する伝説―京都府船井郡に於ける―」(『旅と伝説』11巻12号・通巻132号、1938年、31頁)を典拠に、淵の中に黄金の阿弥陀仏を見つけ、別の場所に祀ったが、洪水のたびに御堂が流失するので以前の場所に戻したところ、悪事災難に見舞われることが無くなったと記します。

筋は単純です。 動かす災いが続く戻す収まる

淵から仏が見つかる話は各地にあります。兵庫のショージワンの池のように、水の底には何かがあると考えられてきました。

仏の大きさや、見つけた人の名は記録されていません。

阿弥陀ヶ淵の漢字表記と読み方

読みは「あみだがふち」です。

阿弥陀」は阿弥陀如来、「」は川の深くよどんだところです。

淵の名に仏の名が付いています。 そこから黄金の阿弥陀仏が出たという由来が、名に残りました。

阿弥陀ヶ淵(あみだがふち)

日文研データベースが示す漢字表記。

アミダガフチ(あみだがふち)

同データベースの呼称読み。

阿弥陀ヶ淵の姿と特徴

この淵に妖怪の姿はありません。記録にあるのは、仏と水の動きです。

見つかったもの … 淵の中の黄金の阿弥陀仏。
動かした結果 … 洪水のたびに御堂が流失する。
戻した結果 … 悪事災難に見舞われることが無くなった。

仏が語った、姿を見せたという記述は残っていません。

起きたのは、洪水と流失です。

阿弥陀ヶ淵の伝承記録

  1. 淵から出た黄金の阿弥陀仏
  2. 洪水のたびに御堂が流れる

淵から出た黄金の阿弥陀仏

話は、淵の中に黄金の阿弥陀仏を見つけたところから始まります。

水の底から仏が出る——各地に伝わる形です引き上げて祀るのが、ふつうの流れになります。

この話でも、別の場所に祀りました御堂を建てたことが、後の文から分かります。

誰が見つけ、どこへ祀ったかは記録されていません。

洪水のたびに御堂が流れる

ところが、洪水のたびに御堂が流失しました

記録はたびにと書いており、繰り返し流されたことが分かります。

そこで、以前の場所に戻しました淵のもとの場所に、ということになります。

すると、悪事災難に見舞われることが無くなりました

仏が元の場所を選んだ、と読める形です。動かしてはならないものがあるという言い伝えの一つです。

阿弥陀ヶ淵の伝承地域

公的データベースの地域欄は京都府南丹市を示します。報告は船井郡の水の伝説を集めたものです。

淵や御堂の位置は書かれていないため、地図で指せるのは市の範囲までです。

南丹市周辺(なんたんししゅうへん)

日文研データベースが示す伝承地域

地図で開く

南丹市周辺の所在地:京都府南丹市

報告は京都府船井郡の水に関する伝説を集めたものです。

淵や御堂の位置は資料に書かれていません。

阿弥陀ヶ淵の正体と考えられているもの

この話に妖怪は出てきません。語られているのは、場所を動かしてはならない仏です。

淵から出た仏を別の場所に祀ると、洪水が続きました。

災いは仏の意思として受け取られ、戻すことで収まりました

川の近くに御堂を建てれば、洪水で流されることはあります。 その繰り返しが、仏の意思として語られたとも読めます。

残ったのは、淵の名です。

阿弥陀ヶ淵が記録された資料

阿弥陀ヶ淵を単独で扱った本は見当たりません。読めるのは『旅と伝説』の記事です。

題のとおり、一つの郡の水の伝説をまとめた報告です。淵・池・井戸の話が並び、土地の水との付き合い方が見えてきます。

阿弥陀ヶ淵が記録された民俗資料

水に関する伝説―京都府船井郡に於ける―

田中勝雄が『旅と伝説』11巻12号(1938年)に載せた中心資料です。

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阿弥陀ヶ淵についてよくある質問

阿弥陀ヶ淵とは何ですか。

京都府南丹市の淵です。中から黄金の阿弥陀仏が見つかったという由来を持ちます。

別の場所に祀るとどうなったのですか。

洪水のたびに御堂が流失したと記録されています。

戻したらどうなりましたか。

悪事災難に見舞われることが無くなったと記録されています。

淵は今もありますか。

資料に位置の記載はありません。日文研データベースの地域欄は南丹市を示します。

阿弥陀ヶ淵と併せて覚えたい言葉・用語

阿弥陀如来(あみだにょらい)

仏の一つ。淵から黄金の像が出たとされます。

(ふち)

川の深くよどんだところ。仏が見つかった場所です。

船井郡(ふないぐん)

京都府の旧郡名。報告が扱った地域です。

阿弥陀ヶ淵の参考資料

この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。

  1. 国際日本文化研究センター「阿弥陀ヶ淵」