椿の木を擂木にすると、使われた道具が後に木心坊となって怪異を起こす。熊本に残る椿と台所道具の妖怪。
木心坊とはどんな妖怪か
木心坊は「きしんぼう」と読む、熊本県の妖怪です。もとになるのは山に立つ椿ではなく、椿を削って作った擂木。すり鉢の中で胡麻や味噌をする、ありふれた台所道具です。
椿の擂木は、作られた時には普通の道具として使われます。それが後に木心坊となり、怪異を起こしました。一本の木が人の道具へ変わり、使われた後に妖怪へ変わる話です。
木心坊の漢字表記と読み方
木心坊は「きしんぼう」と読みます。漢字を音読みした「もくしんぼう」とは読みません。二つの採録はいずれも、呼称を「キシンボウ」としています。
木心坊(きしんぼう)
1938年と1956年の採録カードで示される表記と読み。
キシンボウ(きしんぼう)
採録カードの呼称欄に用いられるカタカナ表記。
木心坊の姿と特徴
木心坊のもとは、椿で作った棒状の擂木です。妖怪となった後も擂木の形を保つのか、別の姿へ変わるのかは伝わっていません。
木心坊の伝承記録
椿を切り、すり鉢で使う擂木にする
始まりは一本の椿です。その木を切り、細長く削って擂木を作ります。擂木は、すり鉢の中で胡麻や味噌などをすりつぶす棒。餅をつく杵とは違い、台所で手に持って使う道具です。
木心坊になるのは、人の手で道具へ変えられてからです。人が木を切り、食べ物を作る道具へ変えたところから、妖怪になるまでの時間が始まります。
使われた擂木が、後に木心坊となる
椿の擂木が動き出すのは、使われた後です。擂木として使われた後、木心坊となって怪をなすといわれました。
食材をするために人の手で使われていた一本の棒が、やがて怪異を起こす側へ回ります。どんな姿に変わり、何をしたのかまでは残っていません。伝わっているのは、椿を擂木にすると、後に木心坊となるという結末です。
木心坊の伝承地域
木心坊は熊本県で採録されました。公開されている地域欄は県名までで、市郡・町村や特定の家は示されていません。
木心坊の正体と考えられているもの
木心坊は、椿そのものよりも、椿を生活の道具へ変えた後を恐れる妖怪です。「椿で擂木を作ると、いつか怪異を起こす」という短い禁忌が、そのまま一つの名になっています。
木心坊をめぐる妖怪のつながり
木心坊が登場する作品
木心坊は、道具になってから妖怪になる話です。
山に立つ椿ではありません。切って削り、すり鉢で使う擂木にしたものが、後に木心坊になります。 人の手で食べ物を作る道具へ変えたところから、時間が始まります。
どんな姿に変わり、何をしたのかまでは残っていません。伝わっているのは「椿を擂木にすると、後に木心坊となる」という結末だけです。
木心坊が登場する事典
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木心坊についてよくある質問
木心坊とはどんな妖怪ですか。
椿の木から作った擂木が、後に怪異を起こす木心坊になるとされた熊本県の妖怪です。
木心坊は何と読みますか。
「きしんぼう」と読みます。「きしんぼう」と読みます。
木心坊は杵から生まれますか。
すり鉢で使う擂木です。もとになるのは、すり鉢の中で食材をする棒状の擂木です。
木心坊はどんな怪異を起こしますか。
椿の擂木が後に「怪をなす」とだけ伝わり、具体的な姿や出来事は残っていません。
木心坊と併せて覚えたい言葉・用語
木心坊(きしんぼう)
椿材の擂木が後に怪異を起こすものへ変わるとされた妖怪。
擂木(すりこぎ)
すり鉢の中で食材をすりつぶすための棒状の道具。
椿(つばき)
常緑の樹木。木心坊の話では擂木の材料になる。
木心坊の参考資料
この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。