高知県高岡郡で、怨まれて憑かれると原因不明の病になるとされた蛇統の家。

ナガナア持とはどんな妖怪か
ナガナア持はひとことで言えば、蛇を持つとされた家筋です。高知県高岡郡の話です。
国際日本文化研究センターの怪異・妖怪伝承データベースは、桂井和雄「土佐の犬神統と蛇統」(『山陰民俗』通巻3号、1954年、39頁)を典拠に、高岡郡新荘川上流の村々での聞き書きを総合すると、蛇統(ナガナア持)の者に怨まれて憑かれると、原因不明の病気になり、その持筋の人の言動と同じようになる。また、病気中、蛇に首を締め付けられるような思いがするというと記します。
症状が二つ書かれています。
一つは持筋の人と同じ言動になること。 もう一つは首を締め付けられる思いです。
ナガナア持の漢字表記と読み方
読みは「ながなあもち」です。
ナガナアは、土佐で蛇を指す言い方です。 持は、その筋の家であることを指します。
報告の題は土佐の犬神統と蛇統で、犬神と並べて書かれています。
この図鑑には犬神(各地)やトウビョウ(中国・四国)も収めています。どれも家筋の憑き物です。
ナガナア持(ながなあもち)
日文研データベースが示す呼称。
蛇統(じゃすじ)
報告が使う言い方です。
ナガナア持の姿と特徴
ナガナア持に姿はありません。記録にあるのは、憑かれたときの様子です。
土地 … 高岡郡新荘川上流の村々。
呼び名 … 蛇統、ナガナア持。
憑かれるきっかけ … その者に怨まれること。
症状1 … 原因不明の病気になる。
症状2 … 持筋の人の言動と同じようになる。
症状3 … 病気中、蛇に首を締め付けられるような思いがする。
蛇そのものを見たとは書かれていません。
ナガナア持の伝承記録
蛇統と呼ばれる家
高岡郡新荘川上流の村々では、蛇統をナガナア持と呼びます。
個人ではなく、家の筋として語られます。
怨まれて憑かれる
蛇統の者に怨まれて憑かれると、原因不明の病気になります。
そして、その持筋の人の言動と同じようになります。
病んだ人の口から、別の人の言葉が出る形です。
首を締められる思い
また、病気中、蛇に首を締め付けられるような思いがするといいます。
姿は見えません。
感じとして書かれています。
ナガナア持の伝承地域
公的データベースの地域欄は高知県高岡郡を示します。
新荘川は須崎市に流れ出る川で、上流は高岡郡の山あいです。
新荘川上流(しんじょうがわじょうりゅう)
日文研データベースが示す伝承地域
新荘川上流の所在地:高知県高岡郡
報告は山陰民俗学会の山陰民俗によります。
新荘川はニホンカワウソが最後に確認された川です。
ナガナア持の正体と考えられているもの
ナガナア持は、家筋につけられた名です。
祟りという語は使われていません。 記されているのは、怨まれて憑かれるということだけです。
それでも、縁組の障りになりました。
この図鑑には犬神(各地)も収めています。
ナガナア持が登場する作品
ナガナア持を単独で扱った本は見当たりません。読めるのは学会誌です。
家筋の憑き物の話は各地にあり、犬神やトウビョウの名でも語られます。この図鑑には犬神(各地)も収めています。
ナガナア持が登場する学会誌
山陰民俗
山陰民俗学会の学会誌です。1954年の号に桂井和雄の報告が載ります。
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ナガナア持についてよくある質問
ナガナア持とは何ですか。
高知県高岡郡で、蛇統と呼ばれた家筋のことです。
憑かれるとどうなりますか。
原因不明の病気になり、持筋の人の言動と同じようになるとされます。
ほかに症状はありますか。
病気中、蛇に首を締め付けられるような思いがするといいます。
ナガナアとは何ですか。
土佐で蛇を指す言い方です。
ナガナア持と併せて覚えたい言葉・用語
ナガナア(ながなあ)
土佐で蛇を指す言い方です。
持筋(もちすじ)
憑き物を持つとされた家の筋のことです。
新荘川(しんじょうがわ)
高知県を流れ、須崎市で海にそそぐ川です。
ナガナア持の参考資料
この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。