鹿児島県薩摩川内市の話。川に浮いたものを棒で叩くと消え、頭痛は法者でやっと治った。

Asturio Cantabrio 「川内川(鹿児島県薩摩川内市)」 2024年 / CC BY-SA 4.0 出典
浮いたものとはどんな妖怪か
浮いたものは、川に浮いていた見慣れぬものです。鹿児島県薩摩川内市の話です。
国際日本文化研究センターの怪異・妖怪伝承データベースは、山田慶晴「川内のガラッパ(後編)」(『鹿児島民俗』鹿児島民俗学会、1982年)を典拠に、話者を武満茂として、川の中に見慣れぬものが浮いていたので、棒でコツコツ叩いてみると妙な音がした。ところが、姿は見えずに消えてしまっていたと記します。
手を出した側に返っています。
頭が痛くなったが医者では治らず、法者どんでやっと治ったと結ばれます。
この図鑑にはガラッパ(鹿児島)も収めています。
浮いたものの漢字表記と読み方
読みは「ういたもの」です。
「法者どん」は、祈祷をする人を指す土地の言い方です。
「ガラッパ」は、鹿児島で河童を指す呼び名です。
「コツコツ」は、固いものを軽く叩く音です。
この図鑑にはガラッパ(鹿児島)も収めています。
浮いたもの(ういたもの)
日文研データベースが示す呼称です。
法者どん(ほうしゃどん)
記録が示す、祈祷をする人の呼び名です。
浮いたものの姿と特徴
浮いたものの話は、記録に順を追って書かれています。
その場所 … 川の中。
浮いていたもの … 見慣れぬもの。
したこと … 棒でコツコツ叩いてみた。
そのときの音 … 妙な音。
そのあと … 姿は見えずに消えてしまっていた。
起きたこと … 頭が痛くなった。
医者のこと … 治らなかった。
治した人 … 法者どん。
浮いていたものの形は書かれていません。
浮いたものの伝承記録
川に浮くもの
川の中に見慣れぬものが浮いていました。
浮いていたのは見慣れぬものです。
棒で叩く
棒でコツコツ叩いてみると妙な音がしました。
返ってきたのは音です。
消えている
ところが、姿は見えずに消えてしまっていました。
なくなったのはその物です。
法者どんで治る
頭が痛くなりましたが医者では治らず、法者どんでやっと治りました。
治したのは祈祷する人です。
浮いたものの伝承地域
公的データベースの地域欄は鹿児島県、市郡名の欄は薩摩川内市、区町村名の欄は隈之城町を示します。
報告の題は川内のガラッパ(後編)で、河童にまつわる話を集めた回です。
浮いたものの正体と考えられているもの
浮いたものは、川に浮いていた見慣れぬものです。
正体は言い切られていません。 語られているのは、叩いたときの音と、そのあとの頭痛です。
医者では治らず法者どんで治ったところが、土地での受け止め方を示します。
この図鑑にはガラッパ(鹿児島)も収めています。
浮いたものが登場する作品
浮いたものを単独で扱った本は見当たりません。読めるのは県の民俗学会の雑誌です。
水のものに手を出して障る話は各地にあり、医者ではなく祈祷で治すという結びをよくとります。
浮いたものが登場する雑誌
鹿児島民俗
鹿児島民俗学会が出した雑誌です。1982年の号に川内のガラッパが載ります。
Amazonのアソシエイトとして、当サイトは適格販売により収入を得ています。
浮いたものについてよくある質問
浮いたものとは何ですか。
鹿児島県薩摩川内市で、川に浮いていたという見慣れぬものです。
叩くとどうなりましたか。
妙な音がして、姿は見えずに消えてしまっていたといいます。
そのあと何が起きましたか。
頭が痛くなり、医者では治らなかったといいます。
どうやって治ったのですか。
法者どん、つまり祈祷をする人でやっと治ったといいます。
浮いたものと併せて覚えたい言葉・用語
法者(ほうしゃ)
祈祷をする人のことです。
ガラッパ(がらっぱ)
鹿児島で河童を指す呼び名です。
薩摩川内市(さつませんだいし)
鹿児島県の北西部にある市です。
浮いたものの参考資料
この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。