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岩手県

沼の女(ぬまのおんな)とはどんな妖怪か|姿と伝承

沼の女  / ヌマノオンナ

水の妖怪 各地の伝説

岩手県大槌町で、漁夫に姉への手紙を託した沼の女。礼に黄金の出る挽臼をもらった。

沼の女の姿を描いた図

Ty19080914 「蓬莱島(岩手県大槌町)」 2017年 / CC BY-SA 出典

沼の女とはどんな妖怪か

沼の女はひとことで言えば、沼から沼へ手紙を運ばせた女です。岩手県上閉伊郡大槌町の話です。

国際日本文化研究センターの怪異・妖怪伝承データベースは、佐々木喜善黄金の挽臼―ニ、手紙の秘密―」(『旅と伝説新年号』2巻1号・通巻13号、1929年、14頁)を典拠に、昔、吉里吉里の貧乏な漁夫は草刈に行って古沼のほとりで女に声をかけられた。彼女から姉への手紙と旅費を託され、途中道に迷いながらも秋田領で目的の女がいる黒沼に辿り着き、妹からの手紙を渡す。お礼に黄金の粒の出る挽臼をもらい、気がつけば体が空を飛び伊勢参拝に行く先発が居る仙台の宿の前に来ていたと記します。

記録したのは佐々木喜善——『遠野物語』の語り手です。

岩手の沼から、秋田の沼へ——姉妹が沼に住んでいます。

報告の題は「手紙の秘密」です。

沼の女の漢字表記と読み方

読みは「ぬまのおんな」です。

「吉里吉里」はきりきりと読みます。 大槌町の地名です。

「挽臼」は穀物を挽く石の道具です

記録したのは佐々木喜善です。 『遠野物語』の語り手として知られます。

沼の女(ぬまのおんな)

日文研データベースが示す表記。

黄金の挽臼(こがねのひきうす)

礼にもらった品。報告の題にもなっています。

沼の女の姿と特徴

この記録に怪しい姿はありません。あるのは、やりとりです。

声をかけた者 … 古沼のほとりの女。
託したもの … 姉への手紙と旅費。
届け先 … 秋田領の黒沼にいる姉。
… 黄金の粒の出る挽臼。
帰り道 … 気がつけば体が空を飛び、仙台の宿の前にいた。

女の姿がどう見えたかは書かれていません。

沼の女の伝承記録

  1. 手紙と旅費を託される
  2. 黒沼にたどり着く
  3. 空を飛んで帰る

手紙と旅費を託される

吉里吉里の貧乏な漁夫が、草刈に行きました。

古沼のほとりで、女に声をかけられます。

姉への手紙と旅費を託されました。

届け先は、秋田領の黒沼です。

岩手から秋田まで、歩いて行くことになります。

黒沼にたどり着く

途中道に迷いながらも、秋田領の黒沼に辿り着きました。

目的の女に、妹からの手紙を渡します。

姉も、沼にいました

お礼に、黄金の粒の出る挽臼をもらいました。

報告の題は「黄金の挽臼」です。

空を飛んで帰る

気がつけば、体が空を飛んでいました。

伊勢参拝に行く先発が居る仙台の宿の前に来ていたといいます。

歩いて行った道を、帰りは一息で戻りました

報告の題は「手紙の秘密」です。 手紙の中身は、記録に書かれていません。

この図鑑には隠里も収めています。

沼の女の伝承地域

公的データベースの地域欄は岩手県上閉伊郡大槌町を示します。記録は吉里吉里と記します。

古沼の位置は書かれていないため、地図で指せるのは町の範囲までです。

吉里吉里(きりきり)

記録が示す土地

地図で開く

吉里吉里の所在地:岩手県上閉伊郡大槌町

記録は「吉里吉里の貧乏な漁夫」と記します。

古沼の位置は資料に書かれていません。

沼の女の正体と考えられているもの

この女の正体は書かれていません。沼にいるとだけ記されます。

姉妹が、離れた二つの沼に住んでいます。

手紙を託す相手に選ばれたのは、通りかかった貧乏な漁夫でした。

礼は、黄金の粒の出る挽臼です。 この図鑑のオナン淵(山梨)も、頼めば膳を貸してくれました

水のそばに、与えるものがいるという考え方が共通します。

沼の女が記録された資料

沼の女を単独で扱った本は見当たりません。読めるのは『旅と伝説』の記事です。

佐々木喜善は『遠野物語』の語り手で、岩手の話を数多く書き留めましたこの図鑑には隠里オナン淵(山梨)も収めています。

沼の女が記録された民俗資料

黄金の挽臼―ニ、手紙の秘密―

佐々木喜善が『旅と伝説』通巻13号(1929年)に載せた中心資料です。

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沼の女についてよくある質問

沼の女とは何ですか。

岩手県大槌町の古沼のほとりで、漁夫に姉への手紙を託したとされる女です。

手紙はどこへ届けたのですか。

秋田領の黒沼にいる姉のもとです。

礼は何でしたか。

黄金の粒の出る挽臼です。

帰り道はどうしたのですか。

気がつけば体が空を飛び、仙台の宿の前に来ていたと記録されています。

沼の女と併せて覚えたい言葉・用語

吉里吉里(きりきり)

岩手県大槌町の地名です。

挽臼(ひきうす)

穀物を挽く石の道具です。

佐々木喜善(ささききぜん)

『遠野物語』の語り手。この記録の筆者です。

沼の女の参考資料

この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。

  1. 国際日本文化研究センター「沼の女」