岩手県大船渡市で、小正月の夜に来て子供を俵に入れて攫うとされた訪れ手。

Yasu 「ど根性ポプラ広場(岩手県大船渡市三陸町越喜来)」 2018年 / CC BY-SA 3.0 出典
カセドリとはどんな妖怪か
カセドリはひとことで言えば、小正月の夜に家を廻る訪れ手です。岩手県大船渡市の話です。
国際日本文化研究センターの怪異・妖怪伝承データベースは、國學院大學民俗学研究会「岩手県気仙沼郡三陸村越喜来」(『民俗採訪』通巻昭和39年度号、1965年、76頁)を典拠に、小正月の夜は、ヒガタタクリとかカセドリとかいうものが来る、俵づづが来て子供を俵に入れて攫う、と言って子供たちは怖れて早く寝た。1930年ごろまではヒガタククリの行事をやっていた。蓑を着て顔に墨を塗った人が「イッソイッソ」と言いながら各戸を廻ったと記します。
怖がらせる話と、実際の行事が、同じ記録に並んでいます。
「イッソ」は米一升くれの意味と記されます。
カセドリの漢字表記と読み方
読みは「かせどり」です。
小正月に家々を廻る訪れ手を指す言葉です。 佐賀県などにも同じ名の行事があります。
この土地ではヒガタタクリとも呼ばれました。 行事の名はヒガタククリとも記されます。
この図鑑には吉浜のスネカ(岩手)も収めています。同じ三陸の小正月の訪れ手です。
カセドリ(かせどり)
日文研データベースが示す呼称。
ヒガタタクリ(ひがたたくり)
同じ記録が併記する呼び名です。
俵づつ(たわらづつ)
子供を俵に入れて攫うとされたものです。
カセドリの姿と特徴
カセドリの姿は、記録に段を追って書かれています。
来る日 … 小正月の夜。
名 … ヒガタタクリ、カセドリ、俵づつ。
すること … 子供を俵に入れて攫う。
子供たち … 怖れて早く寝た。
行事 … 1930年ごろまで行われた。
扮装 … 蓑を着て顔に墨を塗った人。
掛け声 … イッソイッソ、つまり米一升くれ。
面をかぶるという記述はありません。 顔は墨で塗られました。
カセドリの伝承記録
小正月の夜に来る
小正月の夜は、ヒガタタクリとかカセドリとかいうものが来ます。
俵づつが来て子供を俵に入れて攫うといいます。
子供たちは怖れて、早く寝ました。
寝かせるための脅しでもありました。
蓑と墨で廻る
1930年ごろまでは、ヒガタククリの行事をやっていました。
蓑を着て顔に墨を塗った人が、各戸を廻りました。
「イッソイッソ」と言いながら歩きました。
米一升をねだる声です。
カセドリの伝承地域
公的データベースの地域欄は岩手県大船渡市三陸町を示します。報告の題は気仙沼郡三陸村越喜来です。
越喜来は三陸海岸に面した集落です。
三陸町越喜来(さんりくちょうおきらい)
日文研データベースが示す伝承地域
三陸町越喜来の所在地:岩手県大船渡市三陸町越喜来
國學院大學民俗学研究会の調査報告によります。
行事は1930年ごろまで行われたと記されます。
カセドリの正体と考えられているもの
カセドリは、小正月に家を廻った訪れ手です。
二つの面があります。 子供を攫うという脅しと、蓑と墨で廻る行事です。
同じ三陸にはスネカがあり、よく似た形で伝わります。
この図鑑には吉浜のスネカ(岩手)も収めています。
カセドリが登場する作品
カセドリを単独で扱った本は見当たりません。読めるのは大学の調査報告です。
小正月の訪れ手は各地にあり、なまはげやスネカとして知られます。この図鑑には吉浜のスネカ(岩手)も収めています。
カセドリが登場する調査報告
民俗採訪
國學院大學民俗学研究会の報告集です。昭和39年度号に越喜来の調査が載ります。
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カセドリについてよくある質問
カセドリとは何ですか。
岩手県大船渡市三陸町越喜来で、小正月の夜に来るとされた訪れ手です。
子供はどうなると言われましたか。
俵に入れて攫われると言われ、子供たちは怖れて早く寝ました。
行事はどんな形でしたか。
蓑を着て顔に墨を塗った人が各戸を廻り、イッソイッソと言いました。
イッソとは何ですか。
米一升くれ、という意味と記録されています。
カセドリと併せて覚えたい言葉・用語
小正月(こしょうがつ)
正月15日ごろの行事の日。訪れ手が来る土地があります。
蓑(みの)
藁で編んだ雨具。訪れ手の扮装に使われました。
越喜来(おきらい)
岩手県大船渡市三陸町の地名です。
カセドリの参考資料
この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。