石川県白山市で、神送りの日に絵馬の馬が出雲へ行き、たらいの水が濁ったという。

絵馬の馬とはどんな妖怪か
絵馬の馬はひとことで言えば、水を濁らせて帰りを知らせた馬です。石川県白山市の話です。
国際日本文化研究センターの怪異・妖怪伝承データベースは、国学院大学民俗学研究会「石川県石川郡河内村」(『民俗採訪』通巻昭和52年度号、1978年、174頁)を典拠に、9月30日の神送りの日に、神さんは八幡神社の絵馬の馬に乗って出雲へ行くという。10月末日の神迎えの日に帰ってくるのだが、この日にたらいに水を汲んでおいたら、水が濁っていた。馬が足を洗ってから氏神様に行ったのだというと記します。
「神無月」は神々が出雲へ行くため、諸国の神がいなくなる月とされます。
その行き帰りに、絵馬の馬が使われました。
濁った水が、帰ってきた証しになっています。
絵馬の馬の漢字表記と読み方
読みは「えまのうま」です。
「絵馬」は社に奉納する、馬などを描いた板です。もとは生きた馬を奉納したものが、板の絵に替わったとされます。
「神送り」「神迎え」は神が出雲へ行き、帰ってくる日の行事です。
この図鑑には牛鬼も収めています。
絵馬の馬(えまのうま)
日文研データベースが示す表記。
たらいの水(たらいのみず)
同データベースが併記する呼称。
絵馬の馬の姿と特徴
この記録に妖怪の姿はありません。あるのは、濁った水です。
行く日 … 九月三十日、神送りの日。
乗り物 … 八幡神社の絵馬の馬。
行き先 … 出雲。
帰る日 … 十月末日、神迎えの日。
その日にしたこと … たらいに水を汲んでおいた。
起きたこと … 水が濁っていた。
説明 … 馬が足を洗ってから氏神様に行った。
馬が動く姿を見た者がいたとは書かれていません。
絵馬の馬の伝承記録
絵馬の馬で出雲へ
九月三十日は、神送りの日です。
神さんは、八幡神社の絵馬の馬に乗って出雲へ行きます。
「神無月」は諸国の神がいなくなる月とされます。
その行き来に、板に描かれた馬が使われました。
絵が、乗り物になっています。
たらいの水が濁る
十月末日は、神迎えの日です。
この日にたらいへ水を汲んでおいたら、水が濁っていました。
馬が足を洗ってから氏神様に行ったのだといいます。
長い道のりを帰ってきた——その証しが、濁りです。
姿を見ずに、跡だけで確かめています。
絵馬の馬の伝承地域
公的データベースの地域欄は石川県白山市河内町を示します。報告は旧石川郡河内村の調査です。
記録は八幡神社の絵馬と記します。社の現在は書かれていません。
絵馬の馬の正体と考えられているもの
この記録に妖怪は出てきません。語られているのは、神送りと神迎えの習わしです。
神無月に神が出雲へ集まるという考え方が、背景にあります。
この記録の特徴は、帰りを水の濁りで確かめることです。
姿は見えません。 跡だけが残ります。
この図鑑には正月様(福島)も収めています。 そちらは、煙越しに姿が拝まれました。
絵馬の馬が記録された資料
絵馬の馬を単独で扱った本は見当たりません。読めるのは大学の調査報告です。
同じ報告からはニワトリの足(石川)も収めています。神無月の習わしを扱った本と併せて読むと、この話の位置が見えてきます。
絵馬の馬が記録された民俗資料
石川県石川郡河内村
国学院大学民俗学研究会が『民俗採訪』(1978年)に載せた調査報告です。
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絵馬の馬についてよくある質問
絵馬の馬とは何ですか。
石川県白山市で、神が出雲へ行き来するときに乗るとされた八幡神社の絵馬の馬です。
いつ行き来するのですか。
九月三十日の神送りの日に行き、十月末日の神迎えの日に帰ってくるとされます。
たらいの水はなぜ濁るのですか。
馬が足を洗ってから氏神様に行ったためだと記録されています。
絵馬とは何ですか。
社に奉納する、馬などを描いた板です。もとは生きた馬の奉納が替わったものとされます。
絵馬の馬と併せて覚えたい言葉・用語
神送り(かみおくり)
神が出雲へ発つ日の行事です。
神迎え(かみむかえ)
神が出雲から帰る日の行事です。
絵馬(えま)
社に奉納する、馬などを描いた板です。
絵馬の馬の参考資料
この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。