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福島県

正月様(しょうがつさま)とはどんな妖怪か|姿と伝承

正月様  / ショウガツサマ

そのほか 各地の伝説

福島県いわき市で、正月15日の鳥小屋の煙を通して西の空に拝まれるという老夫婦の後姿。

正月様の姿を描いた図

hiroaki 「塩屋埼灯台(福島県いわき市平薄磯)」 2014年 / CC BY 2.0 出典

正月様とはどんな妖怪か

正月様はひとことで言えば、煙越しに見送る神の後姿です。福島県いわき市の話です。

国際日本文化研究センターの怪異・妖怪伝承データベースは、柳田國男年中行事調査標目(十二)」(『旅と伝説』7巻4号・通巻76号、1934年、76〜77頁)を典拠に、春来る神を正月様といい、正月15日、鳥小屋の火を焚くと、この煙を通して、西の空に高砂の尉と姥のような、老夫婦の後姿が拝まれるというと記します。話者は高木誠一です。

鳥小屋は、小正月に子どもたちが作り、燃やす小屋です各地の左義長(どんど焼き)にあたります。

見えるのは後姿です。 帰ってゆく姿ということになります。

高砂の尉と姥は、能「高砂」に出る老夫婦で、めでたさの象徴です

正月様の漢字表記と読み方

読みは「しょうがつさま」です。データベースの読み欄は歴史的仮名遣いで「シャウガツサマ」と記します。

正月様は、春来る神とされます年の初めに家々を訪れる神です。

歳神(としがみ)と呼ぶ土地もあります。ここでは老夫婦の姿で語られています。

正月様(しょうがつさま)

日文研データベースが示す漢字表記。

シャウガツサマ(しょうがつさま)

同データベースの呼称読み(歴史的仮名遣い)。

正月様の姿と特徴

正月様の姿は、はっきり記録されています。

… 正月15日。
きっかけ … 鳥小屋の火を焚く。
見る道筋 … その煙を通して。
方角 … 西の空。
姿 … 高砂の尉と姥のような、老夫婦の後姿。

顔は見えません。 後姿だけが拝まれるとされます。

正月様の伝承記録

  1. 鳥小屋の煙を通して
  2. 高砂の尉と姥

鳥小屋の煙を通して

正月15日は小正月です。

子どもたちが作った鳥小屋に火を焚きます。

煙が立ちのぼります。

その煙を通して見ると、西の空に姿が拝まれるといいます。

煙が、見るための道筋になっています。

火を焚く行事と、神を見る行いが結び付いています。

高砂の尉と姥

見えるのは、高砂の尉と姥のような、老夫婦の後姿です。

高砂の尉と姥は、能「高砂」に出る老夫婦です熊手と箒を持ち、長寿とめでたさの象徴とされます。

そして、後姿です。

正月様は、帰ってゆくところということになります。

小正月は、年神を送る日でもあります。姿と行事が合っています。

正月様の伝承地域

公的データベースの地域欄は福島県いわき市を示します。

話者の高木誠一は、いわきの民俗を記録した人です。柳田國男が、その話を書き留めました。

いわき市内(いわきしない)

日文研データベースが示す伝承地域

地図で開く

いわき市内の所在地:福島県いわき市

話者は高木誠一。いわきの民俗を記録した人です。

鳥小屋を作る場所は資料に書かれていません。

正月様の正体と考えられているもの

正月様は、春来る神とされます年の初めに家々を訪れる神です。

歳神と呼ぶ土地もありますが、この記録は老夫婦の姿で語ります。

怪異というより、行事の中で拝まれるものです。

この図鑑が収めるのは、煙を通して姿が見えるという点です見るための条件が決まっています。

この図鑑には、火と煙に関わる話として、和歌山の七人塚の青い火も収めています。

正月様が記録された資料

正月様を単独で扱った本は見当たりません。読めるのは柳田國男の記事です。

年中行事を調べるための項目を並べた連載で、各地の報告が添えられています。柳田國男全集にも収められています。

正月様が記録された民俗資料

年中行事調査標目(十二)

柳田國男が『旅と伝説』7巻4号(1934年)に載せた中心資料です。

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正月様についてよくある質問

正月様とは何ですか。

福島県いわき市で春来る神をこう呼びます。正月15日に老夫婦の後姿が拝まれるとされました。

どうすれば見えるのですか。

鳥小屋の火を焚き、その煙を通して西の空を見ると拝まれると記録されています。

鳥小屋とは何ですか。

小正月に子どもたちが作って燃やす小屋です。各地の左義長(どんど焼き)にあたります。

高砂の尉と姥とは何ですか。

能「高砂」に出る老夫婦です。長寿とめでたさの象徴とされます。

正月様と併せて覚えたい言葉・用語

鳥小屋(とりごや)

小正月に子どもたちが作って燃やす小屋です。

小正月(こしょうがつ)

正月15日。年神を送る日とされます。

高砂の尉と姥(たかさごのじょうとうば)

能「高砂」に出る老夫婦。長寿の象徴です。

正月様の参考資料

この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。

  1. 国際日本文化研究センター「正月様」