石川県金沢市で、夜中に飴を買いに来た若い女。後をつけると墓場から出て、男の子が見つかった。

飴買いの女とはどんな妖怪か
飴買いの女はひとことで言えば、死んでも子に飴を買った母です。石川県金沢市の話です。
国際日本文化研究センターの怪異・妖怪伝承データベースは、前田佐智子「信仰と飴」(『加能民俗研究』通巻14号、1986年、81頁)を典拠に、若い女が十二時に飴を買いに来るので後をつけると寺の後ろの墓場から出てきた。墓場には男の子がいて、寺で育てて、壺上人という坊さんになったと記します。
この形の話は各地にあります。 子育て幽霊、飴買い幽霊と呼ばれ、京都をはじめ全国で語られてきました。
金沢のこの記録では、子は「壺上人」という僧になりました。
名の残る僧の由来として語られている点が、この土地の形です。
飴買いの女の漢字表記と読み方
読みは「あめかいのおんな」です。
飴は、乳の代わりに子へ与えるものとして語られます。母が夜ごと買いに来るのは、そのためです。
同じ話は子育て幽霊の名で各地に伝わります。寺の由来として語られることが多い形です。
飴買いの女(あめかいのおんな)
この図鑑での見出し。記録は「飴買,若い女」と記します。
飴買(あめかい)
日文研データベースが示す呼称。
子育て幽霊(こそだてゆうれい)
各地で同じ型の話に付く呼び名。
飴買いの女の姿と特徴
飴買いの女の姿は、若い女です。
時刻 … 十二時(夜中)。
行い … 飴を買いに来る。
出どころ … 寺の後ろの墓場。
墓場にいたもの … 男の子。
その後 … 寺で育てられ、壺上人という坊さんになった。
恐ろしい姿としては記録されていません。
女が消えた場面も、記録には書かれていません。
飴買いの女の伝承記録
夜中に飴を買いに来る
女が来るのは十二時です。店を閉める時刻を過ぎています。
若い女が、毎夜のように飴を買いに来ました。
不審に思った者が後をつけると、寺の後ろの墓場から出てきました。
墓場から出てくる——その一点で、女が何者かが分かります。
土に葬られた母が、子のために出てきていたという筋です。
壺上人となった子
墓場には男の子がいました。
墓の中で生まれた子という筋が、この話の型です。母は死後に子を産み、飴で育てていました。
子は寺で育てられ、壺上人という坊さんになりました。
名の残る僧の由来として語られています。岩手の赤子塚では、塚から出た子が如幻和尚になりました。
同じ形の話が、離れた土地にあります。
飴買いの女の伝承地域
公的データベースの地域欄は石川県金沢市山の上町を示します。
寺の名は書かれていないため、地図で指せるのは町の範囲までです。
山の上町周辺(やまのうえまちしゅうへん)
日文研データベースが示す伝承地域
山の上町周辺の所在地:石川県金沢市山の上町
「信仰と飴」の地域欄に対応します。
寺の名や墓地の位置は資料に書かれていません。
飴買いの女の正体と考えられているもの
飴買いの女の正体は、記録では墓に葬られた母とされています。
死後に子を産み、飴を買って育てたという筋です。
この型の話は全国にあります。 子育て幽霊、飴買い幽霊。京都の六道珍皇寺周辺の話がよく知られます。
金沢のこの記録では、子が「壺上人」という僧になりました。
怪異が、寺と僧の由来につながっている点が、この話の落ち着き先です。
飴買いの女が記録された資料
飴買いの女の話は、『加能民俗研究』の記事で読めます。
子育て幽霊の型は全国にあり、まとめた本や研究が数多くあります。飴と信仰という視点で書かれた報告として、この記事は読みどころがあります。
飴買いの女が記録された民俗資料
信仰と飴
前田佐智子が『加能民俗研究』通巻14号(1986年)に載せた中心資料です。
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飴買いの女についてよくある質問
飴買いの女とは何ですか。
石川県金沢市に伝わる話です。夜中に飴を買いに来る若い女の後をつけると、寺の後ろの墓場から出てきたと記録されています。
墓場には何がいたのですか。
男の子がいて、寺で育てられ、壺上人という坊さんになったと記録されています。
ほかの土地にもある話ですか。
あります。子育て幽霊、飴買い幽霊の名で全国に伝わります。
なぜ飴なのですか。
乳の代わりに子へ与えるものとして語られます。記録に理由の説明はありません。
飴買いの女と併せて覚えたい言葉・用語
子育て幽霊(こそだてゆうれい)
死後に子を育てる母の幽霊。全国に伝わる話の型です。
壺上人(つぼしょうにん)
墓場から助け出された子が育ってなったとされる僧の名です。
加能民俗研究(かのうみんぞくけんきゅう)
石川県の民俗誌。この話の記録が載りました。
飴買いの女の参考資料
この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。