兵庫県明石市で、家の棟から上がって降りた光の玉。一週間ほどしてその家の主人が亡くなった。

遊び魂とはどんな妖怪か
遊び魂はひとことで言えば、人が死ぬ前に体から出る光です。兵庫県明石市の話です。
国際日本文化研究センターの怪異・妖怪伝承データベースは、森俊秀「ショウネンダマの話―神戸近郊の経験とその分類―」(『兵庫民俗』1巻1号、1952年、11頁)を典拠に、次のように記します。
昭和26年初夏の宵、明石川に蛍狩りに出かけると、ある家の棟からマグネシウムを焚いたような丸い光物が上って真っ直ぐに降りた。一週間位してその家の主人が病気で亡くなった。
昭和26年(1951年)の出来事として記録されています。 昔話ではなく、報告者の同時代の経験です。
光の様子も具体的です。 マグネシウムを焚いたような丸い光。写真の閃光に使われた、強く白い光の例えです。
題にある「ショウネンダマ」は、同じ報告が扱う魂の火の呼び名です。
遊び魂の漢字表記と読み方
読みは「あそびだま」です。
「遊び」は、体を離れてさまようという意味合いで使われています。魂が抜け出して遊ぶ、という考え方です。
遊び魂(あそびだま)
日文研データベースが示す漢字表記。
ショウネンダマ(しょうねんだま)
同じ報告が扱う、魂の火の呼び名。
遊び魂の姿と特徴
遊び魂の姿は、丸い光の玉です。
色と明るさ … マグネシウムを焚いたような光。
動き … 家の棟から上がり、真っ直ぐに降りた。
時 … 初夏の宵。
その後 … 一週間ほどで、その家の主人が病死した。
尾を引いた、音を立てたといった記述はありません。
上がって、降りる。 その動きだけが記録されています。
遊び魂の伝承記録
棟から上がって、真っ直ぐ降りる
目撃されたのは家の棟、屋根のいちばん高いところです。
そこから光の玉が上がり、真っ直ぐに降りました。 同じ家に戻るような動きです。
蛍狩りの人が見ています。 初夏の宵、川辺には人が出ていました。
マグネシウムを焚いたようなという例えから、強く白い光だったことが分かります。
一週間後に、主人が亡くなる
記録は結末まで伝えます。一週間位してその家の主人が病気で亡くなった。
光が出た家の人が亡くなる。 前触れとして語られる形です。
長野の川鼓は二日前、この記録は一週間ほど。前触れから死までの間が、それぞれ具体的に語られます。
報告者は、これを一つの経験として書き留めました。 昭和26年という年が入っている点で、新しい記録です。
遊び魂の伝承地域
公的データベースの地域欄は兵庫県明石市を示します。記録は明石川での出来事とします。
家の位置は書かれていないため、地図で指せるのは市の範囲までです。
遊び魂の正体と考えられているもの
遊び魂の正体は、記録では人の魂とされています。
死の前に体を離れるという考え方です。光が出た家の主人が、一週間ほどで亡くなりました。
火の玉を魂とみる見方は各地にあります。 高知のケチビは怨霊の変化、各地の人魂は死者や病人の魂とされました。
遊び魂は、その中でも年月日のはっきりした報告である点が珍しい例です。
遊び魂が記録された資料
遊び魂を単独で扱った本は見当たりません。読めるのは『兵庫民俗』の記事です。
題のとおり、神戸近郊で集めた経験談を分類した報告です。同じ記事には、ほかの魂の火の例も並びます。
遊び魂が記録された民俗資料
ショウネンダマの話―神戸近郊の経験とその分類―
森俊秀が『兵庫民俗』1巻1号(1952年)に載せた中心資料です。
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遊び魂についてよくある質問
遊び魂とは何ですか。
兵庫県明石市で記録された光の玉です。家の棟から上がって降り、一週間ほどでその家の主人が亡くなったと伝えられます。
いつの話ですか。
昭和26年(1951年)初夏の宵の出来事として記録されています。
どんな光ですか。
マグネシウムを焚いたような丸い光と記録されています。強く白い光の例えです。
人魂と同じですか。
同じく人の魂とされる火です。この報告では「遊び魂」の名で記録されました。
遊び魂と併せて覚えたい言葉・用語
棟(むね)
屋根のいちばん高いところ。光が上がった場所です。
ショウネンダマ(しょうねんだま)
同じ報告が扱う魂の火の呼び名。題に使われています。
人魂(ひとだま)
人の魂とされる火。各地で語られます。
遊び魂の参考資料
この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。