広島県尾道市の因島で、盗みよけに樹へ憑かせたという憑きもの。

カセブラとはどんな妖怪か
カセブラはひとことで言えば、盗みよけに使われた憑きものです。広島県尾道市の話です。
国際日本文化研究センターの怪異・妖怪伝承データベースは、秋田三穂「芸備地方憑物二話」(『山陰民俗』通巻8号、1956年、23頁)を典拠に、因島にはカセブラという憑きものがあるように言われる。栽培している蜜柑や柿を盗む人がいるので、それを防ぐために、祈願してカセブラサンを憑かせるのだという。祈願した樹の実を盗むと、カセブラが祟ってその人の尻から血が出るというと記します。
人に憑くのではなく、まず樹に憑かせています。
そして、その実を盗んだ人に祟りが向かいます。 罰の出方まで決まっています。
カセブラの漢字表記と読み方
読みは「かせぶら」です。
名の由来は記録されていません。 憑かせるときはカセブラサンと呼ばれました。
因島は蜜柑の産地です。 実りを守るための言い伝えでした。
この図鑑にはゲドウ(島根)も収めています。そちらも憑きものです。
カセブラ(かせぶら)
日文研データベースが示す呼称。
カセブラサン(かせぶらさん)
祈願して憑かせるときの呼び方です。
カセブラの姿と特徴
カセブラに姿はありません。記録にあるのは、使われ方です。
場所 … 因島。
目的 … 栽培している蜜柑や柿を盗む人を防ぐため。
すること … 祈願してカセブラサンを憑かせる。
憑かせる先 … 樹。
盗むと … カセブラが祟る。
祟りの形 … その人の尻から血が出る。
姿や声についての記述はありません。
カセブラの伝承記録
実りを守る
因島には、カセブラという憑きものがあるように言われました。
栽培している蜜柑や柿を盗む人がいます。
そこで、それを防ぐために祈願しました。
樹に憑かせる
祈願して、カセブラサンを憑かせるのだといいます。
憑く先は人ではなく樹です。
守りの仕掛けとして使われました。
盗めば祟る
祈願した樹の実を盗むと、カセブラが祟ります。
その人の尻から血が出るといいます。
罰の出方が、はっきり語られています。 盗みへの戒めとして働きました。
カセブラの伝承地域
公的データベースの地域欄は広島県尾道市因島田熊町を示します。
因島は瀬戸内の島で、蜜柑の産地として知られます。
因島田熊町(いんのしまたぐままち)
日文研データベースが示す伝承地域
因島田熊町の所在地:広島県尾道市因島田熊町
芸備地方の憑物を扱った報告によります。
祈願の場所や作法は資料に詳しく書かれていません。
カセブラの正体と考えられているもの
カセブラは、実りを守るために使われた憑きものです。
憑く先が樹である点が変わっています。
祟りは盗んだ人に向かいました。
この図鑑にはゲドウ(島根)も収めています。
カセブラが登場する作品
カセブラを単独で扱った本は見当たりません。読めるのは民俗学会の雑誌です。
憑きものは中国地方で多く語られ、犬神やゲドウの名で知られます。この図鑑にはゲドウ(島根)も収めています。
カセブラが登場する民俗雑誌
山陰民俗
山陰民俗学会の雑誌です。通巻8号に秋田三穂の報告が載ります。
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カセブラについてよくある質問
カセブラとは何ですか。
広島県尾道市の因島で語られた憑きもので、盗みよけに樹へ憑かせたとされます。
どうやって憑かせるのですか。
祈願してカセブラサンを憑かせるのだと記録されています。
盗むとどうなりますか。
カセブラが祟って、その人の尻から血が出るといわれました。
何を守ったのですか。
栽培している蜜柑や柿です。
カセブラと併せて覚えたい言葉・用語
憑きもの(つきもの)
人や家に憑くとされたもの。中国地方に多く語られます。
因島(いんのしま)
広島県尾道市の島。蜜柑の産地として知られます。
祈願(きがん)
願いをかけて祈ること。ここでは憑かせるために行われました。
カセブラの参考資料
この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。