岐阜県揖斐川町で、嫁を脅そうとした老婆の顔から外れなくなった面。

鬼の面とはどんな妖怪か
鬼の面はひとことで言えば、脅した側から外れなくなった面です。岐阜県揖斐郡の話です。
国際日本文化研究センターの怪異・妖怪伝承データベースは、國學院大學民俗学研究会「岐阜県揖斐郡谷汲村」(『民俗採訪』通巻昭和46年度号、1972年、173頁)を典拠に、嫁が毎晩願掛けに出かけていくのをよく思っていなかった老婆が、鬼の面をかぶって嫁を驚かせた。すると嫁は恐れず、手を合わせて座り拝みだしたので、面を取って謝ろうとしたところが面がはずれなくなってしまった。そのいわれがおでこさん(でこしき岩)になって残っているというと記します。
嫁は、鬼を見ても逃げませんでした。
手を合わせて拝んだのです。
この図鑑には、島根の薬師の面も収めています。 そちらは、すり替えられて怒った面です。
鬼の面の漢字表記と読み方
鬼の面(おにのめん)
日文研データベースが示す表記。
おでこさん(おでこさん)
このいわれが残るという岩の名。
でこしき岩(でこしきいわ)
同じ岩の別の呼び名。
鬼の面の姿と特徴
この記録にあるのは、鬼の面です。
かぶった人 … 嫁をよく思っていなかった老婆。
目的 … 毎晩願掛けに出かける嫁を驚かせること。
嫁の反応 … 恐れず、手を合わせて座り拝みだした。
その後 … 面を取って謝ろうとしたが、はずれなくなった。
残ったもの … おでこさん(でこしき岩)。
面が声を出した、動いたという記述はありません。
鬼の面の伝承記録
嫁を驚かそうとする
嫁が、毎晩願掛けに出かけていきました。
老婆は、それをよく思っていませんでした。
そこで、鬼の面をかぶって嫁を驚かせました。
願掛けをやめさせるつもりだったとみられます。
理由は書かれていません。
面がはずれなくなる
すると嫁は恐れず、手を合わせて座り拝みだしました。
鬼を見て、拝んだのです。
老婆は、面を取って謝ろうとしました。
ところが、面がはずれなくなってしまいました。
そのいわれが、おでこさん(でこしき岩)になって残っているといいます。
鬼の面の伝承地域
公的データベースの地域欄は岐阜県揖斐郡を示します。報告は旧谷汲村の調査です。
おでこさん(でこしき岩)の位置は書かれていません。
鬼の面の正体と考えられているもの
この記録に妖怪は出てきません。語られているのは、戒めの話です。
嫁の信心が、鬼の姿を恐れさせませんでした。
そして、脅した側が罰を受けています。
面が外れなくなるという話は各地にあり、能や狂言の題材にもなっています。
この図鑑には面霊気、生面、薬師の面も収めています。
鬼の面が記録された資料
鬼の面を単独で扱った本は見当たりません。読めるのは大学の調査報告です。
面が外れなくなる話は各地にあり、信心の強さを語るために使われます。この図鑑には薬師の面(島根)も収めています。
鬼の面が記録された民俗資料
岐阜県揖斐郡谷汲村
國學院大學民俗学研究会が『民俗採訪』(1972年)に載せた調査報告です。
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鬼の面についてよくある質問
鬼の面とは何ですか。
岐阜県揖斐川町の話です。嫁を脅そうとした老婆の顔から外れなくなった面とされます。
なぜ驚かせたのですか。
嫁が毎晩願掛けに出かけるのをよく思っていなかったためです。
嫁はどうしましたか。
恐れず、手を合わせて座り拝みだしたと記録されています。
いわれはどこに残っていますか。
おでこさん(でこしき岩)になって残っていると記録されています。
鬼の面と併せて覚えたい言葉・用語
願掛け(がんかけ)
願いをかけて社寺に通うこと。嫁は毎晩出かけていました。
でこ(でこ)
人形や面を指す言い方です。
谷汲村(たにぐみむら)
岐阜県の旧村名。現在の揖斐川町にあたります。
鬼の面の参考資料
この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。