岐阜県郡上市で、掛かっていた刀を持ち帰った一族が死に絶えたという松。

刀掛けの松とはどんな妖怪か
刀掛けの松はひとことで言えば、持ち帰ってはいけない刀の話です。岐阜県郡上市の話です。
国際日本文化研究センターの怪異・妖怪伝承データベースは、東洋大学民俗研究会「九 口承文芸」(『和良の民俗―岐阜県郡上郡和良村―』昭和53年度号、1979年、248頁)を典拠に、ある人が刀掛け松の枝に掛かっていた刀2本を持って帰ったら、夜になると箱の中で切り合いの音を出したので恐ろしくなり、お坊さんに供養を頼んだら「埋けて弔え」と言われた。しかし祟りがあってその一族は死に絶え、その松も枯れてしまった。その家の倉だけが残っているというと記します。
刀が箱の中で音を立てています。
供養を頼んでも収まりませんでした。 残ったのは、倉だけです。
刀掛けの松の漢字表記と読み方
読みは「かたなかけのまつ」です。
刀を掛けた松という意味です。 誰が掛けたかは記録されていません。
「埋けて弔え」は、土に埋めて供養せよという意味です。
この図鑑には千丁木(山梨)も収めています。そちらも松と木の話です。
刀掛けの松(かたなかけのまつ)
日文研データベースが示す表記。
刀掛け松(かたなかけまつ)
記録の本文の言い方です。
刀掛けの松の姿と特徴
刀掛けの松に姿はありません。記録にあるのは、刀と音です。
掛かっていたもの … 刀2本。
したこと … ある人が持って帰った。
夜に起きたこと … 箱の中で切り合いの音を出した。
頼んだこと … お坊さんに供養を頼んだ。
告げ … 埋けて弔え。
その後 … 祟りがあってその一族は死に絶えた。
松 … 枯れてしまった。
残ったもの … その家の倉だけ。
刀の姿かたちについての記述はありません。
刀掛けの松の伝承記録
刀を持ち帰る
ある人が、刀掛け松の枝に掛かっていた刀2本を持って帰りました。
掛けた人については書かれていません。
松に掛かったままの刀でした。
箱の中で鳴る
夜になると、箱の中で切り合いの音を出しました。
2本の刀が、打ち合う音です。
恐ろしくなって、お坊さんに供養を頼みました。
「埋けて弔え」と言われました。
一族が絶える
しかし祟りがあって、その一族は死に絶えました。
その松も枯れてしまいました。
その家の倉だけが残っているといいます。
供養しても収まらなかった、重い結末です。
刀掛けの松の伝承地域
公的データベースの地域欄は岐阜県郡上市和良町を示します。記録の表記は郡上郡和良村です。
和良は山あいの土地です。 報告は大学の調査によります。
刀掛けの松の正体と考えられているもの
刀掛けの松は、持ち帰った刀が家を絶やした話です。
流れがはっきりしています。 持ち帰る、音が鳴る、供養する、それでも絶える、という順です。
残ったのは倉だけでした。
この図鑑には千丁木(山梨)も収めています。
刀掛けの松が登場する作品
刀掛けの松を単独で扱った本は見当たりません。読めるのは大学の調査報告です。
持ち帰ってはいけない物の話は各地にあり、刀や石が祟る形が繰り返し現れます。この図鑑には仙元様のたたり(埼玉)も収めています。
刀掛けの松が登場する調査報告
和良の民俗―岐阜県郡上郡和良村―
東洋大学民俗研究会が1979年にまとめた報告です。
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刀掛けの松についてよくある質問
刀掛けの松とは何ですか。
岐阜県郡上市和良町に伝わる松で、枝に刀2本が掛かっていたとされます。
刀を持ち帰るとどうなりましたか。
夜に箱の中で切り合いの音を出したと記録されています。
供養はしましたか。
お坊さんに頼み、埋けて弔えと言われましたが、祟りは収まりませんでした。
今は何が残っていますか。
松は枯れ、その家の倉だけが残っているといいます。
刀掛けの松と併せて覚えたい言葉・用語
埋ける(いける)
土に埋めること。供養の作法として告げられました。
和良村(わらむら)
岐阜県の旧村名。現在の郡上市の一部です。
倉(くら)
物をしまう建物。家が絶えても残ったと記されます。
刀掛けの松の参考資料
この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。