福島県喜多方市で、水の音を聞くと箱を飛び出すという獅子頭。滝に飛び込み、神楽滝の名が残った。

Qwert1234 「日中線の熱塩駅跡(福島県喜多方市熱塩加納町)」 2009年 / パブリックドメイン 出典
獅子頭とはどんな妖怪か
獅子頭はひとことで言えば、水の音に惹かれる道具です。福島県喜多方市の話です。
国際日本文化研究センターの怪異・妖怪伝承データベースは、國學院大學民俗学研究会『民俗採訪』(1977年、123頁)の「福島県耶麻郡高郷村」の報告を典拠に、次のように記します。
獅子頭が水の音を聞くと箱から出てしまうので、普段は太鼓や笛の音で水の音をかき消して水の傍を通っていた。が、あるとき酔っていたのでそれをするのを忘れて滝の傍を通った。獅子頭は滝の音を聞いて箱を飛び出し、滝に飛び込んだ。その滝を神楽滝という。
獅子頭は、獅子舞に使う頭です。神楽で神を招く道具でもあります。
その道具が、自分から動きます。
滝の名が、この出来事から付きました。
獅子頭の漢字表記と読み方
読みは「ししがしら」です。
獅子舞の頭を指します。木を彫り、漆を塗って作られます。神楽の場では、神の依り代として扱われました。
滝の名は神楽滝。神楽の道具が飛び込んだことに由来します。
獅子頭(ししがしら)
日文研データベースが示す漢字表記。
神楽滝(かぐらだき)
獅子頭が飛び込んだとされる滝の名。
獅子頭の姿と特徴
獅子頭は、獅子舞の頭です。
性質 … 水の音を聞くと箱から出てしまう。
普段の備え … 太鼓や笛の音で水の音をかき消して通る。
失敗 … 酔って、それを忘れた。
結果 … 滝の音を聞いて箱を飛び出し、滝に飛び込んだ。
残ったもの … 神楽滝という滝の名。
獅子頭が戻ったという記述はありません。
獅子頭の伝承記録
音で音を消して運ぶ
獅子頭を運ぶとき、水の傍を通るのが危険でした。
そこで、太鼓や笛の音で水の音をかき消しました。
神楽の楽器で、水音を覆う。 道具を運ぶために、道具を鳴らします。
この備えが、毎度行われていたことになります。
酔って忘れ、滝へ飛び込む
あるとき、酔っていたのでそれをするのを忘れました。
そして滝の傍を通ります。
獅子頭は滝の音を聞いて箱を飛び出し、滝に飛び込みました。
取り戻したとは書かれていません。
その滝は、神楽滝と呼ばれるようになりました。 失われた道具の名が、土地に残っています。
獅子頭の伝承地域
公的データベースの地域欄は福島県喜多方市を示します。報告は旧耶麻郡高郷村の調査です。
神楽滝の位置は書かれていないため、地図で指せるのは市の範囲までです。
獅子頭の正体と考えられているもの
獅子頭が記録された資料
獅子頭を単独で扱った本は見当たりません。読めるのは『民俗採訪』の報告です。
獅子舞と神楽については、民俗芸能の本が数多くあります。獅子頭の扱い方を知ると、この話の背景が見えます。
獅子頭が記録された民俗資料
民俗採訪(福島県耶麻郡高郷村)
國學院大學民俗学研究会が1977年にまとめた調査報告です。
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獅子頭についてよくある質問
獅子頭の話とは何ですか。
福島県喜多方市に伝わります。水の音を聞くと箱を飛び出し、滝に飛び込んだと記録されています。
どう備えていたのですか。
太鼓や笛の音で水の音をかき消して、水の傍を通っていたと記録されています。
なぜ飛び出したのですか。
酔っていて、音で水の音を消すのを忘れたためと記録されています。
神楽滝とはどこですか。
獅子頭が飛び込んだとされる滝です。位置は記録されていません。
獅子頭と併せて覚えたい言葉・用語
獅子頭(ししがしら)
獅子舞に使う頭。神楽では神の依り代として扱われます。
神楽滝(かぐらだき)
獅子頭が飛び込んだことに由来する滝の名です。
安宅丸(あたかまる)
解体された巨船の魂。道具に宿る例として収めています。
獅子頭の参考資料
この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。