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静岡県

明けずの箱(あけずのはこ)とはどんな妖怪か|姿と伝承

明けずの箱  / アケズノハコ

器物と草木 各地の伝説

静岡県浜松市天竜区の旧家の倉にある箱。開けると目がつぶれるとされ、誰も開けなかった。

明けずの箱の姿を描いた図

Saigen Jiro 「天竜二俣駅の駅舎(静岡県浜松市天竜区二俣町阿蔵)」 2018年 / CC0 出典

明けずの箱とはどんな妖怪か

明けずの箱はひとことで言えば、開けてはならない箱です。静岡県浜松市天竜区の話です。

国際日本文化研究センターの怪異・妖怪伝承データベースは、長澤詠子昔話を訪ねて」(『民間伝承』41巻1号、1977年、167頁)を典拠に、下田の「おやかた」という家の倉の中には「明けずの箱」というものがあり、開けると目がつぶれるとされ、誰も開ける者はいなかったと記します。

中身は記録されていません。 誰も開けていないのですから、中身を知る人もいません

箱の大きさ、材質、いつからあるかも書かれていません。

「おやかた」は家の呼び名です。 大きな家、旧家を指す言い方とみられます。

明けずの箱の漢字表記と読み方

読みは「あけずのはこ」です。

明けず」は開けずで、開けてはならないという意味です。同じ言い方に「開かずの間」「開かずの雪隠」があります。

開けないこと自体が、家の決まりになっている点が、この箱の要です。

明けずの箱(あけずのはこ)

日文研データベースが示す表記。

開けずの箱(あけずのはこ)

同じ意味で使われる書き方。

明けずの箱の姿と特徴

明けずの箱は、です。

場所 … 「おやかた」という家の倉の中。
禁止 … 開けると目がつぶれる。
実際 … 誰も開ける者はいなかった。

中身も、外見も記録されていません。

音がする、動くといった記述もありません。置かれているだけです。

明けずの箱の伝承記録

  1. 開けると目がつぶれる
  2. 倉に置かれ続けた箱

開けると目がつぶれる

禁止の理由がはっきりしています。開けると目がつぶれる

罰の内容が具体的です。 命ではなく、が失われます。

見てはいけないものが入っている、という含みが読み取れます。中身が何かは書かれていません。

破った人の話も記録されていません。 誰も開けなかったからこそ、罰の言い伝えだけが残りました。

倉に置かれ続けた箱

箱があるのは、家の倉の中です。母屋ではなく、しまっておく場所です。

捨てられてはいません。 開けもせず、捨てもせず、置き続けられました。

開けてはならないものを家が代々預かるという形は、各地の旧家の話に見られます。

この記録は、1977年の聞き書きです。 昭和の半ばまで、この言い伝えが生きていたことになります。

明けずの箱の伝承地域

公的データベースの地域欄は静岡県浜松市天竜区を示します。

家の位置は書かれていないため、地図で指せるのは区の範囲までです。個人の家であるため、訪ねる先としては扱えません。

天竜区下田周辺(てんりゅうくしもだしゅうへん)

日文研データベースが示す伝承地域

地図で開く

天竜区下田周辺の所在地:静岡県浜松市天竜区

記録は「下田の『おやかた』という家」と記します。

家の位置や倉の現在は、資料に書かれていません。

明けずの箱の正体と考えられているもの

明けずの箱の中身は分かっていません。

誰も開けていないのですから、記録する人もいませんでした。

開けると目がつぶれるという言い伝えだけが、箱を守ってきたことになります。

各地の旧家には、開けてはならない箱や巻物の話が残ります。中身が宝であれ、恐ろしいものであれ、開けないという一点で扱いは同じです。

明けずの箱が記録された資料

明けずの箱を単独で扱った本は見当たりません。読めるのは『民間伝承』の記事です。

「開けてはならない」箱や間の話は各地にあり、開かずの間としてまとめられることがあります。

明けずの箱が記録された民俗資料

昔話を訪ねて

長澤詠子が『民間伝承』41巻1号(1977年)に載せた中心資料です。

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明けずの箱についてよくある質問

明けずの箱とは何ですか。

静岡県浜松市天竜区の旧家の倉にあるという箱です。開けると目がつぶれるとされ、誰も開けませんでした。

中身は何ですか。

記録されていません。誰も開けていないため、中身を知る人がいません。

開けた人はいますか。

記録では、誰も開ける者はいなかったとされています。

見に行けますか。

個人の家にあると記録されており、位置も書かれていません。訪ねる先としては扱えません。

明けずの箱と併せて覚えたい言葉・用語

おやかた(おやかた)

記録が示す家の呼び名。大きな家、旧家を指す言い方とみられます。

開かずの間(あかずのま)

開けてはならないとされる部屋。同じ型の言い伝えです。

民間伝承(みんかんでんしょう)

民俗学の雑誌。明けずの箱の記録が載りました。

明けずの箱の参考資料

この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。

  1. 国際日本文化研究センター「明けずの箱」