静岡県浜松市天竜区の旧家の倉にある箱。開けると目がつぶれるとされ、誰も開けなかった。

明けずの箱とはどんな妖怪か
明けずの箱はひとことで言えば、開けてはならない箱です。静岡県浜松市天竜区の話です。
国際日本文化研究センターの怪異・妖怪伝承データベースは、長澤詠子「昔話を訪ねて」(『民間伝承』41巻1号、1977年、167頁)を典拠に、下田の「おやかた」という家の倉の中には「明けずの箱」というものがあり、開けると目がつぶれるとされ、誰も開ける者はいなかったと記します。
中身は記録されていません。 誰も開けていないのですから、中身を知る人もいません。
箱の大きさ、材質、いつからあるかも書かれていません。
「おやかた」は家の呼び名です。 大きな家、旧家を指す言い方とみられます。
明けずの箱の漢字表記と読み方
読みは「あけずのはこ」です。
「明けず」は開けずで、開けてはならないという意味です。同じ言い方に「開かずの間」「開かずの雪隠」があります。
開けないこと自体が、家の決まりになっている点が、この箱の要です。
明けずの箱(あけずのはこ)
日文研データベースが示す表記。
開けずの箱(あけずのはこ)
同じ意味で使われる書き方。
明けずの箱の姿と特徴
明けずの箱は、箱です。
場所 … 「おやかた」という家の倉の中。
禁止 … 開けると目がつぶれる。
実際 … 誰も開ける者はいなかった。
中身も、外見も記録されていません。
音がする、動くといった記述もありません。置かれているだけです。
明けずの箱の伝承記録
開けると目がつぶれる
禁止の理由がはっきりしています。開けると目がつぶれる。
罰の内容が具体的です。 命ではなく、目が失われます。
見てはいけないものが入っている、という含みが読み取れます。中身が何かは書かれていません。
破った人の話も記録されていません。 誰も開けなかったからこそ、罰の言い伝えだけが残りました。
倉に置かれ続けた箱
箱があるのは、家の倉の中です。母屋ではなく、しまっておく場所です。
捨てられてはいません。 開けもせず、捨てもせず、置き続けられました。
開けてはならないものを家が代々預かるという形は、各地の旧家の話に見られます。
この記録は、1977年の聞き書きです。 昭和の半ばまで、この言い伝えが生きていたことになります。
明けずの箱の伝承地域
公的データベースの地域欄は静岡県浜松市天竜区を示します。
家の位置は書かれていないため、地図で指せるのは区の範囲までです。個人の家であるため、訪ねる先としては扱えません。
天竜区下田周辺(てんりゅうくしもだしゅうへん)
日文研データベースが示す伝承地域
天竜区下田周辺の所在地:静岡県浜松市天竜区
記録は「下田の『おやかた』という家」と記します。
家の位置や倉の現在は、資料に書かれていません。
明けずの箱の正体と考えられているもの
明けずの箱の中身は分かっていません。
誰も開けていないのですから、記録する人もいませんでした。
開けると目がつぶれるという言い伝えだけが、箱を守ってきたことになります。
各地の旧家には、開けてはならない箱や巻物の話が残ります。中身が宝であれ、恐ろしいものであれ、開けないという一点で扱いは同じです。
明けずの箱が記録された資料
明けずの箱を単独で扱った本は見当たりません。読めるのは『民間伝承』の記事です。
「開けてはならない」箱や間の話は各地にあり、開かずの間としてまとめられることがあります。
明けずの箱が記録された民俗資料
昔話を訪ねて
長澤詠子が『民間伝承』41巻1号(1977年)に載せた中心資料です。
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明けずの箱についてよくある質問
明けずの箱とは何ですか。
静岡県浜松市天竜区の旧家の倉にあるという箱です。開けると目がつぶれるとされ、誰も開けませんでした。
中身は何ですか。
記録されていません。誰も開けていないため、中身を知る人がいません。
開けた人はいますか。
記録では、誰も開ける者はいなかったとされています。
見に行けますか。
個人の家にあると記録されており、位置も書かれていません。訪ねる先としては扱えません。
明けずの箱と併せて覚えたい言葉・用語
おやかた(おやかた)
記録が示す家の呼び名。大きな家、旧家を指す言い方とみられます。
開かずの間(あかずのま)
開けてはならないとされる部屋。同じ型の言い伝えです。
民間伝承(みんかんでんしょう)
民俗学の雑誌。明けずの箱の記録が載りました。
明けずの箱の参考資料
この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。