本文へ移動

青森県

姥堂(うばどう)とはどんな妖怪か|姿と伝承・登場する作品・伝承地域

姥堂  / ウバドウ

そのほか 各地の伝説

青森県むつ市の恐山の堂。大雨で流されたあと、戻しても何度もひとりでに下流へ流れた。

姥堂の姿を描いた図

Itoshin87 at Japanese Wikipedia 「恐山菩提寺と宇曽利湖(青森県むつ市)」 2005年 / パブリックドメイン 出典

姥堂とはどんな妖怪か

姥堂は、流された先を選んだ堂です。青森県むつ市の話です。

国際日本文化研究センターの怪異・妖怪伝承データベースは、伊藤隼南部恐山」(『あしなか』山村民俗の会、1956年)を典拠に、ある年の大雨で三途川の水かさが増し、奪衣婆の像を安置した姥堂が、下流の正津川へ流されたので、人々は運び帰ったが、何度戻してもひとりでに流れていくと記します。

答えは像に聞きました。

像に伺いを立てると、正津川が気に入ったというので、堂の場所を移したと結ばれます。

この図鑑には甘酒婆(青森)も収めています。

姥堂の漢字表記と読み方

読みは「うばどう」です。

「奪衣婆」は、三途の川で死者の衣をはぎ取るとされる老婆の姿の像です。

「三途川」は、あの世との境にあるとされる川です。

「伺いを立てる」は、神仏に問うて答えを得ることです。

この図鑑には甘酒婆(青森)も収めています。

姥堂(うばどう)

日文研データベースが示す呼称です。

奪衣婆(だつえば)

記録が示す、堂に安置された像です。

正津川(しょうづがわ)

記録が示す、堂が流れ着いた先の川の名です。

姥堂の姿と特徴

姥堂の話は、記録に順を追って書かれています。

そのとき … ある年の大雨。
起きたこと … 三途川の水かさが増した。
流されたもの … 奪衣婆の像を安置した姥堂。
流れ着いた先 … 下流の正津川。
人々のしたこと … 運び帰った。
その結果 … 何度戻してもひとりでに流れていく。
したこと … 像に伺いを立てた。
その答え … 正津川が気に入った。
そこで … 堂の場所を移した。

像の大きさは書かれていません。

姥堂の伝承記録

  1. 大雨で流される
  2. 運び帰る
  3. 何度でも流れていく
  4. 像に伺いを立てる

大雨で流される

ある年の大雨で三途川の水かさが増し、奪衣婆の像を安置した姥堂が、下流の正津川へ流されました。

流されたのは堂ごとです。

運び帰る

人々は運び帰りました。

戻したのは元の場所へです。

何度でも流れていく

何度戻してもひとりでに流れていきます。

繰り返したのは堂のほうです。

像に伺いを立てる

像に伺いを立てると、正津川が気に入ったというので、堂の場所を移しました。

決めたのはです。

姥堂の伝承地域

公的データベースの地域欄は青森県、市郡名の欄はむつ市を示します。

流れ着いた先の正津川は、三途川の下流にあたります。

恐山(おそれざん)

報告の題が示す場所

地図で開く

恐山の所在地:青森県むつ市田名部宇曽利山

報告の題は南部恐山です。

三途川と呼ばれる川が境内に流れています。

姥堂の正体と考えられているもの

姥堂は、流された先を選んだ堂です

祟る話ではありません。 語られているのは、何度戻しても流れたことと、像が答えたことです。

人の都合ではなく像の気に入った場所に落ち着いたところが、この話の結びです。

この図鑑には甘酒婆(青森)も収めています。

姥堂が登場する作品

姥堂を単独で扱った本は見当たりません。読めるのは戦後の民俗雑誌です。

像が場所を選ぶ話は各地にあり、動かそうとすると重くなる、戻ってくるという形をとります。

姥堂が登場する雑誌

あしなか

山村民俗の会が出した雑誌です。1956年の号に南部恐山が載ります。

東北の妖怪の本を探す

Amazonのアソシエイトとして、当サイトは適格販売により収入を得ています。

姥堂についてよくある質問

姥堂とは何ですか。

青森県むつ市の恐山にある、奪衣婆の像を安置した堂です。

何が起きましたか。

大雨で三途川が増水し、堂が下流の正津川へ流されたといいます。

戻すとどうなりましたか。

何度戻してもひとりでに流れていったといいます。

どうやって決めたのですか。

像に伺いを立てると正津川が気に入ったというので、場所を移したといいます。

姥堂と併せて覚えたい言葉・用語

奪衣婆(だつえば)

三途の川で死者の衣をはぎ取るとされる老婆の姿の像です。

三途川(さんずのかわ)

あの世との境にあるとされる川です。

恐山(おそれざん)

青森県むつ市にある霊場です。

姥堂の参考資料

この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。

  1. 国際日本文化研究センター「姥堂」