秋田県羽後町で、小作争議の恨みから、持つと眼病になるとされた田。

眼田とはどんな妖怪か
眼田はひとことで言えば、手放しても逃れられない田です。秋田県雄勝郡羽後町の話です。
国際日本文化研究センターの怪異・妖怪伝承データベースは、嶋田忠一「祟り田伝承の二,三」(『季刊どるめん』通巻5号、1975年、130頁)を典拠に、小作争議の際「眼をつぶしてやる」といった人の恨みのため、この田を持てば代々眼病にわずらわされたり、親類に眼の悪い人が出たり、急に病気になったりするという。また、安く手放しても次々と不幸になるというと記します。
「小作争議」は小作人と地主の争いで、大正から昭和初めにかけて各地で起きました。
捨て台詞が、そのまま田の名になっています。
眼田の漢字表記と読み方
読みは「まなぐた」です。
「マナグ」は東北で眼を指す言い方です。「まなこ」がなまったものとされます。
「小作争議」は小作人と地主の争いです。
この図鑑には下町の鐘田(茨城)、薬師田(茨城)も収めています。
眼田(まなぐた)
日文研データベースが示す表記と読み。
マナグ(まなぐ)
東北で眼を指す言い方。
眼田の姿と特徴
この田に妖怪の姿はありません。記録にあるのは、言葉と、その後です。
きっかけ … 小作争議。
言われた言葉 … 「眼をつぶしてやる」。
言った人 … 争議の当事者。
持った家に起きること1 … 代々眼病にわずらわされる。
起きること2 … 親類に眼の悪い人が出る。
起きること3 … 急に病気になる。
手放しても … 次々と不幸になる。
霊が現れたという記述はありません。
眼田の伝承記録
「眼をつぶしてやる」
小作争議の際、「眼をつぶしてやる」といった人がいました。
「小作争議」は小作人と地主の争いで、大正から昭和初めにかけて各地で起きました。
その恨みが、田に残ったとされます。
捨て台詞が、そのまま田の名になっています。
この図鑑には下町の鐘田(茨城)も収めています。
手放しても続く
この田を持てば、代々眼病にわずらわされます。
親類に眼の悪い人が出たり、急に病気になったりするといいます。
そして、安く手放しても次々と不幸になるとされました。
買った側にも、売った側にも及びます。
この図鑑には薬師田(茨城)も収めています。
眼田の伝承地域
公的データベースの地域欄は秋田県雄勝郡羽後町を示します。
田の位置は書かれていないため、地図で指せるのは町の範囲までです。私有地に関わるため、訪ねる先としては扱えません。
眼田の正体と考えられているもの
この記録に妖怪は出てきません。語られているのは、言葉が土地に残った例です。
小作争議は、近代に起きた出来事です。
祟り田の話が、そこから新しく生まれたことになります。
この図鑑には下町の鐘田(茨城)、薬師田(茨城)も収めています。
どれも、土地に付いた恐れが人の手を止めています。
眼田が記録された資料
眼田を単独で扱った本は見当たりません。読めるのは『季刊どるめん』の記事です。
題のとおり、祟り田の伝承を集めた記事です。この図鑑には下町の鐘田(茨城)、薬師田(茨城)も収めています。
眼田が記録された民俗資料
祟り田伝承の二,三
嶋田忠一が『季刊どるめん』通巻5号(1975年)に載せた中心資料です。
Amazonのアソシエイトとして、当サイトは適格販売により収入を得ています。
眼田についてよくある質問
眼田とは何ですか。
秋田県羽後町の田です。小作争議の恨みから、持つと眼病になるとされました。
どんな言葉が元ですか。
「眼をつぶしてやる」という言葉です。
手放せば逃れられますか。
安く手放しても次々と不幸になると記録されています。
小作争議とは何ですか。
小作人と地主の争いです。大正から昭和初めにかけて各地で起きました。
眼田と併せて覚えたい言葉・用語
マナグ(まなぐ)
東北で眼を指す言い方です。
小作争議(こさくそうぎ)
小作人と地主の争いです。
祟り田(たたりだ)
作ると災いが起きるとされた田です。
眼田の参考資料
この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。