山梨県富士吉田市で、生計のために身禄派になった御師の家は必ず潰れたという話。

Sakaori 「北口本宮冨士浅間神社の境内(山梨県富士吉田市)」 2012年 / CC BY-SA 3.0 出典
身禄さんとはどんな妖怪か
身禄さんはひとことで言えば、心持ちを見る神です。山梨県富士吉田市の話です。
国際日本文化研究センターの怪異・妖怪伝承データベースは、岡田博「仙元様のお怒り」(『あしなか』通巻190号、1985年、17頁)を典拠に、富士吉田の御師で、信仰からではなくメシの種にするために身禄派となった家には身禄さんが必ず祟り、つぶれたという。本当に浅間様を信心するなら光清派でも身禄派でも栄えているというと記します。
派の違いは問われていません。
光清派でも身禄派でも、本当に信心すれば栄えると書かれています。 見られているのは動機です。
身禄さんの漢字表記と読み方
読みは「みろくさん」です。
食行身禄は江戸時代の富士講の行者で、富士山中で入定したと伝えられます。 その流れを身禄派といいます。
御師は、参詣者の世話をし宿を提供した人びとのことです。
この図鑑には仙元様のたたり(埼玉)も収めています。どちらも浅間の信仰に結びます。
身禄さん(みろくさん)
日文研データベースが示す呼称。
食行身禄(じきぎょうみろく)
富士講の行者の名です。
仙元様(せんげんさま)
報告の題にある浅間の神の呼び名です。
身禄さんの姿と特徴
身禄さんに姿はありません。記録にあるのは、祟る条件です。
祟られる家 … 富士吉田の御師の家。
その理由 … 信仰からではなく、メシの種にするために身禄派となったこと。
起きたこと … 身禄さんが必ず祟り、つぶれた。
栄える家 … 本当に浅間様を信心する家。
その場合の派 … 光清派でも身禄派でもよい。
判断の基準 … 心持ち。
姿を見たという記述はありません。
身禄さんの伝承記録
メシの種にする
富士吉田の御師で、信仰からではなくメシの種にするために身禄派となった家がありました。
商いとして、派を選んでいます。
必ず祟る
そういう家には、身禄さんが必ず祟り、つぶれたといいます。
まれに、ではありません。
必ずと書かれています。
本当に信心すれば栄える
本当に浅間様を信心するなら、光清派でも身禄派でも栄えているといいます。
派の正しさを言う話ではありません。
心持ちを言う話です。
身禄さんの伝承地域
公的データベースの地域欄は山梨県富士吉田市を示します。
富士吉田は北口本宮冨士浅間神社の門前町で、御師の家が並びました。
身禄さんの正体と考えられているもの
身禄さんは、動機を見る神です。
祟りという語が、この記録では使われています。
それでも、栄える家のことも同じだけ書かれています。
この図鑑には仙元様のたたり(埼玉)も収めています。
身禄さんが登場する作品
身禄さんを単独で扱った本は見当たりません。読めるのは会誌です。
富士講は江戸で広まった信仰で、身禄派と光清派に分かれました。この図鑑には仙元様のたたり(埼玉)も収めています。
身禄さんが登場する学会誌
あしなか
山村民俗の会の会誌です。1985年の号に岡田博の報告が載ります。
Amazonのアソシエイトとして、当サイトは適格販売により収入を得ています。
身禄さんについてよくある質問
身禄さんとは何ですか。
富士講の行者、食行身禄をさす呼び名です。
どんな家が祟られましたか。
信仰からではなく生計のために身禄派となった御師の家とされます。
どうなりましたか。
必ず祟られ、つぶれたと記録されています。
栄える家もありますか。
本当に浅間様を信心する家は、どちらの派でも栄えているとされます。
身禄さんと併せて覚えたい言葉・用語
御師(おし)
参詣者の世話をし、宿を提供した人びとです。
富士講(ふじこう)
富士山を信仰する集まりのことです。
浅間様(せんげんさま)
富士山を神とする浅間信仰の神です。
身禄さんの参考資料
この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。