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山梨県

風邪の神(かぜのかみ)とはどんな妖怪か|姿と伝承

風邪の神  / カゼノカミ

病の妖怪 各地の伝説

山梨県で、赤い紙の手形を門口に貼って避けたという疫病神。

風邪の神とはどんな妖怪か

風邪の神はひとことで言えば、手形で追い返された疫病神です。山梨県の話です。

国際日本文化研究センターの怪異・妖怪伝承データベースは、後藤義隆厄病神についての断片」(『民俗手帖』通巻5号、1956年、12頁)を典拠に、赤い紙に小さい子供の手の形を捺して、「吉三さんはおりません」と書いて門口にはりつける。これは疫病神に対する魔除けの1つである。八百屋お七が吉三に失恋のまま死んで風邪の神になり、吉三を取り殺そうと各戸ごとに覗き歩くので、この赤い紙を張り出しておくと、吉三の手形ではないので中を覗かずに帰ると信じられていると記します。

芝居で知られた八百屋お七が、風邪の神になっています。

魔除けの理屈がはっきりしています。 子供の手形吉三の手形ではないから、覗かずに帰る、というわけです。

風邪の神の漢字表記と読み方

読みは「かぜのかみ」です。

八百屋お七は、恋のために火を放ったとして知られる江戸の娘です。 芝居や浄瑠璃に何度も取り上げられました。

その相手が吉三です。 この土地では、お七が風邪の神になったと語られました。

この図鑑には疝気の神さん(鳥取)も収めています。そちらは病を救う神です。

風邪の神(かぜのかみ)

日文研データベースが示す表記。

厄病神(やくびょうがみ)

報告の題では厄病神と記されます。

風邪の神の姿と特徴

風邪の神に姿はありません。記録にあるのは、貼り紙と理屈です。

貼るもの … 赤い紙。
捺すもの … 小さい子供の手の形。
書く言葉 … 吉三さんはおりません。
貼る場所 … 門口。
神の正体 … 八百屋お七が吉三に失恋のまま死んでなったもの。
していること … 吉三を取り殺そうと各戸ごとに覗き歩く。
効く理由 … 吉三の手形ではないので、中を覗かずに帰る。

姿を見たという記述はありません。

風邪の神の伝承記録

  1. 赤い紙を貼る
  2. お七が風邪の神になる
  3. 手形で追い返す

赤い紙を貼る

赤い紙に、小さい子供の手の形を捺します。

「吉三さんはおりません」と書いて、門口にはりつけます。

これは疫病神に対する魔除けの1つです。

お七が風邪の神になる

八百屋お七が、吉三に失恋のまま死んで風邪の神になりました。

吉三を取り殺そうと、各戸ごとに覗き歩きます。

芝居の筋が、病の説明になっています。

手形で追い返す

赤い紙を張り出しておくと、吉三の手形ではないので中を覗かずに帰ると信じられていました。

理屈が通っています。 この家に吉三はいないと、手形で示すわけです。

風邪の神の伝承地域

公的データベースの地域欄は山梨県までを示します。市や郡は書かれていません。

そのため、地図で指せるのは県の範囲までです。

山梨県(やまなしけん)

日文研データベースが示す伝承地域

地図で開く

山梨県の所在地:山梨県

報告は市町村を特定していません。

貼り紙の作法は土地ごとに違うとみられます。

風邪の神の正体と考えられているもの

風邪の神は、芝居の人物が病の神になった例です

魔除けの形は赤い紙と子供の手形でした。

病を訪ねてくるものとして語り、門口で断る——この形は各地にあります。

この図鑑には疝気の神さん(鳥取)も収めています。

風邪の神が登場する作品

風邪の神を単独で扱った本は見当たりません。読めるのは県の民俗の会の雑誌です。

八百屋お七は井原西鶴や歌舞伎で広く知られ、各地の言い伝えにも入り込みましたこの図鑑には疝気の神さん(鳥取)も収めています。

風邪の神が登場する民俗雑誌

民俗手帖

山梨民俗の会の雑誌です。通巻5号に後藤義隆の報告が載ります。

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風邪の神についてよくある質問

風邪の神とは何ですか。

山梨県で、八百屋お七が死んでなったとされた疫病神です。

どう避けたのですか。

赤い紙に子供の手形を捺し、吉三さんはおりませんと書いて門口に貼りました。

なぜ効くのですか。

吉三の手形ではないので、中を覗かずに帰ると信じられていました。

八百屋お七とは誰ですか。

恋のために火を放ったとして知られる江戸の娘です。芝居に何度も取り上げられました。

風邪の神と併せて覚えたい言葉・用語

八百屋お七(やおやおしち)

江戸の娘。芝居や浄瑠璃で広く知られます。

疫病神(やくびょうがみ)

病をもたらすとされた神。門口で防ぐ作法があります。

門口(かどぐち)

家の出入り口。魔除けを貼る場所でした。

風邪の神の参考資料

この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。

  1. 国際日本文化研究センター「風邪の神」