東京都杉並区の薬缶坂に出て、毛むくじゃらの手足で踊ったという薬缶。

薬鑵の化物とはどんな妖怪か
薬鑵の化物はひとことで言えば、道をふさいで踊る薬缶です。東京都杉並区の話です。
国際日本文化研究センターの怪異・妖怪伝承データベースは、淀江国三(『郷土趣味』1922年)を典拠に、薬缶坂には昔ヤカンの化け物が出て通行人のいくてをさえぎった。立ち止まるとヤカンもじっと動かないが、ついにはヤカンに毛むくじゃらの手足を出して立ち上がって踊ったというと記します。
薬缶は、湯を沸かす金物の道具です。
道具が動くという点で、付喪神の話に近いものです。
ただしこの記録は、古くなったから化けたとは書きません。
薬鑵の化物の漢字表記と読み方
読みは「やかんのばけもの」です。
「薬鑵」と「薬缶」は同じものの書き方の違いです。記録は呼称に「薬鑵」、坂の名に「薬缶」を使っています。
「薬缶坂」の名は各地にあります。 坂に出る怪異を「ヤカン」と呼んだ例が、江戸周辺に知られます。
薬鑵の化物(やかんのばけもの)
日文研データベースが示す表記。
薬缶坂(やかんざか)
出るとされた坂の名。
薬鑵の化物の姿と特徴
薬鑵の化物は、薬缶の姿です。
もとの形 … 湯を沸かす薬缶。
する事1 … 通行人のいくてをさえぎる。
する事2 … 立ち止まると、じっと動かない。
変わり方 … 毛むくじゃらの手足を出す。
最後 … 立ち上がって踊る。
襲ったという記述はありません。
薬鑵の化物の伝承記録
薬鑵の化物の伝承地域
公的データベースの地域欄は東京都杉並区を示します。記録は薬缶坂と記します。
同名の坂は各地にあり、この記録の坂の正確な位置は書かれていません。
薬鑵の化物の正体と考えられているもの
この化物の正体は書かれていません。
古い道具が化けるという考え方は各地にあります。この図鑑には付喪神も収めています。
ただしこの記録は、由来を書いていません。 坂に出た、という事実だけです。
「ヤカン」を坂の怪異の名として使う例は、江戸周辺に知られます。
残ったのは、毛むくじゃらの手足で踊るという一場面です。
薬鑵の化物が記録された資料
薬鑵の化物を単独で扱った本は見当たりません。読めるのは『郷土趣味』の記事です。
東京の坂をまとめた本には、薬缶坂の名の由来が取り上げられることがあります。併せて読むと、この話の広がりが見えてきます。
薬鑵の化物が記録された民俗資料
郷土趣味
淀江国三が1922年に寄せた記事が中心資料です。
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薬鑵の化物についてよくある質問
薬鑵の化物とは何ですか。
東京都杉並区の薬缶坂に出て、通行人の行く手をさえぎったという薬缶です。
何をするのですか。
立ち止まるとじっと動かず、ついには毛むくじゃらの手足を出して立ち上がって踊ったとされます。
人を襲うのですか。
襲ったという記述はありません。
薬缶坂はどこですか。
正確な位置は書かれていません。同名の坂は各地にあります。
薬鑵の化物と併せて覚えたい言葉・用語
薬缶(やかん)
湯を沸かす金物の道具。「薬鑵」とも書きます。
付喪神(つくもがみ)
古くなった器物が妖怪になったもの。この図鑑にも収めています。
郷土趣味(きょうどしゅみ)
大正期の雑誌。この記録が載りました。
薬鑵の化物の参考資料
この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。