東京都八丈島の話。拝めば罪のある方に罰が当たるという神。二週目に相手が転げ回った。

名古屋太郎 「八丈富士の火口(東京都八丈町)」 2008年 / CC BY-SA 3.0 出典
カナヤマサマとはどんな妖怪か
カナヤマサマは、罪のある方に罰を当てる神です。東京都の話です。
国際日本文化研究センターの怪異・妖怪伝承データベースは、蛸島直「八丈島の病気観―民俗病因論の可能性―」(『民俗学評論』大塚民俗学会、1981年)を典拠に、明治末、鍛冶屋をしていたtはuに弔いに使う色紙を貸した。その後tはuに返すように求めたがuはすでに返したといって応じなかったと記します。
拝むことになりました。
カナヤマサマを拝めば罪のある方に罰が当るというのでカナヤマ様を拝もうということになり、tは1周間酒を断ち毎晩丑の刻にカナヤマサマを拝んだと続き、何の変化も無いのでuは笑っていたが、もう1週間拝むとuは尻に火がついたようだといって庭を転げまわった、uはtに謝ったので、tはカナヤマサマにお願いして治してもらったと結ばれます。
この図鑑には足洗邸(東京)も収めています。
カナヤマサマの漢字表記と読み方
読みは「かなやまさま」です。
金山の神は、鉄を扱う人が祀る神です。
「丑の刻」は、今の午前二時ごろにあたります。
記録は当人の名を伏せ、t、uと書いています。
この図鑑には足洗邸(東京)も収めています。
カナヤマサマ(かなやまさま)
日文研データベースが示す呼称です。
丑の刻(うしのこく)
記録が示す時刻です。今の午前二時ごろにあたります。
鍛冶屋(かじや)
記録が示す職です。鉄を打って道具を作る人をいいます。
カナヤマサマの姿と特徴
カナヤマサマの話は、記録に順を追って書かれています。
いつ … 明治末。
その人 … 鍛冶屋をしていたt。
貸したもの … 弔いに使う色紙。
相手 … u。
もめごと … uはすでに返したといって応じなかった。
いわれていること … カナヤマサマを拝めば罪のある方に罰が当る。
tのしたこと … 1週間酒を断ち、毎晩丑の刻に拝んだ。
一週目 … 何の変化も無く、uは笑っていた。
二週目 … uは尻に火がついたようだといって庭を転げまわった。
そのあと … uが謝り、tがカナヤマサマにお願いして治してもらった。
カナヤマサマの伝承記録
色紙の貸し借り
鍛冶屋をしていたtがuに弔いに使う色紙を貸しました。
貸したのは弔いのためです。
返した返さない
uはすでに返したといって応じませんでした。
食い違ったのは言い分です。
拝めば当たる
カナヤマサマを拝めば罪のある方に罰が当るといいます。
決めるのは神です。
毎晩丑の刻
tは1週間酒を断ち、毎晩丑の刻に拝みました。
続けたのは七日です。
二週目
もう1週間拝むと、uは尻に火がついたようだといって庭を転げまわりました。
出たのは十四日目あたりです。
謝って治る
uが謝ったので、tはカナヤマサマにお願いして治してもらいました。
解けたのは謝ってからです。
カナヤマサマの伝承地域
公的データベースの地域欄は東京都を示すのみで、市郡名・区町村名の欄は空欄です。
報告の題は八丈島の病気観で、島の病の考え方をまとめたものです。
カナヤマサマの正体と考えられているもの
カナヤマサマは、罪のある方に罰を当てる神です。
姿を見せるものではありません。 語られているのは、拝み続けたことと、二週目に相手が転げ回ったことです。
拝んで白黒をつける仕方は、島の掟として働いてきました。
カナヤマサマが登場する作品
カナヤマサマを単独で扱った本は見当たりません。読めるのは学会誌に載った島の報告です。
拝んで罰を当てる話は各地にあり、証文のない貸し借りの決着として語られます。
カナヤマサマが登場する雑誌
民俗学評論
大塚民俗学会が出した雑誌です。1981年の号に八丈島の病気観が載ります。
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カナヤマサマについてよくある質問
カナヤマサマとは何ですか。
東京都の八丈島に伝わる、拝めば罪のある方に罰が当たるという神です。
どう拝むのですか。
一週間酒を断ち、毎晩丑の刻に拝んだと記されています。
どうなりましたか。
二週目に相手が尻に火がついたようだといって庭を転げ回ったといいます。
そのあとは。
相手が謝ったので、拝んだ側が神に願って治してもらったといいます。
カナヤマサマと併せて覚えたい言葉・用語
丑の刻(うしのこく)
今の午前二時ごろにあたります。
鍛冶屋(かじや)
鉄を打って道具を作る人のことです。
八丈島(はちじょうじま)
東京都に属する伊豆諸島の島です。
カナヤマサマの参考資料
この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。