東京都奥多摩町で、山鳥を追い回させ、橋を二本に見せたりしたといういたずら者。

姫天狗とはどんな妖怪か
姫天狗はひとことで言えば、追わせて疲れさせる天狗です。東京都西多摩郡奥多摩町の話です。
国際日本文化研究センターの怪異・妖怪伝承データベースは、増田昭子,今越祐子「多摩の昔話(二)山間部及び平野部の補遺」(『常民文化研究』通巻7号、1983年)を典拠に、おじいさんが山鳥を捕まえようとすると逃げる。また捕まえようとするとまた逃げる。1時間ほど追い回したが逃げられた。姫天狗にだまされたということであった。他に、橋を2本にしたり、馬方に石をぶつけたりといたずらをしたと記します。
逃げ切ったのは、山鳥ではありません。
山鳥に見えていたものが、姫天狗でした。 一時間という長さが、だまされた証しになっています。
姫天狗の漢字表記と読み方
読みは「ひめてんぐ」です。
姫と付くのは小さい、あるいは女のという意味に取れますが、記録は説明していません。
したことは三つ、書かれています。
この図鑑には天狗(各地)も収めています。そちらは山の主として語られます。
姫天狗(ひめてんぐ)
日文研データベースが示す呼称。
天狗様(てんぐさま)
記録が併記する呼び名です。
姫天狗の姿と特徴
姫天狗の姿は、記録に書かれていません。あるのは、したことです。
化けたもの … 山鳥。
させたこと … 一時間ほど追い回させる。
結果 … 逃げられた。
二つめのいたずら … 橋を二本にする。
三つめのいたずら … 馬方に石をぶつける。
土地の見方 … 姫天狗にだまされた。
姿を見たという記述はありません。
姫天狗の伝承記録
山鳥が逃げる
おじいさんが山鳥を捕まえようとすると逃げます。
また捕まえようとすると、また逃げます。
とれそうで、とれません。
一時間追い回す
1時間ほど追い回しましたが、逃げられました。
姫天狗にだまされたということでした。
捕まえられなかったことが、後からそう解かれています。
橋を二本にする
他に、橋を2本にしたり、馬方に石をぶつけたりといたずらをしました。
害を加える話ではありません。
手間をかけさせる話です。
姫天狗の伝承地域
公的データベースの地域欄は東京都西多摩郡奥多摩町を示します。
奥多摩町は多摩川の最上流にあたる山あいです。
姫天狗の正体と考えられているもの
姫天狗は、手間をかけさせるものです。
祟りという語は使われていません。 記されているのは、だまされたという言い方だけです。
それでも、三つのいたずらが挙げられています。
この図鑑には天狗(各地)も収めています。
姫天狗が登場する作品
姫天狗を単独で扱った本は見当たりません。読めるのは会誌です。
天狗のいたずらの話は各地にあり、道に迷わせる形をとることが多くあります。この図鑑には天狗(各地)も収めています。
姫天狗が登場する学会誌
常民文化研究
常民文化研究会の会誌です。1983年の号に多摩の昔話が載ります。
Amazonのアソシエイトとして、当サイトは適格販売により収入を得ています。
姫天狗についてよくある質問
姫天狗とは何ですか。
東京都奥多摩町で、いたずらをするとされた天狗です。
何をしましたか。
山鳥に見せて一時間ほど追い回させたと記録されています。
他のいたずらはありますか。
橋を二本にしたり、馬方に石をぶつけたりしたとされます。
姿はありますか。
姿については書かれていません。
姫天狗と併せて覚えたい言葉・用語
山鳥(やまどり)
日本の山にすむ大きなキジの仲間です。
馬方(うまかた)
馬を引いて荷を運ぶ仕事の人です。
奥多摩町(おくたままち)
東京都西多摩郡の町。多摩川の最上流です。
姫天狗の参考資料
この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。