徳島県徳島市で、時折向きを変えて通路に背を向けた、近づくと死ぬという地蔵。

背向地蔵とはどんな妖怪か
背向地蔵はひとことで言えば、背を向けたら逃げる地蔵です。徳島県徳島市の話です。
国際日本文化研究センターの怪異・妖怪伝承データベースは、後藤捷一「阿波地蔵小話―阿波に於ける地蔵に関する土俗と伝説―」(『土の鈴』通巻12号、1922年、84頁)を典拠に、名東郡齋津村大字新濱浦の路傍に背向け地蔵と呼ばれる地蔵があり、時折方向を変えて通路に背を向けてたつことがある。この時には早く逃げなければならない。地蔵の相手になると、必ず病気になって死ぬと伝えられていると記します。
向きが合図になっています。 正面を向いている間は、何も起きません。
そして、相手になると死ぬと伝えられました。 逃げることが、唯一の手立てです。
背向地蔵の漢字表記と読み方
読みは「せむけじぞう」です。
「背向け」は背を向けることを指します。 地蔵の向きが名になりました。
この図鑑には、道ばたの石が主役の話としてオッパショ石(徳島)も収めています。
地蔵は本来道行く人を守る仏です。 その地蔵が背を向ける点に、この話の重さがあります。
背向地蔵(せむけじぞう)
日文研データベースが示す表記。
背向け地蔵(せむけじぞう)
記録では背向け地蔵と呼ばれると記されます。
背向地蔵の姿と特徴
背向地蔵の姿は、記録に短く書かれています。
あった場所 … 名東郡齋津村大字新濱浦の路傍。
呼び名 … 背向け地蔵。
起きること … 時折方向を変えて、通路に背を向けて立つ。
その時にすること … 早く逃げる。
相手になると … 必ず病気になって死ぬ。
動く音や声についての記述はありません。 変わるのは向きだけです。
背向地蔵の伝承記録
路傍に立つ地蔵
名東郡齋津村大字新濱浦の路傍に、背向け地蔵と呼ばれる地蔵がありました。
地蔵は道の守りとして置かれるものです。
この地蔵も、人の通る道のそばに立っていました。
背を向けた日
時折、方向を変えて通路に背を向けて立つことがありました。
この時には、早く逃げなければなりません。
なぜ向きが変わるのかは書かれていません。 伝えられたのは、そうなったら逃げるという一点です。
相手になると死ぬ
地蔵の相手になると、必ず病気になって死ぬと伝えられていました。
「相手になる」とは、立ち止まって関わることとみられます。
祓い方は書かれていません。 残っているのは、逃げよという教えだけです。
背向地蔵の伝承地域
公的データベースの地域欄は徳島県徳島市新浜本町を示します。記録の表記は名東郡齋津村大字新濱浦です。
地蔵が今も残っているかは書かれていません。
背向地蔵の正体と考えられているもの
背向地蔵は、向きで危険を知らせた石仏です。
守る仏が、背を向ける——そこに恐ろしさがあります。
この図鑑にはオッパショ石(徳島)も収めています。そちらは声を出す石です。
道ばたの石に人が意味を読む——この形は各地に見られます。
背向地蔵が登場する作品
背向地蔵を単独で扱った本は見当たりません。読めるのは大正期の郷土雑誌です。
阿波の地蔵については、同じ論文がいくつもの話を並べています。この図鑑にはオッパショ石(徳島)も収めています。
背向地蔵が登場する民俗雑誌
土の鈴
土の鈴会の雑誌です。通巻12号に後藤捷一の阿波地蔵小話が載ります。
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背向地蔵についてよくある質問
背向地蔵とは何ですか。
徳島市新浜本町の路傍にあったとされる地蔵で、時折通路に背を向けて立ったと伝わります。
背を向けたらどうしますか。
早く逃げなければならないと伝えられました。
相手になるとどうなりますか。
必ず病気になって死ぬと伝えられています。
今もありますか。
現在の所在は資料に書かれていません。
背向地蔵と併せて覚えたい言葉・用語
地蔵(じぞう)
道ばたに立つ石仏。道行く人を守るとされます。
路傍(ろぼう)
道のかたわらを指す言葉です。
齋津村(さいづむら)
徳島県の旧村名。現在の徳島市の一部にあたります。
背向地蔵の参考資料
この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。