島根県の話。たたら場の女神。女を嫌うとされ、鑪に入る日数の決まりが細かく伝わる。
金屋子神とはどんな妖怪か
金屋子神は、たたら場の女神です。島根県の話です。
国際日本文化研究センターの怪異・妖怪伝承データベースは、石塚尊俊「鑪に於ける禁忌と呪術」(『民間伝承』民間伝承の会、1947年)を典拠に、引用文献を下原重仲『鉄山秘書』天明4年として、金屋子神は女の神で、女をとても嫌うと記します。
日数が決まっています。
月経中で穢のある女は7日間鑪に入らない。出産した女は33日間鑪に入らないと続き、その夫は17日間鑪に入らず、33日間女と同じ火で作った飯を食わない。出産のあった家のものは17日間鑪に入らないと結ばれます。
この図鑑には小豆洗い(島根)も収めています。
金屋子神の漢字表記と読み方
読みは「かなやごがみ」です。
「鑪」は、砂鉄から鉄を作る炉のことです。
「禁忌」は、してはいけないと定められたことです。
「天明4年」は、西暦1784年にあたります。
この図鑑には小豆洗い(島根)も収めています。
金屋子神(かなやごがみ)
日文研データベースが示す呼称です。
鑪(たたら)
記録が示す場所です。砂鉄から鉄を作る炉をいいます。
鉄山秘書(てつざんひしょ)
記録が引用文献に挙げる書です。天明4年に書かれました。
金屋子神の姿と特徴
金屋子神の決まりは、記録に日数まで書かれています。
その神 … 女の神。
その性質 … 女をとても嫌う。
月経中の女 … 7日間鑪に入らない。
出産した女 … 33日間鑪に入らない。
その夫(一) … 17日間鑪に入らない。
その夫(二) … 33日間、女と同じ火で作った飯を食わない。
出産のあった家のもの … 17日間鑪に入らない。
姿かたちは書かれていません。
金屋子神の伝承記録
女の神
金屋子神は女の神です。
祀られるのはたたら場です。
女を嫌う
女をとても嫌うといいます。
避けられたのは鑪に入ることです。
七日と三十三日
月経中の女は7日間、出産した女は33日間、鑪に入りません。
決まっているのは日数です。
夫の決まり
その夫は17日間鑪に入らず、33日間、女と同じ火で作った飯を食いません。
分けたのは火もです。
家のもの
出産のあった家のものは17日間鑪に入りません。
及ぶのは家じゅうです。
金屋子神の伝承地域
公的データベースの地域欄は島根県を示すのみで、市郡名・区町村名の欄は空欄です。
記録は下原重仲『鉄山秘書』天明4年を引用文献に挙げています。
金屋子神の正体と考えられているもの
金屋子神は、たたら場の女神です。
怪しいものが出る話ではありません。 語られているのは、女を嫌うとされたことと、鑪に入る日数が細かく決まっていたことです。
火と鉄を扱う場の決まりが、神の好みとして語り継がれた形です。
この図鑑には小豆洗い(島根)も収めています。
金屋子神が登場する作品
金屋子神を単独で扱った本は見当たりません。読めるのは戦後の民俗雑誌に載った報告と、その引用文献の江戸期の技術書です。
たたら場の神は中国山地に広く祀られ、金屋子神社が総本社にあたります。
金屋子神が登場する雑誌
民間伝承
民間伝承の会が出した雑誌です。1947年の号に鑪の禁忌と呪術が載ります。
金屋子神が登場する古い書物
鉄山秘書
下原重仲が天明4年に書いた、たたら製鉄の書です。
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金屋子神についてよくある質問
金屋子神とは何ですか。
島根県に伝わる、たたら製鉄の場に祀られた女の神です。
どんな決まりがありますか。
月経中の女は7日間、出産した女は33日間、鑪に入らないと記されています。
男にも決まりがありますか。
出産した女の夫は17日間鑪に入らず、33日間、女と同じ火で作った飯を食わないといいます。
どこで語られていますか。
島根県です。中国山地はたたら製鉄が盛んな土地でした。
金屋子神と併せて覚えたい言葉・用語
鑪(たたら)
砂鉄から鉄を作る炉のことです。
禁忌(きんき)
してはいけないと定められたことです。
天明(てんめい)
江戸時代の年号です。天明4年は西暦1784年にあたります。
金屋子神の参考資料
この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。