島根県江津市での犬神の呼び名。憑くことはないが、その家筋は何代も続くとされた。

イヌガメとはどんな妖怪か
イヌガメはひとことで言えば、憑かないが、家に続くとされた犬神です。島根県江津市江津町の話です。
国際日本文化研究センターの怪異・妖怪伝承データベースは、FN「山陰西部地方の犬神に関する報告五則」(『民族と歴史』8巻1号・通巻43号、1922年、257頁)を典拠に、狐持やイヌガメ(犬神)という迷信がある。犬神持は狐持のように憑いたりすることはないが、ある家が犬神持であればそれは何代も系統を引く。他の人には害はなく、付き合いなども普通にすると記します。
この記録の特徴は、害がないと明言している点です。
狐持は憑くとされましたが、犬神持は憑かない。それでも、家筋としては何代も続くとされました。
付き合いも普通にすると書かれています。
イヌガメの漢字表記と読み方
読みは「いぬがめ」です。
犬神(いぬがみ)が、土地の言い方で変わった形とみられます。記録も括弧で「犬神」と添えています。
山陰から四国にかけて、犬神の話は広く伝わります。 この図鑑には、犬神そのものの記事も収めています。
イヌガメ(いぬがめ)
日文研データベースが示す呼称。
犬神(いぬがみ)
記録が括弧で添えている一般名。
イヌガメの姿と特徴
イヌガメに姿はありません。記録にあるのは、家筋の扱いです。
憑くか … 狐持のようには憑かない。
続くか … ある家が犬神持なら、何代も系統を引く。
害 … 他の人には害はない。
付き合い … 普通にする。
犬の姿を見たという記述はありません。
どの家がそうかも、当然ながら書かれていません。
イヌガメの伝承記録
憑かないが、家に続く
記録は、狐持と犬神持を並べて書きます。
狐持は憑く。犬神持は憑かない。
それでも、ある家が犬神持であれば、何代も系統を引くとされました。
個人の問題ではなく、家の問題として扱われています。
血筋として続くという考え方が、この短い記述に表れています。
「害はなく、付き合いも普通」
記録は続けて、他の人には害はなく、付き合いなども普通にすると書きます。
これは重要な一文です。 憑き物筋の話は、縁組を断られる、避けられるという形で語られることが多くあります。
この土地では、そうではなかったと記録されています。
1922年の報告です。 同じ山陰でも、土地によって扱いが違っていたことが分かります。
イヌガメの伝承地域
公的データベースの地域欄は島根県江津市江津町を示します。
家を特定する記述はなく、地図で指せるのは市の範囲までです。家筋に関わる話であるため、訪ねる先としては扱えません。
江津市周辺(ごうつししゅうへん)
日文研データベースが示す伝承地域
江津市周辺の所在地:島根県江津市江津町
「山陰西部地方の犬神に関する報告五則」の地域欄に対応します。
家を特定する記述は、資料にありません。
イヌガメの正体と考えられているもの
イヌガメは、犬神の土地での呼び名です。
憑かないと明記されている点が、他の犬神の記録と違います。
家に続くという一点だけが残り、害はないとされました。
憑き物筋の言い伝えは、土地によって重さが違います。この記録は、比較的軽い扱いを伝えています。
それでも、家筋として語られ続けたことに変わりはありません。
イヌガメが記録された資料
イヌガメを単独で扱った本は見当たりません。読めるのは『民族と歴史』の報告です。
犬神は民俗学で長く論じられてきた題です。四国と山陰の犬神を扱った本を読むと、土地ごとの違いが見えてきます。
イヌガメが記録された民俗資料
山陰西部地方の犬神に関する報告五則
『民族と歴史』8巻1号(1922年)に載った中心資料です。
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イヌガメについてよくある質問
イヌガメとは何ですか。
島根県江津市で犬神を指す呼び名です。憑くことはないが、家筋は何代も続くとされました。
狐持とは違うのですか。
記録では、狐持のようには憑かないとされています。
害はあるのですか。
他の人には害はなく、付き合いも普通にすると記録されています。
いつの記録ですか。
1922年の報告です。
イヌガメと併せて覚えたい言葉・用語
犬神(いぬがみ)
西日本に広く伝わる憑き物。イヌガメはその島根での呼び名です。
狐持(きつねもち)
狐を持つとされる家筋。記録が比較の相手として挙げています。
憑き物筋(つきものすじ)
特定の家が憑き物を持つと見なされる考え方です。
イヌガメの参考資料
この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。