島根県邑智郡邑南町の雲井城の山にいた雲。毎年下女を連れ去るが、敵が来ると城を包んだ。

Jack serow 「断魚渓(島根県邑智郡邑南町)」 2012年 / CC BY-SA 3.0 出典
怪しの雲とはどんな妖怪か
怪しの雲は、城を包んだ雲です。島根県邑智郡邑南町の話です。
国際日本文化研究センターの怪異・妖怪伝承データベースは、千代延初寿「地名に縁のある伝説(石見国)」(『旅と伝説』三元社、1936年)を典拠に、雲が淵は雲井城の飲料水である。ここの山にはあやしの雲があり、毎年下女を連れ去るが、外敵が攻め寄せてきたときには雲が城を包んでくれると記します。
害と守りが同じものから出ています。
ある年、城主が雲を退治してしまったので、敵に攻められて滅んでしまったというと結ばれます。
この図鑑には八岐松と天狗松(島根)も収めています。
怪しの雲の漢字表記と読み方
怪しの雲(あやしのくも)
日文研データベースが示す呼称です。
雲が淵(くもがふち)
記録が示す、雲井城の飲料水となった淵です。
雲井城(くもいじょう)
記録が示す城の名です。
怪しの雲の姿と特徴
怪しの雲の話は、記録に順を追って書かれています。
その淵 … 雲が淵。
その役目 … 雲井城の飲料水。
そこの山にいたもの … あやしの雲。
毎年すること … 下女を連れ去る。
外敵が来たときのこと … 雲が城を包んでくれる。
ある年のこと … 城主が雲を退治してしまった。
その後 … 敵に攻められて滅んでしまった。
雲の形や色は書かれていません。
怪しの雲の伝承記録
雲が淵の水
雲が淵は雲井城の飲料水です。
支えていたのは城の水です。
毎年下女を連れ去る
ここの山にはあやしの雲があり、毎年下女を連れ去ります。
さらわれるのは下女です。
敵が来ると城を包む
外敵が攻め寄せてきたときには雲が城を包んでくれます。
隠すのは城です。
退治して滅ぶ
ある年、城主が雲を退治してしまったので、敵に攻められて滅んでしまったといいます。
失われたのは守りです。
怪しの雲の伝承地域
公的データベースの地域欄は島根県、市郡名の欄は邑智郡、区町村名の欄は邑南町を示します。
報告の題は旧国名で地名に縁のある伝説(石見国)と書かれています。
怪しの雲の正体と考えられているもの
怪しの雲は、城を包んだ雲です。
ただ守るだけのものではありません。 語られているのは、毎年下女を連れ去ったことと、敵が来ると城を隠したことです。
害を嫌って退治したことが城の滅びにつながっており、両面が一つのものに備わっています。
この図鑑には八岐松と天狗松(島根)も収めています。
怪しの雲が登場する作品
怪しの雲を単独で扱った本は見当たりません。読めるのは戦前の雑誌の報告です。
城を守るものを殺して滅びる話は各地の城跡にあり、蛇や狐、雲などが守り手として語られます。
怪しの雲が登場する雑誌
旅と伝説
三元社が出した雑誌です。1936年の号に石見国の地名の伝説が載ります。
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怪しの雲についてよくある質問
怪しの雲とは何ですか。
島根県邑智郡邑南町の雲井城の山にいたという雲です。
何をしましたか。
毎年下女を連れ去る一方、外敵が攻め寄せると城を包んで守ったといいます。
なぜ城は滅びたのですか。
ある年、城主が雲を退治してしまったためだといいます。
雲が淵とは何ですか。
雲井城の飲料水になっていた淵です。
怪しの雲と併せて覚えたい言葉・用語
石見国(いわみのくに)
今の島根県の西部にあたる国の名です。
下女(げじょ)
家で使われる女の人のことです。
邑南町(おおなんちょう)
島根県の中部、山あいにある町です。
怪しの雲の参考資料
この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。