島根県の海で、櫂でこいで追いかけて来て柄杓を貸せという船。底を抜いてから貸さないと船を沈める。
アイカセとはどんな妖怪か
アイカセは、柄杓を借りにくる船です。島根県の話です。
国際日本文化研究センターの怪異・妖怪伝承データベースは、森脇太一「漁村語彙」(『民間伝承』民間伝承の会、1940年)を典拠に、2・3人乗っている船があり、櫂でこいで追いかけて来て「柄杓を貸せ」という。この時、柄杓の底を抜いてから貸さないと、その柄杓で水をくんで船にかけて船を沈めるというと記します。
断らずに済ませる手があります。
貸すこと自体は拒まず、底を抜いてから貸すのです。
この図鑑には船幽霊(全国)も収めています。
アイカセの漢字表記と読み方
アイカセ(あいかせ)
日文研データベースが示す呼称です。漢字は当てられていません。
柄杓(ひしゃく)
記録が示す、貸せと求められる道具です。
アイカセの姿と特徴
アイカセの話は、記録に短く書かれています。
乗っている数 … 2・3人。
近づき方 … 櫂でこいで追いかけて来る。
求めるもの … 柄杓。
その言葉 … 「柄杓を貸せ」。
そのまま貸すと … その柄杓で水をくんで船にかける。
その先 … 船を沈める。
防ぐ手立て … 柄杓の底を抜いてから貸す。
顔かたちは書かれていません。
アイカセの伝承記録
櫂でこいで追いかけて来る
2・3人乗っている船があり、櫂でこいで追いかけて来ます。
追ってくるのは船です。
柄杓を貸せという
追いついた船は「柄杓を貸せ」といいます。
求めるのは水をくむ器です。
底を抜いてから貸す
この時、柄杓の底を抜いてから貸さないと、その柄杓で水をくんで船にかけて船を沈めるといいます。
抜いておくのは底です。
アイカセの伝承地域
公的データベースの地域欄は島根県を示します。
市郡名の欄は空欄で、どの浦の話かは示されていません。
アイカセの正体と考えられているもの
アイカセは、柄杓を借りにくる船です。
姿の描写はありません。 語られているのは、何を求めるかと、どう渡せば助かるかです。
求めに応じながら害を避ける形が、この話の要です。渡す物に細工をするという一点で、沈められずに済みます。
この図鑑には船幽霊(全国)も収めています。
アイカセが登場する作品
アイカセを単独で扱った本は見当たりません。読めるのは戦前の雑誌の報告です。
柄杓を求める船の話は各地の海にあり、底を抜いて渡すという受け答えも広く語られます。
アイカセが登場する雑誌
民間伝承
民間伝承の会が出した雑誌です。1940年の号に漁村の言葉を集めた報告が載ります。
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アイカセについてよくある質問
アイカセとは何ですか。
島根県で、海で柄杓を貸せと求めてくる船のことです。
何人乗っていますか。
2・3人乗っていると記録されています。
そのまま柄杓を貸すとどうなりますか。
その柄杓で水をくんで船にかけ、船を沈めるといいます。
どうすれば助かりますか。
柄杓の底を抜いてから貸すのだといいます。
アイカセと併せて覚えたい言葉・用語
櫂(かい)
舟をこぐ道具です。
柄杓(ひしゃく)
水をくむ、柄のついた器です。
漁村語彙(ぎょそんごい)
漁村で使われる言葉を集めたものです。
アイカセの参考資料
この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。