滋賀県甲賀市で、旅人の足に糸を巻いた蜘蛛が、切り株を引きずり込んだという話。

巨亀と蜘蛛とはどんな妖怪か
巨亀と蜘蛛はひとことで言えば、糸を付け替えて助かった話です。滋賀県甲賀市の話です。
国際日本文化研究センターの怪異・妖怪伝承データベースは、南小路義孝「郷土研究上方」(『郷土研究上方』8巻91号、1938年、10頁)を典拠に、旅人がある淵で水面を覗いていると、大きな蜘蛛が旅人の足に糸を巻き付けた。不思議に思った旅人は、その糸を木の切り株に巻き付け直した。それとは知らずに水中に没した蜘蛛は、切り株を旅人と思い、勢いよく引きずり込んでそれに食い付いたと記します。
助かった理由は、糸を付け替えたことです。
同じ形の話は各地にあり、淵の蜘蛛としてよく知られます。
巨亀と蜘蛛の漢字表記と読み方
読みは「おおがめ」「くも」です。
呼称欄には巨亀と蜘蛛が並びます。 本文で動くのは蜘蛛です。
淵の蜘蛛の話は、牛や切り株に糸を移す形で各地に伝わります。
この図鑑には淵のヌシ(神奈川)も収めています。そちらは淵の大鰻です。
巨亀(おおがめ)
日文研データベースが示す呼称の一つです。
蜘蛛(くも)
本文で糸を巻き付けるのは蜘蛛です。
巨亀と蜘蛛の姿と特徴
巨亀と蜘蛛の姿は、記録に段を追って書かれています。
場所 … ある淵。
していたこと … 旅人が水面を覗いていた。
現れたもの … 大きな蜘蛛。
したこと … 旅人の足に糸を巻き付けた。
旅人 … 不思議に思い、その糸を木の切り株に巻き付け直した。
蜘蛛 … それとは知らずに水中に没した。
結末 … 切り株を旅人と思い、勢いよく引きずり込んで食い付いた。
蜘蛛の大きさについての細かい記述はありません。
巨亀と蜘蛛の伝承記録
淵を覗く
旅人がある淵で、水面を覗いていました。
大きな蜘蛛が、旅人の足に糸を巻き付けました。
気づかれずに、しるしを付けたわけです。
糸を付け替える
不思議に思った旅人は、その糸を木の切り株に巻き付け直しました。
逃げるのではなく、身代わりを立てています。
切り株が引き込まれる
蜘蛛は、それとは知らずに水中に没しました。
切り株を旅人と思い、勢いよく引きずり込んでそれに食い付きました。
旅人は助かりました。 残ったのは、引き込まれた切り株です。
巨亀と蜘蛛の伝承地域
公的データベースの地域欄は滋賀県甲賀市水口町を示します。
水口は東海道の宿場として知られた土地です。 淵の名は書かれていません。
巨亀と蜘蛛の正体と考えられているもの
巨亀と蜘蛛は、身代わりで助かった話です。
助けたのは知恵でした。 糸を切らず、付け替えています。
同じ形の話は各地にあり、淵の主が人を引き込むという恐れが背景にあります。
この図鑑には淵のヌシ(神奈川)も収めています。
巨亀と蜘蛛が登場する作品
巨亀と蜘蛛を単独で扱った本は見当たりません。読めるのは戦前の郷土雑誌です。
淵の蜘蛛の話は各地にあり、糸を切り株や牛に移して助かる形が共通します。この図鑑には淵のヌシ(神奈川)も収めています。
巨亀と蜘蛛が登場する民俗雑誌
郷土研究上方
上方郷土研究会の雑誌です。8巻91号に南小路義孝の報告が載ります。
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巨亀と蜘蛛についてよくある質問
この話は何ですか。
滋賀県甲賀市水口町で、淵の蜘蛛が旅人の足に糸を巻き付けた話です。
旅人はどうしましたか。
その糸を木の切り株に巻き付け直しました。
蜘蛛はどうなりましたか。
切り株を旅人と思い、勢いよく引きずり込んで食い付いたといいます。
巨亀は出てきますか。
呼称欄に並びますが、本文で動くのは蜘蛛です。
巨亀と蜘蛛と併せて覚えたい言葉・用語
淵(ふち)
川の深く淀んだところ。主がいるとされました。
切り株(きりかぶ)
木を切ったあとに残る根元です。
水口(みなくち)
滋賀県甲賀市の地名。東海道の宿場町でした。
巨亀と蜘蛛の参考資料
この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。