神奈川県相模原市で、釣り上げた男が死に、淵の名になったという大鰻。

淵のヌシとはどんな妖怪か
淵のヌシはひとことで言えば、釣った男の名が残った大鰻です。神奈川県相模原市の話です。
国際日本文化研究センターの怪異・妖怪伝承データベースは、安西愈「ひでばち」(『ひでばち』1957年)を典拠に、音坊という男が渕で大鰻を釣り上げたが、あまりに大きいので首を切って担ぎ出そうとしたが水の中に落ちて男は死んだ。ゆえにそこをオトボウ渕と名付けられたと記します。
釣り上げたところまでは人が勝っています。
変わったのは首を切ろうとしたときでした。 男は水に落ちて死に、淵に名が残りました。
淵のヌシの漢字表記と読み方
読みは「ふちのぬし」です。
ヌシは淵や池の主を指します。 大きな魚や蛇が主とされました。
淵の名オトボウ渕は、音坊という男の名から付いています。
この図鑑には片目の鰻(山梨)も収めています。そちらも淵の鰻です。
淵のヌシ(ふちのぬし)
日文研データベースが示す呼称。
大ウナギ(おおうなぎ)
記録が併記する呼び名です。
オトボウ渕(おとぼうぶち)
男の名から付いた淵の名です。
淵のヌシの姿と特徴
淵のヌシの姿は、記録に短く書かれています。
釣った人 … 音坊という男。
釣ったもの … 大鰻。
大きさ … 担ぎ出せないほど。
したこと … 首を切って担ぎ出そうとした。
起きたこと … 水の中に落ちて男は死んだ。
残ったもの … オトボウ渕という淵の名。
鰻がその後どうなったかは書かれていません。
淵のヌシの伝承記録
大鰻を釣り上げる
音坊という男が、渕で大鰻を釣り上げました。
淵の主とされる大きさでした。
首を切ろうとする
あまりに大きいので、首を切って担ぎ出そうとしました。
しかし水の中に落ちて、男は死にました。
運ぶために切ろうとしたところで、逆に落ちています。
淵に名が残る
ゆえにそこを、オトボウ渕と名付けられました。
残ったのは男の名でした。
土地の名が、出来事の記憶になっています。
淵のヌシの伝承地域
公的データベースの地域欄は神奈川県相模原市緑区を示します。
緑区は相模川と道志川の流れる山あいにあたります。
淵のヌシの正体と考えられているもの
淵のヌシは、土地の名になった大鰻です。
祟りという語は使われていません。 記されているのは、落ちて死んだという出来事だけです。
それでも、淵の名が残りました。
この図鑑には片目の鰻(山梨)も収めています。
淵のヌシが登場する作品
淵のヌシを単独で扱った本は見当たりません。読めるのは郷土誌です。
淵の主の話は各地にあり、獲ると災いがあるという戒めを伴います。この図鑑には片目の鰻(山梨)も収めています。
淵のヌシが登場する郷土誌
ひでばち
神奈川の郷土誌です。1957年の号に安西愈の報告が載ります。
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淵のヌシについてよくある質問
淵のヌシとは何ですか。
神奈川県相模原市緑区の淵にいたとされる大鰻です。
釣った人はどうなりましたか。
首を切って担ぎ出そうとして水に落ち、死んだと記録されています。
オトボウ渕とは何ですか。
死んだ音坊という男の名から付いた淵の名です。
鰻はどうなりましたか。
その後については記録されていません。
淵のヌシと併せて覚えたい言葉・用語
ヌシ(ぬし)
淵や池に住むとされた大きな生き物です。
渕(ふち)
川の深く淀んだところ。淵とも書きます。
相模原(さがみはら)
神奈川県北部の市。緑区は山あいにあたります。
淵のヌシの参考資料
この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。