埼玉県東秩父村白石で、殺された乞食の子の名が付いた青い火。地蔵が建てられました。

京浜にけ 「和紙の里の和紙製造所(埼玉県秩父郡東秩父村)」 2011年 / CC BY-SA 3.0 出典
トラマツの火とはどんな妖怪か
トラマツの火はひとことで言えば、知らせとして見えた火です。埼玉県秩父郡東秩父村の話です。
国際日本文化研究センターの怪異・妖怪伝承データベースは、東京学芸大学民俗学研究会「八、口承文芸 2 伝説」(『白石の民俗』通巻8号、1984年、57頁)を典拠に、昔、白石に乞食の親子が居ついていたが、子どものトラマツが盗み食いをして、村人に殺されてしまった。村人はその死がいを峠の木の枝につるしておいたので、親の乞食は「この土地に祟れ」と言ってどこかへ行ってしました。その後、白石では何かよくないことが起る度に峠に青い火が見えた。その火をトラマツの火といった。後にムラの人たちはトラマツのために地蔵を峠に建てて祀り、それをトラマツ地蔵というと記します。
火は、悪いことのたびに見えます。
火が災いを起こすのではありません。 よくないことが起る度に見えた、と書かれています。
トラマツの火の漢字表記と読み方
読みは「とらまつのひ」です。
トラマツは、殺された子どもの名です。 火にその名が付いています。
同じ白石には、ひとりの老人の話も伝わります。
この図鑑にはひとりの老人(埼玉)も収めています。どちらも白石の伝説です。
トラマツの火(とらまつのひ)
日文研データベースが示す呼称。
トラマツ地蔵(とらまつじぞう)
後に峠に建てられた地蔵の名です。
トラマツの火の姿と特徴
トラマツの火の姿は、記録に短く書かれています。
色 … 青い。
見える場所 … 峠。
見える時 … 白石で何かよくないことが起るたび。
名の由来 … 殺された子どものトラマツ。
殺された理由 … 盗み食い。
死がいの扱い … 峠の木の枝につるされた。
後に、峠にトラマツ地蔵が建てられました。
トラマツの火の伝承記録
盗み食いで殺される
昔、白石に乞食の親子が居ついていましたが、子どものトラマツが盗み食いをして、村人に殺されてしまいました。
盗んだのは食べ物です。
親が祟れと言い残す
村人はその死がいを峠の木の枝につるしておきました。
親の乞食は「この土地に祟れ」と言って、どこかへ行ってしまいました。
呪ったのは、子ではなく親です。
青い火と地蔵
その後、白石では何かよくないことが起る度に、峠に青い火が見えました。
その火をトラマツの火といいました。
後にムラの人たちはトラマツのために地蔵を峠に建てて祀り、それをトラマツ地蔵といいます。
トラマツの火の伝承地域
公的データベースの地域欄は埼玉県秩父郡東秩父村を示します。
白石は村の山あいの集落で、峠道が通ります。
トラマツの火の正体と考えられているもの
トラマツの火は、村が後から祀ったものです。
祟りという語が、この記録では使われています。
それでも、最後は地蔵を建てて祀っています。
この図鑑にはひとりの老人(埼玉)も収めています。
トラマツの火が登場する作品
トラマツの火を単独で扱った本は見当たりません。読めるのは調査報告です。
殺された者の火の話は各地にあり、後に祀ることで結ばれます。この図鑑にはひとりの老人(埼玉)も収めています。
トラマツの火が登場する調査報告
白石の民俗
東京学芸大学民俗学研究会の1984年の調査報告です。
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トラマツの火についてよくある質問
トラマツの火とは何ですか。
埼玉県東秩父村白石の峠に見えたとされる青い火です。
トラマツとは誰ですか。
盗み食いをして村人に殺された乞食の子どもです。
いつ見えますか。
白石で何かよくないことが起るたびに見えたとされます。
その後どうなりましたか。
村人が峠に地蔵を建てて祀り、トラマツ地蔵と呼ばれます。
トラマツの火と併せて覚えたい言葉・用語
峠(とうげ)
山道ののぼりつめたところです。
東秩父村(ひがしちちぶむら)
埼玉県秩父郡の村。和紙の里で知られます。
地蔵(じぞう)
地蔵菩薩の像。道ばたや峠に祀られます。
トラマツの火の参考資料
この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。