埼玉県東秩父村白石で、親切にした家にめかいを与え、病を防いだという老人。

Qurren 「道の駅和紙の里ひがしちちぶの古民家(埼玉県秩父郡東秩父村)」 2017年 / CC BY-SA 3.0 出典
ひとりの老人とはどんな妖怪か
ひとりの老人はひとことで言えば、礼にめかいを置いていった客です。埼玉県秩父郡東秩父村の話です。
国際日本文化研究センターの怪異・妖怪伝承データベースは、東京学芸大学民俗学研究会「八、口承文芸 2 伝説」(『白石の民俗』通巻8号、1984年、57頁)を典拠に、むかし、白石にひとりの老人が来た。その老人は、親切にしてくれた家に一つのめかい(竹で編んだカゴ)をくれて帰った。そのめかいを家の入り口にかけておけば、村に悪い病気が流行っても、この家には入らないと老人は言い、そのめかいは今でもその家の軒下に下がっていると記します。
証拠が残っています。
報告の時点で、めかいはまだ軒下に下がっていました。 言い伝えと現物がつながっています。
ひとりの老人の漢字表記と読み方
読みは「ひとりのろうじん」です。
めかいは目籠とも書き、竹で編んだカゴを指します。 編み目が多いので、目が多いものとされました。
軒に掛けると悪いものが入らないとされます。
この図鑑には一ツブマナコ(新潟)も収めています。そちらも目の多いもので追い払う話です。
ひとりの老人(ひとりのろうじん)
日文研データベースが示す呼称。
めかい(めかい)
竹で編んだカゴのことです。
ひとりの老人の姿と特徴
ひとりの老人の姿は、記録に短く書かれています。
呼び名 … ひとりの老人。
来た場所 … 白石。
受けたもの … 親切。
残したもの … めかい一つ。
掛ける場所 … 家の入り口。
効き目 … 村に悪い病気が流行っても、この家には入らない。
顔立ちや着物については書かれていません。
ひとりの老人の伝承記録
白石に来る
むかし、白石にひとりの老人が来ました。
どこから来たかは書かれていません。
めかいを置いていく
その老人は、親切にしてくれた家に一つのめかいをくれて帰りました。
礼として渡されたのは、竹で編んだカゴでした。
軒下に今も下がる
そのめかいを家の入り口にかけておけば、村に悪い病気が流行っても、この家には入らないと老人は言いました。
そのめかいは今でもその家の軒下に下がっています。
言い伝えが、物として残っている例です。
ひとりの老人の伝承地域
公的データベースの地域欄は埼玉県秩父郡東秩父村を示します。
白石は村の山あいの集落にあたります。
ひとりの老人の正体と考えられているもの
ひとりの老人は、礼に守りを置いていった客です。
祟りという語は使われていません。 記されているのは、親切にした家が守られたということだけです。
それでも、現物が残っています。
この図鑑には一ツブマナコ(新潟)も収めています。
ひとりの老人が登場する作品
ひとりの老人を単独で扱った本は見当たりません。読めるのは調査報告です。
目籠を軒に掛ける習わしは各地にあり、目の多いものが悪いものを退けるとされます。この図鑑には一ツブマナコ(新潟)も収めています。
ひとりの老人が登場する調査報告
白石の民俗
東京学芸大学民俗学研究会の1984年の調査報告です。
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ひとりの老人についてよくある質問
ひとりの老人とは何ですか。
埼玉県東秩父村白石に来て、親切にした家にめかいを与えたとされる老人です。
めかいとは何ですか。
竹で編んだカゴのことです。
どんな効き目がありますか。
入り口に掛けておけば、村に悪い病気が流行っても入らないとされます。
今も残っていますか。
報告の時点では、その家の軒下に下がっていたと記録されています。
ひとりの老人と併せて覚えたい言葉・用語
めかい(めかい)
竹で編んだカゴ。目籠とも書きます。
東秩父村(ひがしちちぶむら)
埼玉県秩父郡の村。和紙の里で知られます。
口承文芸(こうしょうぶんげい)
語りで伝えられた昔話や伝説のことです。
ひとりの老人の参考資料
この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。