佐賀県唐津市名護屋城跡で、踏むとすぐ病気になるとされた武士の墓。

sk01 「名護屋城本丸跡(佐賀県唐津市鎮西町)」 2013年 / CC BY-SA 3.0 出典
無縁墓とはどんな妖怪か
無縁墓はひとことで言えば、願う人が二通りいる墓です。佐賀県唐津市の話です。
国際日本文化研究センターの怪異・妖怪伝承データベースは、『島』(昭和九年前期号、1934年、156頁)の「加部島の傳説と迷信」を典拠に、名護屋城跡に小石を盛り上げたものがある。朝鮮征伐の時、渡海に遅れ憤死した武士の墓である。この無縁仏を、芸者は美声のために、漁師は大漁のために供養する。誤ってこれを踏むと、すぐに病気になると記します。
願いの中身が、はっきり書かれています。
芸者は美声のために、漁師は大漁のために供養します。 同じ墓に、違う願いが向きます。
無縁墓の漢字表記と読み方
読みは「むえんばか」です。
名護屋城は豊臣秀吉が朝鮮出兵の拠点として築いた城です。 今は城跡が残ります。
渡海に遅れ憤死したとは、船に乗り遅れて悔しさのあまり死んだということです。
この図鑑には無縁様(茨城)も収めています。どちらも縁のない死者を祀ります。
無縁墓(むえんばか)
日文研データベースが示す呼称。
無縁仏(むえんぼとけ)
記録の本文で使われる言い方です。
無縁墓の姿と特徴
無縁墓に姿はありません。記録にあるのは、形と、決まりです。
形 … 小石を盛り上げたもの。
場所 … 名護屋城跡。
葬られた人 … 朝鮮征伐の時、渡海に遅れ憤死した武士。
供養する人1 … 芸者。その願いは美声。
供養する人2 … 漁師。その願いは大漁。
してはいけないこと … 誤って踏むこと。
踏むと、すぐに病気になります。
無縁墓の伝承記録
小石を盛り上げた墓
名護屋城跡に、小石を盛り上げたものがあります。
立派な墓石ではありません。
渡海に遅れた武士
朝鮮征伐の時、渡海に遅れ憤死した武士の墓です。
戦って死んだのではありません。
乗り遅れて死んでいます。
踏むと病気になる
この無縁仏を、芸者は美声のために、漁師は大漁のために供養します。
誤ってこれを踏むと、すぐに病気になります。
拝む人と、踏む人で、結果が分かれます。
無縁墓の伝承地域
公的データベースの地域欄は佐賀県唐津市鎮西町を示します。
名護屋城跡は東松浦半島の北のはしにあり、国の特別史跡です。
無縁墓の正体と考えられているもの
無縁墓は、踏まれることを嫌う墓です。
祟りという語は使われていません。 記されているのは、すぐに病気になるという言い方だけです。
それでも、供養する人がいます。
この図鑑には無縁様(茨城)も収めています。
無縁墓が登場する作品
無縁墓を単独で扱った本は見当たりません。読めるのは雑誌の報告です。
踏むと祟る墓の話は各地にあり、願をかける人が同時にいる例もあります。この図鑑には無縁様(茨城)も収めています。
無縁墓が登場する雑誌
島
「島」発行所の雑誌です。1934年の号に加部島の伝説と迷信が載ります。
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無縁墓についてよくある質問
無縁墓とは何ですか。
佐賀県唐津市の名護屋城跡にある、小石を盛り上げた墓です。
誰の墓ですか。
朝鮮征伐の時、渡海に遅れ憤死した武士の墓とされます。
誰が供養しますか。
芸者は美声のために、漁師は大漁のために供養すると記録されています。
踏むとどうなりますか。
すぐに病気になるとされます。
無縁墓と併せて覚えたい言葉・用語
名護屋城(なごやじょう)
豊臣秀吉が朝鮮出兵の拠点として築いた城です。
憤死(ふんし)
悔しさのあまり死ぬことをいいます。
鎮西町(ちんぜいまち)
佐賀県唐津市の地区名です。
無縁墓の参考資料
この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。