大阪府羽曳野市の壺井八幡宮の水。源頼義が弓弰で岸を穿つと湧き、飲めば病苦や災難を除くという。

KENPEI 「壺井八幡宮の拝殿(大阪府羽曳野市)」 2008年 / CC BY-SA 3.0 出典
霊水とはどんな妖怪か
霊水は、弓で穿って湧いた水です。大阪府羽曳野市の話です。
国際日本文化研究センターの怪異・妖怪伝承データベースは、石塚豊芥子「豊芥子日記」(『続日本随筆大成別巻』吉川弘文館、1983年)を典拠に、河内国壺井八幡宮の霊水は、奥州合戦の時に源頼義が合掌し、至誠の首を傾けて、弓弰(ゆはず)で岸を穿ったところ、霊水が出てきたという。この水を飲んだ頼義の軍は熱や渇仰が忽ち除かれ、一気に戦勝したという。この水を瓶に入れて持ち帰り、香呂峯に井戸を掘って瓶を埋めたところ、その水は源怨敵降伏の霊水として大切に扱われ、今の世でも飲めば病苦や災難を除かれると記します。
水は運ばれています。
奥州で湧いた水を瓶に入れて持ち帰り、井戸を掘って埋めたのです。
この図鑑には六角井戸(長崎)も収めています。
霊水の漢字表記と読み方
読みは「れいすい」です。
記録は「弓弰」に括弧で「ゆはず」と読みを添えています。
「穿つ」は、突いて穴をあけることです。
「渇仰」はここでは、のどの渇きを指しています。
この図鑑には六角井戸(長崎)も収めています。
霊水(れいすい)
日文研データベースが示す呼称。
弓弰(ゆはず)
記録が括弧で読みを添えています。弓の両端のことです。
霊水の姿と特徴
霊水の話は、記録に順を追って書かれています。
その社 … 河内国壺井八幡宮。
そのとき … 奥州合戦の時。
その人 … 源頼義。
したこと(一) … 合掌し、至誠の首を傾けた。
したこと(二) … 弓弰で岸を穿った。
出てきたもの … 霊水。
飲んだ結果 … 熱や渇仰が忽ち除かれ、一気に戦勝した。
持ち帰り方 … 瓶に入れた。
埋めた場所 … 香呂峯に井戸を掘って埋めた。
その呼び名 … 源怨敵降伏の霊水。
いまの効き目 … 飲めば病苦や災難を除かれる。
井戸の深さは書かれていません。
霊水の伝承記録
奥州合戦の陣で
奥州合戦の時に源頼義が合掌し、至誠の首を傾けました。
したのは祈りです。
弓弰で岸を穿つ
弓弰(ゆはず)で岸を穿ったところ、霊水が出てきました。
使ったのは弓の端です。
軍が飲んで勝つ
この水を飲んだ頼義の軍は熱や渇仰が忽ち除かれ、一気に戦勝しました。
除かれたのは熱と渇きです。
瓶を埋める
この水を瓶に入れて持ち帰り、香呂峯に井戸を掘って瓶を埋めたところ、今の世でも飲めば病苦や災難を除かれます。
残ったのは井戸です。
霊水の伝承地域
公的データベースの地域欄は大阪府、市郡名の欄は羽曳野市を示します。
記録は国の名で河内国と書いています。
霊水の正体と考えられているもの
霊水は、弓で穿って湧いた水です。
怪しいものは出てきません。 語られているのは、どこで湧いたかと、どこへ移されたかです。
湧いた場所と今ある場所が違うところが、運ばれた水というこの話の要です。
この図鑑には六角井戸(長崎)も収めています。
霊水が登場する作品
霊水を単独で扱った本は見当たりません。読めるのは随筆を集めた叢書です。
武将が地を突くと水が湧くという話は各地にあり、その跡が井戸として残ります。
霊水が登場する随筆
続日本随筆大成別巻
吉川弘文館が1983年に出した叢書です。石塚豊芥子の豊芥子日記を収めます。
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霊水についてよくある質問
霊水とは何ですか。
大阪府羽曳野市の壺井八幡宮に伝わるという水です。
どうやって湧いたのですか。
源頼義が弓弰で岸を穿ったところ出てきたといいます。
どんな効き目がありますか。
飲めば熱や渇きが除かれ、いまの世でも病苦や災難を除くといいます。
なぜ河内にあるのですか。
奥州で湧いた水を瓶に入れて持ち帰り、井戸を掘って埋めたためです。
霊水と併せて覚えたい言葉・用語
弓弰(ゆはず)
弓の両端のことです。
河内国(かわちのくに)
いまの大阪府東部にあたる国の名です。
羽曳野市(はびきのし)
大阪府南東部の市です。
霊水の参考資料
この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。