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沖縄県

遺念火(いにんびー)とはどんな妖怪か|姿と伝承

遺念火  / イニンビー

火の妖怪 各地の伝説

沖縄県で、戦死した兄弟の思いが残ったとされ、決まった道筋を通っていくという火の玉。

遺念火の姿を描いた図

Midnightcomm 「勝連城跡の舎殿跡(沖縄県うるま市勝連南風原)」 2021年 / CC BY-SA 出典

遺念火とはどんな妖怪か

遺念火はひとことで言えば、道筋の決まった火です。沖縄県の話です。

国際日本文化研究センターの怪異・妖怪伝承データベースは、崎原恆新沖縄の遺念火由来」(『南島研究』通巻16号、南島研究会、1975年、19頁)を典拠に、鬼大城が勝連城の阿摩和利を攻めたとき、2人の弟が戦死した。それ以後、チャンマーブ(喜屋武城)から遺念火(イニンビー)が出た。遺念火(イニンビー)は山手、川田、海辺、南原、小川を通り勝連城下のウダンビラに抜けていくという。2人の弟の遺念火であるといわれたが、火の玉は1つしかなかったと記します。

数が合いません。

死んだのは二人でしたが、出る火の玉は一つだけでした。 記録はその食い違いをそのまま書き残しています。

遺念火の漢字表記と読み方

読みは「いにんびー」です。

「イニン」は遺念、「ビー」は火にあたります。 遺した思いの火、という組み立てです。

阿摩和利と鬼大城は、十五世紀の沖縄で戦った実在の人物とされます。

この図鑑には人魂(各地)も収めています。遺念火は通り道が決まっているところが違います。

遺念火(いにんびー)

日文研データベースが示す呼称。

イニンビー(いにんびー)

沖縄の言葉での呼び方をカタカナで書いた形です。

遺念火の姿と特徴

遺念火の姿は、記録に短く書かれています。

もの … 火の玉。
… 一つ。
出るところ … チャンマーブ(喜屋武城)。
通り道 … 山手、川田、海辺、南原、小川。
抜けるところ … 勝連城下のウダンビラ。
由来とされること … 戦死した二人の弟の遺念。

大きさや色は書かれていません。

遺念火の伝承記録

  1. 勝連城の戦い
  2. 喜屋武城から出る
  3. 決まった道筋
  4. 一つしかない火

勝連城の戦い

鬼大城が勝連城の阿摩和利を攻めたとき、2人の弟が戦死しました。

火の起こりがに結びつけられています。

喜屋武城から出る

それ以後、チャンマーブ(喜屋武城)から遺念火(イニンビー)が出ました。

出どころがと定められています。

決まった道筋

遺念火は山手、川田、海辺、南原、小川を通り、勝連城下のウダンビラに抜けていくといいます。

通る場所が順に挙げられています。

一つしかない火

2人の弟の遺念火であるといわれましたが、火の玉は1つしかありませんでした。

語りと見たものが食い違ったまま残されています。

遺念火の伝承地域

公的データベースの地域欄は沖縄県までで、市町村までは示されていません。

記録に出る勝連城は、いまのうるま市にあたります。

勝連城跡(かつれんぐすくあと)

日文研データベースが示す伝承地域

地図で開く

勝連城跡の所在地:沖縄県うるま市勝連南風原

報告は南島研究会の南島研究によります。

阿摩和利の居城とされ、世界遺産に登録されています。

遺念火の正体と考えられているもの

遺念火は、戦死した者の思いが残ったとされる火です

祟るとは書かれていません。 語られているのは、決まった道筋を通っていくという一点です。

二人分のはずが一つだった、という食い違いも記録に残ります。

この図鑑には人魂(各地)も収めています。

遺念火が登場する作品

遺念火を単独で扱った本は見当たりません。読めるのは沖縄の研究会の雑誌です。

阿摩和利と鬼大城の戦いは組踊や史書にも語られ、火の由来として引かれています。

遺念火が登場する学会誌

南島研究

南島研究会が出した雑誌です。1975年の号に沖縄の遺念火由来が載ります。

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遺念火についてよくある質問

遺念火とは何ですか。

沖縄県で、戦死した兄弟の思いが残ったとされ、決まった道筋を通っていくという火の玉です。

読み方は何ですか。

「いにんびー」と読みます。

どこからどこへ通りますか。

チャンマーブ(喜屋武城)から出て、勝連城下のウダンビラに抜けていくと記録されています。

なぜ火は一つなのですか。

記録は二人分といわれながら一つしかなかったと書くのみで、理由は述べていません。

遺念火と併せて覚えたい言葉・用語

グスク(ぐすく)

沖縄の城のことです。石垣をめぐらせた造りが特徴です。

阿摩和利(あまわり)

十五世紀に勝連城を拠点とした按司とされます。

鬼大城(おにおおぐすく)

阿摩和利を攻めたと伝えられる人物です。

遺念火の参考資料

この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。

  1. 国際日本文化研究センター「遺念火,鬼大城,火の玉」