岡山県真庭市で、村に変事があると鳴くとされ、狐に似て狐とは違う声だという神の死者。

さかおり 「落合町上垣内の林(岡山県真庭市)」 2021年 / CC BY-SA 4.0 出典
ヤテイ様とはどんな妖怪か
ヤテイ様は、変事の前に鳴く声です。岡山県真庭市の話です。
国際日本文化研究センターの怪異・妖怪伝承データベースは、三浦秀宥「美作・栗原村の憑きもの」(『岡山民俗』岡山民俗学会、1969年)を典拠に、戦前には狐が憑く者があり、氏神様の裏の森にサン俵の上に幣を立てて、赤飯のむすびをのせて送っていたのを見たことがあった。氏神様の森の裏には白狐がいるといわれ、夕方通ると石を投げつけられると言われた。また村に火難、盗難など変事があると、「ヤテイ様がなく」という。ヤテイというのは神の死者のことで、狐を連想させるが狐とは違う声だというと記します。
聞き分けられています。
「狐を連想させるが狐とは違う声」と、はっきり分けて書かれています。
ヤテイ様の漢字表記と読み方
読みは「やていさま」です。
「サン俵」は米俵の両端にあてる円い蓋のことです。
「幣」は、神に供える紙のことです。
「美作」はいまの岡山県北部にあたる昔の国の名です。
ヤテイ様(やていさま)
日文研データベースが示す呼称。
神の死者(かみのししゃ)
記録が示す、ヤテイの意味です。
ヤテイ様の姿と特徴
ヤテイ様のことは、記録にくわしく書かれています。
戦前にあったこと … 狐が憑く者があった。
送り方 … 氏神様の裏の森に、サン俵の上に幣を立て、赤飯のむすびをのせて送った。
森の裏にいるもの … 白狐。
言われていたこと … 夕方通ると石を投げつけられる。
村に変事があると … 「ヤテイ様がなく」という。
変事とは … 火難、盗難など。
ヤテイの意味 … 神の死者。
その声 … 狐を連想させるが狐とは違う。
ヤテイ様の姿は書かれていません。
ヤテイ様の伝承記録
狐を送る
戦前には狐が憑く者があり、氏神様の裏の森にサン俵の上に幣を立てて、赤飯のむすびをのせて送っていました。
送り先は社の裏の森です。
森の裏の白狐
氏神様の森の裏には白狐がいるといわれ、夕方通ると石を投げつけられると言われました。
通る時刻が夕方です。
ヤテイ様がなく
村に火難、盗難など変事があると、「ヤテイ様がなく」といいます。
知らせるのは声でした。
狐とは違う声
ヤテイというのは神の死者のことで、狐を連想させるが狐とは違う声だといいます。
耳で分けています。
ヤテイ様の伝承地域
公的データベースの地域欄は岡山県真庭市を示します。
論文名の美作・栗原村は、いまの真庭市の一部です。
ヤテイ様の正体と考えられているもの
ヤテイ様は、神の死者とされたものです。
姿は書かれていません。 語られているのは、いつ鳴くかと、その声が狐とどう違うかです。
憑き物の狐と同じ場所で語られながら、はっきり分けられています。
この図鑑にはヤコ様(長崎)も収めています。
ヤテイ様が登場する作品
ヤテイ様を単独で扱った本は見当たりません。読めるのは岡山の民俗学会の雑誌です。
変事の前に鳴くものの話は各地にあり、狐や鳥の声として語られます。
ヤテイ様が登場する学会誌
岡山民俗
岡山民俗学会が出した雑誌です。1969年の号に美作・栗原村の憑きものが載ります。
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ヤテイ様についてよくある質問
ヤテイ様とは何ですか。
岡山県真庭市で、神の死者を指したという言葉です。
いつ鳴くのですか。
村に火難、盗難など変事があるときといいます。
狐の声ですか。
狐を連想させるが狐とは違う声だと記録されています。
狐はどう送るのですか。
サン俵の上に幣を立て、赤飯のむすびをのせて森へ送ったといいます。
ヤテイ様と併せて覚えたい言葉・用語
サン俵(さんだわら)
米俵の両端にあてる円い蓋です。
幣(ぬさ)
神に供える紙のことです。
美作(みまさか)
いまの岡山県北部にあたる昔の国の名です。
ヤテイ様の参考資料
この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。