岡山県倉敷市で、夜の海を走り過ぎては戻り、鯖を投げると去ったという船の形の火。

Suicasmo 「倉敷美観地区の町並み(岡山県倉敷市中央)」 2019年 / CC BY-SA 4.0 出典
ほぼら火とはどんな妖怪か
ほぼら火はひとことで言えば、鯖で追い返した船です。岡山県倉敷市の話です。
国際日本文化研究センターの怪異・妖怪伝承データベースは、土井卓治「ほぼら火の話」(『岡山民俗』岡山民俗学会、1955年)を典拠に、サバを積んで市場に運ぶとき、夜中にサバを造りにしていると、帆を捲いた船がものすごいスピードで走ってきて行き過ぎた。「迷い火だな、ほぼらだな」と思った。一旦行過ぎた船が又帰ってきたので、料理していたサバをぶつけると船はおかの方へ行った。ホボラとは幽霊のことというと記します。
手元にあるものを使っています。
投げたのは、ちょうど料理していたサバでした。
ほぼら火の漢字表記と読み方
読みは「ほぼらび」です。
記録は「ホボラとは幽霊のこと」と説明しています。
「帆を捲く」は、帆を巻き上げてたたむことです。 本来なら進まないはずの姿です。
「迷い火」は、行き場を失った火を指す言い方です。
この図鑑には船幽霊(各地)も収めています。ほぼら火は船そのものの形で現れます。
ほぼら火(ほぼらび)
日文研データベースが示す呼称。
ホボラ(ほぼら)
記録が「幽霊のこと」と説明している語です。
ほぼら火の姿と特徴
ほぼら火の姿は、記録に短く書かれています。
していたこと … サバを積んで市場に運ぶ途中、夜中にサバを造りにしていた。
現れたもの … 帆を捲いた船。
その速さ … ものすごいスピード。
したこと(一) … 走ってきて行き過ぎた。
したこと(二) … 一旦行過ぎた船が又帰ってきた。
こちらのしたこと … 料理していたサバをぶつけた。
その結果 … 船はおかの方へ行った。
ホボラとは … 幽霊のこと。
乗っている者の姿は書かれていません。
ほぼら火の伝承記録
夜の海のサバ
サバを積んで市場に運ぶとき、夜中にサバを造りにしていました。
仕事のさなかです。
帆を捲いた船
帆を捲いた船がものすごいスピードで走ってきて行き過ぎました。
帆はたたまれていました。
戻ってくる
一旦行過ぎた船が又帰ってきました。
一度では終わりませんでした。
サバをぶつける
料理していたサバをぶつけると船はおかの方へ行きました。ホボラとは幽霊のことといいます。
効いたのは手元の魚でした。
ほぼら火の伝承地域
公的データベースの地域欄は岡山県倉敷市を示します。
典拠の論文名はほぼら火の話で、この火だけを扱ったものです。
ほぼら火の正体と考えられているもの
ほぼら火は、船の形をとった幽霊です。
沈められた話ではありません。 語られているのは、走り過ぎ、戻り、去ったという動きだけです。
追い返したのは料理していたサバでした。
この図鑑には船幽霊(各地)も収めています。
ほぼら火が登場する作品
ほぼら火を単独で扱った本は見当たりません。読めるのは岡山の民俗学会の雑誌です。
海に現れる怪しい船の話は各地にあり、船幽霊の名で知られます。この図鑑には船幽霊(各地)も収めています。
ほぼら火が登場する学会誌
岡山民俗
岡山民俗学会が出した雑誌です。1955年の号にほぼら火の話が載ります。
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ほぼら火についてよくある質問
ほぼら火とは何ですか。
岡山県倉敷市で、夜の海に現れたと語られる船の形の火です。
ホボラとは何ですか。
記録は幽霊のことと説明しています。
どうやって追い返したのですか。
料理していたサバをぶつけると船はおかの方へ行ったといいます。
船幽霊と同じですか。
同じたぐいの話ですが、ほぼら火は船そのものの形で現れます。
ほぼら火と併せて覚えたい言葉・用語
帆を捲く(ほをまく)
帆を巻き上げてたたむことです。
迷い火(まよいび)
行き場を失った火を指す言い方です。
おか(おか)
陸のことです。
ほぼら火の参考資料
この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。