本文へ移動

新潟県

大蟹(おおかに)とはどんな妖怪か|姿と伝承・登場する作品・伝承地域

大蟹  / オオカニ

水の妖怪 各地の伝説

新潟県妙高市で、野尻湖の主の大蛇と毎年戦うと伝えられた滝壷の大蟹。

大蟹の姿を描いた図

西城越 「妙高山(新潟県妙高市)」 2006年 / パブリックドメイン 出典

大蟹とはどんな妖怪か

大蟹はひとことで言えば、毎年戦う滝壷の主です。新潟県妙高市の話です。

国際日本文化研究センターの怪異・妖怪伝承データベースは、田中新次郎西郊民俗」(『西郊民俗』通巻18号、1961年、17頁)を典拠に、越後の妙高山と黒姫山の狭間、関川上流に「地震の滝壷」がある。そこに住む雌雄の大蟹は、信濃野尻湖の主といわれる雌雄の大蛇と毎年戦争をすると言うと記します。

どちらも雌雄そろっています。

戦う相手は信濃野尻湖の主でした。 越後と信濃の境をまたぐ話です。

大蟹の漢字表記と読み方

読みは「おおかに」です。

滝壷の名は「地震の滝壷」と記されます。 由来は書かれていません。

相手は野尻湖の大蛇です。 野尻湖は長野県にあります。

この図鑑には大蝮蛇(茨城)も収めています。そちらは松に棲む大蛇です。

大蟹(おおかに)

日文研データベースが示す表記。

地震の滝壷(じしんのたきつぼ)

大蟹が住むとされた場所の名です。

大蟹の姿と特徴

大蟹の姿は、記録に短く書かれています。

場所 … 妙高山と黒姫山の狭間、関川上流の「地震の滝壷」。
住むもの … 雌雄の大蟹。
相手 … 信濃野尻湖の主といわれる雌雄の大蛇。
すること … 毎年戦争をする。

大きさや姿かたちについての記述はありません。

大蟹の伝承記録

  1. 地震の滝壷
  2. 野尻湖の主と戦う

地震の滝壷

越後の妙高山と黒姫山の狭間、関川上流に「地震の滝壷」があります。

そこに雌雄の大蟹が住んでいます。

山と山の間の、深い滝壷です。

野尻湖の主と戦う

相手は、信濃野尻湖の主といわれる雌雄の大蛇です。

毎年戦争をするといいます。

勝ち負けは書かれていません。 繰り返されることだけが伝えられています。

大蟹の伝承地域

公的データベースの地域欄は新潟県妙高市を示します。

妙高山と黒姫山の間を関川が流れます。 野尻湖は県境を越えた長野県側にあります。

妙高市(みょうこうし)

日文研データベースが示す伝承地域

地図で開く

妙高市の所在地:新潟県妙高市

関川上流の滝壷と記されます。

滝壷の正確な位置は資料に書かれていません。

大蟹の正体と考えられているもの

大蟹は、毎年戦うとされた滝壷の主です

相手が別の水の主である点が変わっています。

土地の境をまたいで、主どうしが争う——境の意識が見えます。

この図鑑には大蝮蛇(茨城)も収めています。

大蟹が登場する作品

大蟹を単独で扱った本は見当たりません。読めるのは民俗談話会の雑誌です。

湖や淵の主は各地で語られ、蛇や蟹の姿をとります。この図鑑には大蝮蛇(茨城)も収めています。

大蟹が登場する民俗雑誌

西郊民俗

西郊民俗談話会の雑誌です。通巻18号に田中新次郎の報告が載ります。

中部の妖怪の本を探す

Amazonのアソシエイトとして、当サイトは適格販売により収入を得ています。

大蟹についてよくある質問

大蟹とは何ですか。

新潟県妙高市の関川上流、地震の滝壷に住むとされた雌雄の蟹です。

誰と戦うのですか。

信濃野尻湖の主といわれる雌雄の大蛇です。

いつ戦うのですか。

毎年戦争をすると伝えられました。

勝敗はどうなりますか。

記録に書かれていません。

大蟹と併せて覚えたい言葉・用語

関川(せきかわ)

妙高から日本海に注ぐ川です。

野尻湖(のじりこ)

長野県にある湖。主の大蛇が語られます。

滝壷(たきつぼ)

滝の落ち口の下の深み。主が住むとされました。

大蟹の参考資料

この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。

  1. 国際日本文化研究センター「大蟹,大蛇」