茨城県で、女を呑もうとして頭から火炎が立ち、退いたという松に棲む大蛇。
大蝮蛇とはどんな妖怪か
大蝮蛇はひとことで言えば、御祓いの紙に退けられた大蛇です。茨城県の話です。
国際日本文化研究センターの怪異・妖怪伝承データベースは、宮川政運「日本随筆大成第一期」(『日本随筆大成第一期』1976年)を典拠に、常陸国霞ヶ浦のある農夫の女房が、昼弁当をしたため、耕作の合間に一休みしようと、畑脇の大松に寄りかかり寝ていると、この松に棲んでいた大蝮蛇が女を呑もうとした。周りの人が見つけて、蝮蛇が呑みかかろうとするときに、女の頭から火炎が燃え立ったと記します。
火炎の元は、髪を結んでいた紙でした。
その紙は剣先御祓いの紙で、大神宮と書かれていました。
大蝮蛇の漢字表記と読み方
読みは「おおうわばみ」です。
ウワバミは大きな蛇を指します。 蝮の字が当てられていますが、大蛇の意です。
女を守ったのは剣先御祓いの紙でした。 伊勢の大神宮の名が書かれています。
大蝮蛇(おおうわばみ)
日文研データベースが示す表記。
蟒蛇(うわばみ)
大きな蛇を指す言い方です。
大蝮蛇の姿と特徴
大蝮蛇の姿は、記録に段を追って書かれています。
場所 … 常陸国霞ヶ浦。
その人 … 農夫の女房。
していたこと … 昼弁当のあと、畑脇の大松に寄りかかり寝ていた。
棲んでいたもの … 松に棲む大蝮蛇。
したこと … 女を呑もうとした。
そのとき … 女の頭から火炎が燃え立った。
助け … 周りの人が女を引き連れ退かせた。
理由 … 元結の代わりにしていた紙が、剣先御祓いの紙で、中に大神宮と書かれていた。
蛇の長さについての記述はありません。
大蝮蛇の伝承記録
松の下で眠る
農夫の女房が、昼弁当をしたため、畑脇の大松に寄りかかり寝ていました。
この松には、大蝮蛇が棲んでいました。
頭から火炎が立つ
大蝮蛇が女を呑もうとしました。
周りの人が見つけました。
呑みかかろうとするとき、女の頭から火炎が燃え立ちました。
御祓いの紙
女は目を覚まし、人々が引き連れ退かせました。
何かありがたい物を身に付けているのかと尋ねると、髪が乱れていたので、反故紙のようなもので元結の代わりにしていると答えます。
その紙を開いて見たところ、それは剣先御祓いの紙で、中に大神宮と書かれていました。
守りは、知らずに身に付けていたものでした。
大蝮蛇の伝承地域
公的データベースの地域欄は茨城県までを示します。記録の表記は常陸国霞ヶ浦です。
そのため、地図で指せるのは湖のまわりの範囲までです。
大蝮蛇の正体と考えられているもの
大蝮蛇が登場する作品
大蝮蛇を単独で扱った本は見当たりません。読めるのは江戸期の随筆を収めた叢書です。
剣先御祓いは伊勢神宮の御札で、旅や暮らしの守りとされました。この図鑑には大蟹(新潟)も収めています。
大蝮蛇が登場する随筆
日本随筆大成第一期
吉川弘文館の叢書です。宮川政運の随筆を収めます。
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大蝮蛇についてよくある質問
大蝮蛇とは何ですか。
茨城県の霞ヶ浦で、松に棲んでいたとされる大蛇です。
何が起きたのですか。
寝ていた女を呑もうとしたとき、女の頭から火炎が燃え立ったと記録されています。
なぜ火炎が立ったのですか。
髪を結んでいた紙が、大神宮と書かれた剣先御祓いの紙だったためとされます。
女はどうなりましたか。
目を覚まし、周りの人に引き連れられて退きました。
大蝮蛇と併せて覚えたい言葉・用語
ウワバミ(うわばみ)
大きな蛇を指す言い方です。
剣先御祓い(けんさきおはらい)
伊勢神宮の御札の一つです。
元結(もとゆい)
髪を束ねて結ぶための紐や紙のことです。
大蝮蛇の参考資料
この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。