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新潟県

無間の鐘(むげんのかね)とはどんな妖怪か|姿と伝承

無間の鐘  / ムゲンノカネ

器物と草木 各地の伝説

新潟県佐渡市で、すり鉢を鐘に見立てて撞いた妻の家が長者になり、墓に蛭が湧いたという話。

無間の鐘の姿を描いた図

Indiana jo 「佐渡金山 宗太夫坑(新潟県佐渡市相川)」 2021年 / CC BY-SA 4.0 出典

無間の鐘とはどんな妖怪か

無間の鐘は、見立てでも効いた鐘です。新潟県佐渡市の話です。

国際日本文化研究センターの怪異・妖怪伝承データベースは、中山太郎無間の鐘」(『旅と伝説』三元社、1935年)を典拠に、慶長の頃に但馬生まれの某人が、佐渡の相川に来て金鉱を発見し裕福になったが、すぐに逼迫して大晦日には家に居られず、山に入って鉱穴に寝ていた。一方家では妻が牡丹餅を作ろうとして餅米を搗いている内に、ふと無間の鐘の事を思い出し、すり鉢を鐘に見立てて擂り粉木で撞いたところ、その家運も立ち直り、昼夜に千貫ずつ金塊を掘り出して長者になったという。但し一代限りだったという。無間の鐘を撞いた者の墓には7代の間蛭がいるといい、この男の墓にもいたというと記します。

代金が決まっています。

富は一代限り、そして墓には七代の間蛭がいるとされました。

この図鑑には無剣の鐘(神奈川)も収めています。

無間の鐘の漢字表記と読み方

読みは「むげんのかね」です。

「無間」は仏教の無間地獄からきた言葉です。

「慶長」は西暦一五九六年から一六一五年にあたります。

「逼迫」は、暮らしが行き詰まることです。

「千貫」はおよそ三・七トンにあたる重さです。

この図鑑には無剣の鐘(神奈川)も収めています。

無間の鐘(むげんのかね)

日文研データベースが示す呼称。

無間山の鐘(むげんざんのかね)

遠江の観音寺の鐘を指す言い方です。

無間の鐘の姿と特徴

無間の鐘の話は、記録に順を追って書かれています。

いつ … 慶長の頃。
その人 … 但馬生まれの某人。
来たところ … 佐渡の相川。
したこと … 金鉱を発見して裕福になった。
そのあと … すぐに逼迫した。
大晦日 … 家に居られず、山に入って鉱穴に寝た。
一方家では … 妻が牡丹餅を作ろうとして餅米を搗いていた。
思い出したこと … 無間の鐘のこと。
したこと … すり鉢を鐘に見立てて擂り粉木で撞いた。
その結果 … 家運も立ち直り、昼夜に千貫ずつ金塊を掘り出して長者になった。
ただし … 一代限り。
墓のこと … 無間の鐘を撞いた者の墓には七代の間蛭がいる。この男の墓にもいた。

鐘そのものは出てきません。

無間の鐘の伝承記録

  1. 佐渡の相川へ
  2. 大晦日に鉱穴で寝る
  3. すり鉢を撞く
  4. 七代の蛭

佐渡の相川へ

慶長の頃に但馬生まれの某人が、佐渡の相川に来て金鉱を発見し裕福になりました。

当てたのはです。

大晦日に鉱穴で寝る

すぐに逼迫して大晦日には家に居られず、山に入って鉱穴に寝ていました。

落ちるのも早いのです。

すり鉢を撞く

妻が餅米を搗いている内に、ふと無間の鐘の事を思い出し、すり鉢を鐘に見立てて擂り粉木で撞きました。

代わりにしたのはすり鉢でした。

七代の蛭

家運も立ち直り長者になりましたが、一代限りでした。無間の鐘を撞いた者の墓には7代の間蛭がいるといい、この男の墓にもいたといいます。

払いは死んだ後まで続きます。

無間の鐘の伝承地域

公的データベースの地域欄は新潟県佐渡市を示します。

記録は相川と書き、ここには佐渡金山がありました。

相川(あいかわ)

日文研データベースが示す伝承地域

地図で開く

相川の所在地:新潟県佐渡市相川

報告は三元社の旅と伝説によります。

佐渡金山があったところです。

無間の鐘の正体と考えられているもの

無間の鐘は、富と引き換えに死後を差し出す鐘です

鐘そのものは出てきません。 語られているのは、見立てでも効いたことと、払いが墓まで続くことです。

一代限り・七代の蛭という数え方が、代金をはっきりさせています。

この図鑑には無剣の鐘(神奈川)も収めています。

無間の鐘が登場する作品

無間の鐘を単独で扱った本は見当たりません。読めるのは戦前の伝説雑誌です。

撞けば富み、死後に苦しむ鐘の話は遠江の観音寺を本家として各地に広まりました。

無間の鐘が登場する雑誌

旅と伝説

三元社が出した伝説の雑誌です。1935年の号に中山太郎の無間の鐘が載ります。

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無間の鐘についてよくある質問

無間の鐘とは何ですか。

撞けば富むが死後に苦しむとされた鐘です。佐渡ではすり鉢で代用されました。

誰が撞いたのですか。

但馬生まれの男の妻が、すり鉢を鐘に見立てて撞いたといいます。

どうなりましたか。

昼夜に千貫ずつ金塊を掘り出して長者になりましたが、一代限りでした。

蛭とは何ですか。

撞いた者の墓には七代の間、蛭がいると記録されています。

無間の鐘と併せて覚えたい言葉・用語

無間(むげん)

仏教の無間地獄からきた言葉です。

相川(あいかわ)

佐渡金山があった佐渡市の地名です。

擂り粉木(すりこぎ)

すり鉢で物をする木の棒です。

無間の鐘の参考資料

この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。

  1. 国際日本文化研究センター「無間の鐘,蛭」