奈良県吉野町の話。切ったら血が出た樫の古木。祟りで切れず、稲荷を祀ったという。

樫の木の祟りとはどんな妖怪か
樫の木の祟りは、切ると血が出た古木です。奈良県吉野郡吉野町の話です。
国際日本文化研究センターの怪異・妖怪伝承データベースは、比較民話研究会「奈良県吉野町・国栖の昔話(下)」(『昔話―研究と資料―』日本昔話学会、1992年)を典拠に、話者を辰田高義として、大きな古い樫の木があり、そこに稲荷さんが祀ってあると記します。
祀るまでのわけが続きます。
昔、その樫の木を切ったら血が出た。祟りにあい、木を切ることができなかったので、稲荷さんを祀ったのだと結ばれます。
この図鑑にはかなつぶて(奈良)も収めています。
樫の木の祟りの漢字表記と読み方
読みは「かしのきのたたり」です。
「樫」は、どんぐりのなる常緑の木です。
「国栖」は、吉野町の集落の名で、古い舞が伝わります。
「祟り」は、神仏や霊の怒りによって災いが起きることです。
この図鑑にはかなつぶて(奈良)も収めています。
樫の木の祟り(かしのきのたたり)
日文研データベースが示す呼称です。
国栖(くず)
報告の題が示す地名です。吉野町の集落の名です。
稲荷(いなり)
記録が示す神です。木のそばに祀られたと記されます。
樫の木の祟りの姿と特徴
樫の木の祟りの話は、記録に短くまとめられています。
その木 … 大きな古い樫の木。
そこにあるもの … 稲荷さん。
昔したこと … その樫の木を切った。
起きたこと(一) … 血が出た。
起きたこと(二) … 祟りにあった。
その結果 … 木を切ることができなかった。
そこでしたこと … 稲荷さんを祀った。
姿のあるものは出てきません。
樫の木の祟りの伝承記録
古い樫の木
大きな古い樫の木があります。
立っているのは昔からです。
切ると血が出た
昔、その樫の木を切ったら血が出ました。
出たのは木からです。
祟りにあう
祟りにあい、木を切ることができませんでした。
止まったのは切ることです。
稲荷を祀る
そこで稲荷さんを祀ったのだといいます。
祀ったのは木のそばです。
樫の木の祟りの伝承地域
公的データベースの地域欄は奈良県、市郡名の欄は吉野郡、区町村名の欄は吉野町を示します。
話者として辰田高義の名が記録に挙がっています。
樫の木の祟りの正体と考えられているもの
樫の木の祟りは、切ると血が出た古木です。
姿を見せるものではありません。 語られているのは、斧を入れたら血が出たことと、切るのをやめて稲荷を祀ったことです。
切れなかった木にあらためて神を祀る運びは、各地の神木にあります。
この図鑑にはかなつぶて(奈良)も収めています。
樫の木の祟りが登場する作品
この話を単独で扱った本は見当たりません。読めるのは語り手から聞き取った昔話の報告です。
切ると血が出る木の話は全国にあり、多くは切るのをやめて祀り直す結末になります。
樫の木の祟りが登場する雑誌
昔話―研究と資料―
日本昔話学会が出した雑誌です。1992年の号に吉野町の昔話が載ります。
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樫の木の祟りについてよくある質問
樫の木の祟りとは何ですか。
奈良県吉野町に伝わる、切ったら血が出たという樫の古木の話です。
木は切られたのですか。
祟りにあって切ることができなかったと記されています。
そのあとどうしましたか。
稲荷さんを祀ったといいます。
どこで語られていますか。
奈良県吉野郡吉野町の国栖です。
樫の木の祟りと併せて覚えたい言葉・用語
樫(かし)
どんぐりのなる常緑の木です。
国栖(くず)
奈良県吉野町の集落の名です。国栖奏という古い舞が伝わります。
稲荷(いなり)
穀物の実りをつかさどる神です。狐を使いとします。
樫の木の祟りの参考資料
この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。