長野県飯田市松尾町で、草履を断られ裸足で去って殺された親王。足を病む者が絶えず社に祀られた。

Junichi 「元善光寺の本堂(長野県飯田市)」 2006年 / CC BY-SA 3.0 出典
ゆきよし様とはどんな妖怪か
ゆきよし様は、足を病ませた祟りです。長野県飯田市松尾町の話です。
国際日本文化研究センターの怪異・妖怪伝承データベースは、栗山一夫「伊奈地方に於ける御霊の社」(『旅と伝説』三元社、1935年)を典拠に、宗良親王の子、尹良親王が松尾村を通る際、草履の紐が切れたので、一足譲ってくれるよう百姓に頼んだが断られ、裸足のまま去って、山中で土匪に殺された。その後、松尾村では祟りで、足を病む者が絶えなかったため、『ゆきよし様』といって社に祀られたと記します。
祟りは足に出ました。
その後、松尾村では足を病む者が絶えなかったのです。
この図鑑には足まがり(香川)も収めています。
ゆきよし様の漢字表記と読み方
読みは「ゆきよしさま」です。
「土匪」は、その土地の盗賊のことです。
「御霊」は、恨みを残して死んだ人の霊をまつったものです。
「一足」は、履き物ひとそろいのことです。
この図鑑には足まがり(香川)も収めています。
ゆきよし様(ゆきよしさま)
日文研データベースが示す呼称。
尹良親王(ゆきよししんのう)
記録が示す、祀られた人の名です。
ゆきよし様の姿と特徴
ゆきよし様の話は、記録に順を追って書かれています。
その人 … 宗良親王の子、尹良親王。
そのとき … 松尾村を通る際。
起きたこと … 草履の紐が切れた。
頼んだこと … 一足譲ってくれるよう百姓に頼んだ。
その返事 … 断られた。
したこと … 裸足のまま去った。
その後 … 山中で土匪に殺された。
村に起きたこと … 祟りで足を病む者が絶えなかった。
したこと … 『ゆきよし様』といって社に祀った。
社の場所は書かれていません。
ゆきよし様の伝承記録
草履の紐が切れる
尹良親王が松尾村を通る際、草履の紐が切れました。
切れたのは紐です。
一足を断られる
一足譲ってくれるよう百姓に頼みましたが断られました。
断られたのは履き物です。
裸足で去る
裸足のまま去って、山中で土匪に殺されました。
失われたのは命です。
足を病む村
その後、松尾村では祟りで、足を病む者が絶えなかったため、『ゆきよし様』といって社に祀られました。
病んだのは足です。
ゆきよし様の伝承地域
公的データベースの地域欄は長野県、市郡名の欄は飯田市、区町村名の欄は松尾町を示します。
論文名は伊奈地方に於ける御霊の社で、恨みを残した霊をまつる社を集めたものです。
ゆきよし様の正体と考えられているもの
ゆきよし様は、足を病ませた祟りです。
姿は出てきません。 語られているのは、何を断ったかと、どこが病んだかです。
断った履き物と、病んだ場所がどちらも足であるところが、この話の筋道です。
この図鑑には足まがり(香川)も収めています。
ゆきよし様が登場する作品
ゆきよし様を単独で扱った本は見当たりません。読めるのは戦前の伝説雑誌です。
御霊は恨みを残して死んだ人をまつったもので、災いを鎮めるために社が建てられました。
ゆきよし様が登場する雑誌
旅と伝説
三元社が出した伝説の雑誌です。1935年の号に伊奈地方に於ける御霊の社が載ります。
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ゆきよし様についてよくある質問
ゆきよし様とは何ですか。
長野県飯田市松尾町で、尹良親王をまつったという社です。
何が起きたのですか。
草履の紐が切れ、一足を頼んだが断られ、裸足で去って殺されました。
どんな祟りですか。
松尾村では足を病む者が絶えなかったといいます。
そのあとどうしましたか。
『ゆきよし様』といって社に祀りました。
ゆきよし様と併せて覚えたい言葉・用語
御霊(ごりょう)
恨みを残して死んだ人の霊をまつったものです。
土匪(どひ)
その土地の盗賊のことです。
松尾町(まつおまち)
長野県飯田市の地区の名です。
ゆきよし様の参考資料
この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。