長野県下條村の伝説。見合いを断られた姫が魂である鏡を埋め、その付近に芍薬が咲いたという。

芍薬とはどんな妖怪か
芍薬はひとことで言えば、埋めた鏡から咲いた花です。長野県下伊那郡下條村の話です。
国際日本文化研究センターの怪異・妖怪伝承データベースは、原董「下条村の伝説」(『伊那』32巻1号・通巻668号、伊那史学会、1984年、28〜29頁)を典拠に、見合いをする相手を待っていた姫の元に、その見合いに危険を感じた相手が断りを入れてきた。悲しんだ姫は、いつか2人は結ばれるだろうと言って、魂である鏡を埋めていった。その後その付近には芍薬が咲いたと記します。
鏡は、姫の魂とされています。
それを埋めた場所に、芍薬が咲きました。
相手が断った理由は、その見合いに危険を感じたためと記されます。
芍薬の漢字表記と読み方
読みは「しゃくやく」です。
芍薬は、初夏に大きな花を開く草です。「立てば芍薬」の言葉でも知られ、美しい女性のたとえに使われます。
この伝説でも、姫と結び付いて咲いています。
報告の題は「下条村の伝説」で、村に伝わる話をまとめた記事です。
芍薬(しゃくやく)
日文研データベースが示す漢字表記。
シャクヤク(しゃくやく)
同データベースの呼称読み。
芍薬の姿と特徴
この伝説に妖怪の姿はありません。記録にあるのは、鏡と花です。
始まり … 姫が見合いの相手を待っていた。
断り … 相手がその見合いに危険を感じ、断りを入れてきた。
姫の言葉 … いつか2人は結ばれるだろう。
したこと … 魂である鏡を埋めていった。
その後 … その付近に芍薬が咲いた。
姫の霊が現れたという記述はありません。
芍薬の伝承記録
断られた見合い
姫は、見合いの相手を待っていました。
しかし相手は、その見合いに危険を感じました。
どんな危険かは書かれていません。
そして、断りを入れてきました。
姫は悲しみます。
それでも、こう言いました。 いつか2人は結ばれるだろう。
鏡を埋め、花が咲く
姫は、魂である鏡を埋めていきました。
鏡を魂とみる考え方は古くからあります。神社の御神体が鏡であることも珍しくありません。
そして、その付近に芍薬が咲きました。
花は、埋めた鏡の印になっています。
この図鑑には、三重のシダレ桜の灯りも収めています。 草木が、人の出来事を覚えているという語り方です。
芍薬の伝承地域
公的データベースの地域欄は長野県下伊那郡下條村を示します。
鏡を埋めた場所は書かれていないため、地図で指せるのは村の範囲までです。
芍薬の正体と考えられているもの
この伝説に妖怪は出てきません。語られているのは、果たされなかった約束です。
鏡は、姫の魂とされます。 埋めることで、その場に思いを残したことになります。
咲いた芍薬は、姫の言葉のしるしとして語られています。
「いつか2人は結ばれるだろう」という言葉は、果たされたかどうか書かれていません。
残ったのは、花と場所の記憶です。
芍薬が記録された資料
この伝説を単独で扱った本は見当たりません。読めるのは『伊那』の記事です。
伊那史学会が出す雑誌で、南信州の伝説や歴史を数多く載せています。村の伝説をまとめた記事です。
芍薬が記録された民俗資料
下条村の伝説
原董が『伊那』32巻1号(1984年)に載せた中心資料です。
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芍薬についてよくある質問
芍薬の伝説とは何ですか。
長野県下條村の話です。見合いを断られた姫が魂である鏡を埋め、その付近に芍薬が咲いたと伝えられます。
なぜ断られたのですか。
相手がその見合いに危険を感じたためと記録されています。
鏡とは何ですか。
姫の魂とされたものです。鏡を魂とみる考え方は古くからあります。
姫は何と言ったのですか。
いつか2人は結ばれるだろう、と言って鏡を埋めたと記録されています。
芍薬と併せて覚えたい言葉・用語
芍薬(しゃくやく)
初夏に大きな花を開く草。美しい女性のたとえに使われます。
伊那(いな)
伊那史学会が出す雑誌。この記録が載りました。
御神体(ごしんたい)
神が宿るとされるもの。鏡であることも珍しくありません。
芍薬の参考資料
この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。