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長野県

芍薬(しゃくやく)とはどんな妖怪か|姿と伝承・登場する作品・伝承地域

芍薬  / シャクヤク

器物と草木 各地の伝説

長野県下條村の伝説。見合いを断られた姫が魂である鏡を埋め、その付近に芍薬が咲いたという。

芍薬の姿を描いた図

ブルーノ・プラス 「サンモリーユ下條(長野県下條村)」 2024年 / CC BY 出典

芍薬とはどんな妖怪か

芍薬はひとことで言えば、埋めた鏡から咲いた花です。長野県下伊那郡下條村の話です。

国際日本文化研究センターの怪異・妖怪伝承データベースは、原董下条村の伝説」(『伊那』32巻1号・通巻668号、伊那史学会、1984年、28〜29頁)を典拠に、見合いをする相手を待っていた姫の元に、その見合いに危険を感じた相手が断りを入れてきた。悲しんだ姫は、いつか2人は結ばれるだろうと言って、魂である鏡を埋めていった。その後その付近には芍薬が咲いたと記します。

鏡は、姫の魂とされています。

それを埋めた場所に、芍薬が咲きました

相手が断った理由は、その見合いに危険を感じたためと記されます。

芍薬の漢字表記と読み方

読みは「しゃくやく」です。

芍薬は、初夏に大きな花を開く草です「立てば芍薬」の言葉でも知られ、美しい女性のたとえに使われます。

この伝説でも、姫と結び付いて咲いています

報告の題は「下条村の伝説」で、村に伝わる話をまとめた記事です

芍薬(しゃくやく)

日文研データベースが示す漢字表記。

シャクヤク(しゃくやく)

同データベースの呼称読み。

芍薬の姿と特徴

この伝説に妖怪の姿はありません。記録にあるのは、鏡と花です。

始まり … 姫が見合いの相手を待っていた。
断り … 相手がその見合いに危険を感じ、断りを入れてきた。
姫の言葉 … いつか2人は結ばれるだろう。
したこと … 魂である鏡を埋めていった。
その後 … その付近に芍薬が咲いた。

姫の霊が現れたという記述はありません。

芍薬の伝承記録

  1. 断られた見合い
  2. 鏡を埋め、花が咲く

断られた見合い

姫は、見合いの相手を待っていました。

しかし相手は、その見合いに危険を感じました

どんな危険かは書かれていません。

そして、断りを入れてきました

姫は悲しみます。

それでも、こう言いました。 いつか2人は結ばれるだろう

鏡を埋め、花が咲く

姫は、魂である鏡を埋めていきました

鏡を魂とみる考え方は古くからあります。神社の御神体が鏡であることも珍しくありません。

そして、その付近に芍薬が咲きました

花は、埋めた鏡の印になっています。

この図鑑には、三重のシダレ桜の灯りも収めています。 草木が、人の出来事を覚えているという語り方です。

芍薬の伝承地域

公的データベースの地域欄は長野県下伊那郡下條村を示します。

鏡を埋めた場所は書かれていないため、地図で指せるのは村の範囲までです。

下條村(しもじょうむら)

日文研データベースが示す伝承地域

地図で開く

下條村の所在地:長野県下伊那郡下條村

報告は「下条村の伝説」によります。

鏡を埋めた場所は資料に書かれていません。

芍薬の正体と考えられているもの

この伝説に妖怪は出てきません。語られているのは、果たされなかった約束です。

鏡は、姫の魂とされます。 埋めることで、その場に思いを残したことになります。

咲いた芍薬は、姫の言葉のしるしとして語られています

「いつか2人は結ばれるだろう」という言葉は、果たされたかどうか書かれていません

残ったのは、花と場所の記憶です。

芍薬が記録された資料

この伝説を単独で扱った本は見当たりません。読めるのは『伊那』の記事です。

伊那史学会が出す雑誌で、南信州の伝説や歴史を数多く載せています。村の伝説をまとめた記事です。

芍薬が記録された民俗資料

下条村の伝説

原董が『伊那』32巻1号(1984年)に載せた中心資料です。

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芍薬についてよくある質問

芍薬の伝説とは何ですか。

長野県下條村の話です。見合いを断られた姫が魂である鏡を埋め、その付近に芍薬が咲いたと伝えられます。

なぜ断られたのですか。

相手がその見合いに危険を感じたためと記録されています。

鏡とは何ですか。

姫の魂とされたものです。鏡を魂とみる考え方は古くからあります。

姫は何と言ったのですか。

いつか2人は結ばれるだろう、と言って鏡を埋めたと記録されています。

芍薬と併せて覚えたい言葉・用語

芍薬(しゃくやく)

初夏に大きな花を開く草。美しい女性のたとえに使われます。

伊那(いな)

伊那史学会が出す雑誌。この記録が載りました。

御神体(ごしんたい)

神が宿るとされるもの。鏡であることも珍しくありません。

芍薬の参考資料

この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。

  1. 国際日本文化研究センター「芍薬」