宮城県仙台市で、殺された鶏が住職の夢に立ち、飼猫の毒殺を告げたという。

ジダネ 「大崎八幡宮の拝殿(宮城県仙台市青葉区八幡)」 2007年 / パブリックドメイン 出典
鶏塚とはどんな妖怪か
鶏塚はひとことで言えば、殺されてから家を救った鶏です。宮城県仙台市の話です。
国際日本文化研究センターの怪異・妖怪伝承データベースは、夏堀謹二郎「「鶏塚」の伝説と「猫と南瓜」の昔話(上)」(『東北民俗』通巻7号、1972年、24頁)を典拠に、檀家で飼われていたが宵鳴きがうるさいと殺された鶏が、寺の住職の夢で「その家の飼猫が主人たちを毒殺しようとしている」と告げた。住職が檀家にそれを告げると、猫が汁鍋の上を通り過ぎたとき尻尾からしずくがおちた。跡をつけると、竹の切り株に毒物が蓄えられていたと記します。
「宵鳴き」は夜のうちに鳴くことです。時ならぬ鳴き方は嫌われました。
殺された鶏が、その家を助けています。
恨みで祟る話とは、向きが逆です。
鶏塚の漢字表記と読み方
読みは「にわとりづか」です。
「宵鳴き」は夜のうちに鳴くことです。鶏は夜明けに鳴くものとされ、時ならぬ鳴き方は不吉とされました。
報告の題は「「鶏塚」の伝説と「猫と南瓜」の昔話」です。
鶏塚(にわとりづか)
日文研データベースが示す表記。
宵鳴き(よいなき)
夜のうちに鳴くこと。殺された理由です。
鶏塚の姿と特徴
この記録に妖怪の姿はありません。あるのは、夢の告げです。
殺された鶏 … 檀家で飼われていた。宵鳴きがうるさいと殺された。
現れた先 … 寺の住職の夢。
告げたこと … その家の飼猫が主人たちを毒殺しようとしている。
確かめ方 … 猫が汁鍋の上を通り過ぎたとき、尻尾からしずくがおちた。
跡をつけて分かったこと … 竹の切り株に毒物が蓄えられていた。
鶏の姿がどう見えたかは書かれていません。
鶏塚の伝承記録
住職の夢に立つ
檀家で飼われていた鶏が、宵鳴きがうるさいと殺されました。
そして、寺の住職の夢に現れます。
その家の飼猫が主人たちを毒殺しようとしていると告げました。
告げた先が飼い主ではなく、寺の住職である点が目を引きます。
訴えを取り次ぐ役が要るという考え方がうかがえます。
尻尾からしずくが落ちる
住職が檀家にそれを告げました。
猫が汁鍋の上を通り過ぎたとき、尻尾からしずくがおちました。
跡をつけると、竹の切り株に毒物が蓄えられていました。
猫は、尻尾に毒を含ませて運んでいたことになります。
この図鑑には化け猫、猫又も収めています。
鶏塚の伝承地域
公的データベースの地域欄は宮城県仙台市を示します。
塚や寺の位置は書かれていないため、地図で指せるのは市の範囲までです。
鶏塚の正体と考えられているもの
この記録に妖怪は出てきません。語られているのは、殺された鶏の知らせです。
恨みで祟るのではなく、家を救っています。
それでも、殺されたことが話の始まりにあります。
猫の側は、害をなす者として描かれます。この図鑑には化け猫、猫又も収めています。
報告の題は「猫と南瓜」の昔話とも並べられており、同じ型の話が複数あることがうかがえます。
鶏塚が記録された資料
鶏塚を単独で扱った本は見当たりません。読めるのは『東北民俗』の記事です。
題に「(上)」とあるとおり、続きのある報告です。猫が家人を害そうとする話は各地にあり、この図鑑には化け猫も収めています。
鶏塚が記録された民俗資料
「鶏塚」の伝説と「猫と南瓜」の昔話(上)
夏堀謹二郎が『東北民俗』通巻7号(1972年)に載せた中心資料です。
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鶏塚についてよくある質問
鶏塚とは何ですか。
宮城県仙台市の話です。殺された鶏が住職の夢に立ち、飼猫の毒殺を告げたと伝わります。
なぜ鶏は殺されたのですか。
宵鳴きがうるさいと言われたためと記録されています。
どうやって猫の企みが分かったのですか。
猫が汁鍋の上を通ったとき尻尾からしずくが落ち、跡をつけると竹の切り株に毒物が蓄えられていました。
なぜ住職の夢だったのですか。
記録に理由は書かれていません。
鶏塚と併せて覚えたい言葉・用語
宵鳴き(よいなき)
夜のうちに鳴くこと。時ならぬ鳴き方は嫌われました。
檀家(だんか)
寺に属し、葬儀や法要を託す家です。
東北民俗(とうほくみんぞく)
東北の民俗誌。この記録が載りました。
鶏塚の参考資料
この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。