宮城県白石市で、棟上げのときに納めると変事がやんだという娘の人形。

Soica2001 「白石城(宮城県白石市)」 2008年 / パブリックドメイン 出典
棟上雛とはどんな妖怪か
棟上雛はひとことで言えば、建物に納める人形です。宮城県白石市の話です。
国際日本文化研究センターの怪異・妖怪伝承データベースは、片倉信光「お七夜雛,閑所雛,棟上雛」(『民間伝承』37巻2号、1973年、84頁)を典拠に、昔、飛騨の工匠が大工事で失敗し悩んでいるところに娘が知恵を出し、建物は無事完成した。工匠は教えられたことを恥として娘を殺し、以後、工匠が作る建物には必ず変事が起きた。そこで棟上の時、娘の人形を納めることにすると怪異はやんだ。これが棟上雛の由来であると記します。
恥じたのは、教えられたことです。
助けられたのに、恥として殺しています。 その後の変事は、建物のほうに出ました。
棟上雛の漢字表記と読み方
読みは「むねあげびな」です。
棟上げは、家の骨組みを組み上げて棟木をあげることをいいます。 今も上棟式を行います。
飛騨の工匠は、腕のよい大工の代名詞として語られました。
この図鑑には雛人形(香川)も収めています。どちらも人形に心が宿る話です。
棟上雛(むねあげびな)
日文研データベースが示す呼称。
飛騨の工匠(ひだのたくみ)
記録が示す大工の呼び名です。
棟上雛の姿と特徴
棟上雛に姿はありません。記録にあるのは、由来と決まりです。
もとの人 … 飛騨の工匠。
困ったこと … 大工事で失敗し悩んでいた。
助けた人 … 娘。
その結果 … 建物は無事完成した。
工匠がしたこと … 教えられたことを恥として娘を殺した。
その後 … 工匠が作る建物には必ず変事が起きた。
棟上の時に娘の人形を納めると、怪異はやみました。
棟上雛の伝承記録
娘が知恵を出す
昔、飛騨の工匠が大工事で失敗し悩んでいるところに、娘が知恵を出しました。
建物は無事完成しました。
恥として殺す
工匠は教えられたことを恥として、娘を殺しました。
以後、工匠が作る建物には必ず変事が起きました。
祟ったのは人ではなく、建物でした。
人形を納める
そこで棟上の時、娘の人形を納めることにすると、怪異はやみました。
これが棟上雛の由来です。
建物の中に、娘の形を入れています。
棟上雛の伝承地域
公的データベースの地域欄は宮城県白石市を示します。
白石市は蔵王のふもとにあたり、白石城の城下町です。
棟上雛の正体と考えられているもの
棟上雛は、建物を静める人形です。
祟りという語は使われていません。 記されているのは、変事が起きたことと、怪異はやんだことです。
それでも、納める場面まで決まっています。
この図鑑には雛人形(香川)も収めています。
棟上雛が登場する作品
棟上雛を単独で扱った本は見当たりません。読めるのは学会誌です。
大工と娘の話は各地にあり、建物に人形を納める習わしと結び付きます。この図鑑には雛人形(香川)も収めています。
棟上雛が登場する学会誌
民間伝承
六人社の学会誌です。1973年の号に片倉信光の論考が載ります。
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棟上雛についてよくある質問
棟上雛とは何ですか。
宮城県白石市で、棟上げのときに建物に納めるとされた娘の人形です。
なぜ納めますか。
殺された娘のために起きた変事を止めるためと記録されています。
娘は何をしましたか。
大工事で悩む飛騨の工匠に知恵を出したとされます。
その後どうなりましたか。
人形を納めると怪異はやんだと記されています。
棟上雛と併せて覚えたい言葉・用語
棟上げ(むねあげ)
家の骨組みを組み、棟木をあげることです。
工匠(こうしょう)
大工や職人のことです。
白石市(しろいしし)
宮城県南部の市。蔵王のふもとです。
棟上雛の参考資料
この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。