熊本県人吉市で、人身御供を求めたところ、通りかかった宮本武蔵に打ち倒されたという化物。

STA3816 「人吉の球磨川(熊本県人吉市)」 2014年 / CC BY-SA 4.0 出典
モグラの化物とはどんな妖怪か
モグラの化物は、打ち棒で倒された化物です。熊本県人吉市の話です。
国際日本文化研究センターの怪異・妖怪伝承データベースは、『伝承文化』(成城大学民俗学研究所、1976年)所載の「熊本県人吉市調査報告」を典拠に、モグラが悪魔になって人をとったので、子供を人身御供に上げることになった。そこへ宮本武蔵が通りかかり、娘の代わりにワラ人形をつくり、モグラ打ち棒を作って観音堂で待っていると、モグラのバケモノが出てきたので、それを打ち倒したと記します。
道具が名を持っています。
武蔵が作ったのはモグラ打ち棒でした。
モグラの化物の漢字表記と読み方
読みは「もぐらのばけもの」です。
「人身御供」は、神への供え物として人を差し出すことです。
「モグラ打ち」は、小正月にモグラを追う行事の名でもあります。
宮本武蔵は江戸初期の剣術家で、晩年は熊本にいました。
モグラの化物(もぐらのばけもの)
日文研データベースが示す呼称。
モグラ打ち棒(もぐらうちぼう)
記録が示す、倒した道具の名です。
モグラの化物の姿と特徴
モグラの化物の話は、記録に順を追って書かれています。
そのもの … 悪魔になったモグラ。
したこと … 人をとった。
村のしたこと … 子供を人身御供に上げることになった。
通りかかった人 … 宮本武蔵。
したこと(一) … 娘の代わりにワラ人形をつくった。
したこと(二) … モグラ打ち棒を作った。
したこと(三) … 観音堂で待った。
現れたもの … モグラのバケモノ。
その結果 … 打ち倒した。
化物の大きさは書かれていません。
モグラの化物の伝承記録
人をとるモグラ
モグラが悪魔になって人をとりました。
もとはモグラです。
人身御供
子供を人身御供に上げることになりました。
差し出すのは子どもでした。
武蔵が通りかかる
そこへ宮本武蔵が通りかかり、娘の代わりにワラ人形をつくり、モグラ打ち棒を作りました。
替え玉はワラ人形です。
観音堂で待つ
観音堂で待っていると、モグラのバケモノが出てきたので、それを打ち倒しました。
倒したのは待ち伏せでした。
モグラの化物の伝承地域
公的データベースの地域欄は熊本県人吉市を示し、上永野町・下永野町を挙げています。
この図鑑には同じ熊本の飯杓子も収めています。
モグラの化物の正体と考えられているもの
モグラの化物は、人身御供を求めて倒された化物です。
逃げてはいません。 語られているのは、人をとったことと、武蔵に打ち倒されたことです。
小正月のモグラ打ちの行事と結びついた由来話と読めます。
この図鑑には飯杓子(熊本)も収めています。
モグラの化物が登場する作品
モグラの化物を単独で扱った本は見当たりません。読めるのは大学の民俗学研究所の報告書です。
人身御供を求める怪物を武人が退治する話は各地にあり、猿神退治の型として知られます。
モグラの化物が登場する報告書
伝承文化
成城大学民俗学研究所が出した報告です。1976年の号に熊本県人吉市調査報告が載ります。
Amazonのアソシエイトとして、当サイトは適格販売により収入を得ています。
モグラの化物についてよくある質問
モグラの化物とは何ですか。
熊本県人吉市で、悪魔になって人をとったと語られるモグラです。
誰が倒したのですか。
通りかかった宮本武蔵と記録されています。
どう倒したのですか。
ワラ人形を替え玉にし、モグラ打ち棒を作って観音堂で待ったといいます。
人身御供とは何ですか。
神への供え物として人を差し出すことです。
モグラの化物と併せて覚えたい言葉・用語
人身御供(ひとみごくう)
神への供え物として人を差し出すことです。
モグラ打ち(もぐらうち)
小正月にモグラを追う行事です。
宮本武蔵(みやもとむさし)
江戸初期の剣術家。晩年は熊本にいました。
モグラの化物の参考資料
この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。