高知県四万十市の宮。乳母と幼児が殺された谷で、合祀されると再び変化が現れた。

京浜にけ 「四万十川と岩間沈下橋(高知県四万十市)」 2008年 / CC BY-SA 3.0 出典
乳母御前さまとはどんな妖怪か
乳母御前さまは、谷にまつられた乳母です。高知県四万十市の話です。
国際日本文化研究センターの怪異・妖怪伝承データベースは、嶋原茂「怨念の民話」(『季刊民話』一声社、1975年)を典拠に、乳母ん谷は、昔この地へ逃げてきた乳母と幼児が平家の残党狩りに殺された所。それ以降変化に悩まされた村人は、乳母御前さまというお宮を建てたと記します。
移したらまた出ました。
しかし乳母御前さまが合祀されると、再び人声や馬の蹄の音、白装束の女が現れるといった変化に悩まされるといいます。
この図鑑には鍛冶ヶ野の蛇(高知)も収めています。
乳母御前さまの漢字表記と読み方
読みは「うばごぜんさま」です。
「乳母」は、母に代わって子を育てる女の人です。
「合祀」は、別の社の神をひとつの社にあわせてまつることです。
「変化」は、怪しいものが現れることをいいます。
この図鑑には鍛冶ヶ野の蛇(高知)も収めています。
乳母御前さま(うばごぜんさま)
日文研データベースが示す呼称です。
乳母ん谷(うばんたに)
記録が示す、殺された場所の名です。
乳母御前さまの姿と特徴
乳母御前さまの話は、記録に順を追って書かれています。
その場所 … 乳母ん谷。
逃げてきた人 … 乳母と幼児。
その末 … 平家の残党狩りに殺された。
それ以降 … 村人は変化に悩まされた。
したこと … 乳母御前さまというお宮を建てた。
その後のこと … 乳母御前さまが合祀された。
再び現れたもの(一) … 人声。
再び現れたもの(二) … 馬の蹄の音。
再び現れたもの(三) … 白装束の女。
女の顔かたちは書かれていません。
乳母御前さまの伝承記録
乳母ん谷
乳母ん谷は、昔この地へ逃げてきた乳母と幼児が平家の残党狩りに殺された所です。
起きたのは谷でです。
変化に悩まされる
それ以降村人は変化に悩まされました。
続いたのは怪しいことです。
お宮を建てる
村人は乳母御前さまというお宮を建てました。
建てたのはまつる場です。
合祀のあと
しかし乳母御前さまが合祀されると、再び人声や馬の蹄の音、白装束の女が現れるといった変化に悩まされるといいます。
戻ったのは移してからです。
乳母御前さまの伝承地域
公的データベースの地域欄は高知県、市郡名の欄は四万十市を示します。
報告の題は怨念の民話で、恨みにまつわる話を集めたものです。
乳母御前さまの正体と考えられているもの
乳母御前さまは、谷にまつられた乳母です。
もとは人です。 語られているのは、まつってからいったん収まったことと、合祀のあとにまた現れたことです。
社をまとめると元の場を離れてしまうという受け止め方が、この話の背にあります。
この図鑑には鍛冶ヶ野の蛇(高知)も収めています。
乳母御前さまが登場する作品
乳母御前さまを単独で扱った本は見当たりません。読めるのは戦後の民話雑誌です。
社を合祀したら祟りが戻る話は各地にあり、明治の神社整理のあとに多く語られました。
乳母御前さまが登場する雑誌
季刊民話
一声社が出した雑誌です。1975年の号に怨念の民話が載ります。
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乳母御前さまについてよくある質問
乳母御前さまとは何ですか。
高知県四万十市の乳母ん谷にまつられた、乳母の宮です。
なぜまつったのですか。
乳母と幼児が殺されたのち、村人が変化に悩まされたためです。
合祀するとどうなりましたか。
人声や馬の蹄の音、白装束の女が再び現れたといいます。
合祀とは何ですか。
別の社の神をひとつの社にあわせてまつることです。
乳母御前さまと併せて覚えたい言葉・用語
乳母(うば)
母に代わって子を育てる女の人です。
合祀(ごうし)
別の社の神をひとつの社にあわせてまつることです。
四万十市(しまんとし)
高知県の西部にある市です。
乳母御前さまの参考資料
この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。