神奈川県川崎市で、子の火傷を防いで団子を荒神に供え、また松明を持って家を回ったという老婆。

Op.homata 「日枝神社の社殿(神奈川県川崎市)」 2023年 / CC BY-SA 4.0 出典
ミカワリバアサンとはどんな妖怪か
ミカワリバアサンはひとことで言えば、火にまつわる老婆です。神奈川県川崎市の話です。
国際日本文化研究センターの怪異・妖怪伝承データベースは、小島珱礼「三隣亡のこと」(『民俗』相模民俗学会、1957年)を典拠に、川崎市各地に、ミカアリバアサン(ミカワリバアサン、ミカワリバアサマ、ミカリバアサマ)の伝承がある。火に当たる子どもたちの子守りをしていた際、子供が火傷をしないように、土穂の団子を作って荒神様に供えたという。また、亡くした3人の息子を探そうと、タイマツをつけて家の周りを回っていると、家が火事になってしまったというと記します。
二つの話が並んでいます。
一つは火傷を防いだ話、もう一つは火事を起こしてしまった話です。
この図鑑には一つ目小僧(各地)も収めています。
ミカワリバアサンの漢字表記と読み方
読みは「みかわりばあさん」です。
「荒神」は、かまどをまもる神です。
「土穂」は、実の入らない稲穂を指す言い方です。
「タイマツ」は、火をともして持ち歩く木のたばです。
この図鑑には一つ目小僧(各地)も収めています。どちらも十二月八日ごろに語られるものです。
ミカワリバアサン(みかわりばあさん)
日文研データベースが示す呼称。
ミカリバアサマ(みかりばあさま)
記録が並べている言い方の一つです。
ミカワリバアサマ(みかわりばあさま)
記録が並べている言い方の一つです。
ミカワリバアサンの姿と特徴
ミカワリバアサンの話は、記録に二つ並べて書かれています。
呼び名 … ミカアリバアサン、ミカワリバアサン、ミカワリバアサマ、ミカリバアサマ。
伝わるところ … 川崎市各地。
話(一)していたこと … 火に当たる子どもたちの子守り。
その心づかい … 子供が火傷をしないように。
したこと … 土穂の団子を作って荒神様に供えた。
話(二)探したもの … 亡くした三人の息子。
したこと … タイマツをつけて家の周りを回った。
その結果 … 家が火事になってしまった。
老婆の姿かたちは書かれていません。
ミカワリバアサンの伝承記録
川崎市各地に伝わる
川崎市各地に、ミカアリバアサン(ミカワリバアサン、ミカワリバアサマ、ミカリバアサマ)の伝承があります。
呼び名がいくつもあります。
火傷をさせない
火に当たる子どもたちの子守りをしていた際、子供が火傷をしないように、土穂の団子を作って荒神様に供えたといいます。
供えたのはかまどの神にです。
三人の息子を探す
亡くした3人の息子を探そうと、タイマツをつけて家の周りを回りました。
持ったのは火でした。
家が火事になる
回っていると、家が火事になってしまったといいます。
探す火が焼く火になりました。
ミカワリバアサンの伝承地域
公的データベースの地域欄は神奈川県川崎市を示します。
記録は川崎市各地に伝わると書いています。
ミカワリバアサンの正体と考えられているもの
ミカワリバアサンは、火とともに語られる老婆です。
まもる話と、焼く話の両方があります。 同じ一人が、火傷を防ぎ、火事を起こすと語られています。
十二月八日ごろに家をまわるものとして、一つ目小僧と同じ季節に語られます。
この図鑑には一つ目小僧(各地)も収めています。
ミカワリバアサンが登場する作品
ミカワリバアサンを単独で扱った本は見当たりません。読めるのは相模の民俗学会の雑誌です。
十二月八日ごろに家をまわるものの話は関東に広く分布し、一つ目小僧などの名でも語られます。
ミカワリバアサンが登場する学会誌
民俗
相模民俗学会が出した雑誌です。1957年の号に三隣亡のことが載ります。
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ミカワリバアサンについてよくある質問
ミカワリバアサンとは何ですか。
神奈川県川崎市各地に伝わる、火とともに語られる老婆です。
呼び名はいくつありますか。
ミカアリバアサン、ミカワリバアサマ、ミカリバアサマなどと記録されています。
何をしたのですか。
子の火傷を防いで団子を荒神に供えたという話と、松明を持って回り家を焼いたという話があります。
荒神とは何ですか。
かまどをまもる神です。
ミカワリバアサンと併せて覚えたい言葉・用語
荒神(こうじん)
かまどをまもる神です。
土穂(つちほ)
実の入らない稲穂を指す言い方です。
三隣亡(さんりんぼう)
建築を忌むとされた日のことです。
ミカワリバアサンの参考資料
この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。