鹿児島県宇検村の炭焼き小屋で、足の長い人が大勢で火にあたっていたという。

Waka77 「阿室の入江(鹿児島県大島郡宇検村阿室)」 2015年 / パブリックドメイン 出典
足の長い人とはどんな妖怪か
足の長い人はひとことで言えば、人の火にあたりに来たものです。鹿児島県大島郡宇検村の話です。
国際日本文化研究センターの怪異・妖怪伝承データベースは、先田光演「ケンムンの話」(『奄美民俗ノート』1号、1992年、6頁)を典拠に、炭焼き小屋で寝ていたら、人の話し声が聞こえた。そっと見ると、足の長い人が大勢、膝をかかえながら火にあたっていた。怖くなって寝ていると、いつの間にかいなくなったと記します。
報告の題は「ケンムンの話」です。 ケンムンは奄美に伝わる妖怪で、この図鑑にも収めています。
足の長い人が何者かは書かれていません。 大勢いたこと、膝をかかえて火にあたっていたことが記録の中心です。
襲われてはいません。
足の長い人の漢字表記と読み方
読みは「あしのながいひと」です。
特徴をそのまま並べた呼び方です。土地で固有の名が付いた形としては記録されていません。
手長足長のように、手足の長さで呼ばれる怪異は各地にあります。奄美のこの記録では、足の長さだけが挙げられています。
足の長い人(あしのながいひと)
日文研データベースが示す表記。
アシノナガイヒト(あしのながいひと)
同データベースの呼称読み。
足の長い人の姿と特徴
足の長い人の姿は、記録の一語に尽きます。
姿 … 足が長い。人のかたち。
数 … 大勢。
動き … 膝をかかえて火にあたる。
声 … 人の話し声。
去り方 … いつの間にかいなくなった。
顔つき、服、背丈は書かれていません。
膝をかかえるという座り方まで記録されている点が具体的です。
足の長い人の伝承記録
炭焼き小屋の火にあたる
炭焼き小屋は、山で炭を焼くための仮の小屋です。火を絶やさないため、人が泊まり込みます。
そこで寝ていると、人の話し声が聞こえました。
そっと見ると、足の長い人が大勢、膝をかかえながら火にあたっていました。
山の火のまわりに、知らないものが集まっている。 火が人以外のものを呼ぶという形です。
見ても、何も起きない
見た人は怖くなって寝ていました。
そしていつの間にかいなくなっていました。
居合わせただけで、襲われも話しかけられもしていません。
報告の題は「ケンムンの話」で、奄美の妖怪ケンムンを聞き書きした中に置かれています。
足の長い人とケンムンの関係は、記録に書かれていません。
足の長い人の伝承地域
公的データベースの地域欄は鹿児島県大島郡宇検村を示します。宇検村は奄美大島にあります。
小屋の位置は書かれていないため、地図で指せるのは村の範囲までです。
宇検村周辺(うけんそんしゅうへん)
日文研データベースが示す伝承地域
宇検村周辺の所在地:鹿児島県大島郡宇検村
『奄美民俗ノート』の報告地域に対応します。
炭焼き小屋の位置は資料に書かれていません。
足の長い人の正体と考えられているもの
足の長い人の正体は分かっていません。
ケンムンの話を集めた報告の中にありますが、同じものだとは書かれていません。
大勢で火にあたるという振る舞いから、人の暮らしのそばにいるものとして語られていたことが分かります。
害を加えていません。 見た人が黙って寝ていたら、いつの間にか消えていました。
足の長い人が記録された資料
足の長い人を単独で扱った本は見当たりません。読めるのは『奄美民俗ノート』の記事です。
題にあるケンムンは奄美を代表する妖怪で、この図鑑にも収めています。奄美の聞き書きは、島ごとに刊行物があります。
足の長い人が記録された民俗資料
ケンムンの話
先田光演が『奄美民俗ノート』1号(1992年)に載せた中心資料です。
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足の長い人についてよくある質問
足の長い人とは何ですか。
鹿児島県宇検村の炭焼き小屋で見られたという怪異です。足の長い人が大勢、膝をかかえて火にあたっていたと記録されています。
襲われたのですか。
襲われていません。怖くなって寝ていると、いつの間にかいなくなったと記録されています。
ケンムンと同じですか。
同じだとは書かれていません。ケンムンの聞き書きの中に置かれた話です。
姿は詳しく分かりますか。
足が長いこと、大勢いたこと、膝をかかえていたこと以外は記録されていません。
足の長い人と併せて覚えたい言葉・用語
炭焼き小屋(すみやきごや)
山で炭を焼くための仮の小屋。泊まり込みで火を守ります。
ケンムン(けんむん)
奄美に伝わる妖怪。報告の題に使われています。
宇検村(うけんそん)
奄美大島の村。この話の伝承地域です。
足の長い人の参考資料
この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。