香川県仲多度郡で、夜の窓から出て「これを見ろ」と言ったという大きな腕。

Pikawan 「ひまわりの里まんのう(香川県仲多度郡まんのう町)」 2014年 / CC BY-SA 4.0 出典
片腕とはどんな妖怪か
片腕はひとことで言えば、切られて止んだ夜の腕です。香川県仲多度郡の話です。
国際日本文化研究センターの怪異・妖怪伝承データベースは、和気周一「眞野聞書」(『讃岐民俗』通巻2号、1939年、4頁)を典拠に、夜になると窓から大きな片腕を出して「これを見ろ」と言う。そのためか、その家の女が2、3人死んだ。後に別の女が刀でその腕を切ると、手応えはあったが何も落ちてはいなかった。以後そのようなことは起きなくなったと記します。
腕は声を出しています。 「これを見ろ」という言葉が記されています。
切ったのは別の女でした。 手応えはあったのに、何も落ちていません。
片腕の漢字表記と読み方
読みは「かたうで」です。
固有の名は付いていません。 見たままが呼び名になっています。
同じ讃岐の聞書には、眞野の名が題に見えます。
この図鑑には背の高いもの(香川)も収めています。そちらも夜に現れる影です。
片腕(かたうで)
日文研データベースが示す表記。
大きな片腕(おおきなかたうで)
記録の本文の言い方です。
片腕の姿と特徴
片腕の姿は、記録に段を追って書かれています。
現れる時 … 夜。
出た場所 … 窓。
姿 … 大きな片腕。
言った言葉 … これを見ろ。
起きたこと … その家の女が2、3人死んだ。
対処 … 別の女が刀でその腕を切った。
そのとき … 手応えはあったが、何も落ちてはいなかった。
その後 … そのようなことは起きなくなった。
顔や体についての記述はありません。 見えたのは腕だけです。
片腕の伝承記録
窓から腕が出る
夜になると、窓から大きな片腕を出しました。
「これを見ろ」と言いました。
見せることが、この腕のすることでした。
家の女が死ぬ
そのためか、その家の女が2、3人死にました。
「そのためか」と、書き手は言い切っていません。
それでも、家の側は結び付けて受け取っていました。
刀で切る
後に別の女が、刀でその腕を切りました。
手応えはあったが、何も落ちてはいませんでした。
以後、そのようなことは起きなくなりました。
正体は分からないまま、止んでいます。
片腕の伝承地域
公的データベースの地域欄は香川県仲多度郡まんのう町を示します。
まんのう町は満濃池のある町です。 報告の題にある眞野は、この地域の古い地名です。
片腕の正体と考えられているもの
片腕は、切られて止んだ夜の怪です。
姿は腕だけでした。 体があったかどうかは書かれていません。
女が刀で切ったところで、話は終わります。
この図鑑には背の高いもの(香川)も収めています。
片腕が登場する作品
片腕を単独で扱った本は見当たりません。読めるのは戦前の郷土雑誌です。
腕だけが現れる話は各地にあり、切ると止むという形が繰り返し現れます。この図鑑には背の高いもの(香川)も収めています。
片腕が登場する民俗雑誌
讃岐民俗
讃岐民俗研究会の雑誌です。通巻2号に和気周一の聞書が載ります。
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片腕についてよくある質問
片腕とは何ですか。
香川県仲多度郡で、夜に窓から出たとされる大きな腕です。
何と言ったのですか。
これを見ろ、と言ったと記録されています。
どうなりましたか。
別の女が刀で切ると、以後そのようなことは起きなくなりました。
切った腕は落ちましたか。
手応えはあったが、何も落ちてはいなかったと記されています。
片腕と併せて覚えたい言葉・用語
仲多度郡(なかたどぐん)
香川県の郡名。まんのう町を含みます。
眞野(まの)
香川県まんのう町の古い地名です。
聞書(ききがき)
聞いた話を書き留めた記録のことです。
片腕の参考資料
この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。