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茨城県

火の車(ひのくるま)とはどんな妖怪か|姿と伝承

火の車  / ヒノクルマ

火の妖怪 各地の伝説

茨城県稲敷市で、小雨の夕方に出て「乗ったか」と声をかけてくるという車。

火の車の姿を描いた図

Σ64 「大杉神社(茨城県稲敷市)」 2017年 / CC BY 3.0 出典

火の車とはどんな妖怪か

火の車はひとことで言えば、返事をするまで離れない車です。茨城県稲敷市の話です。

国際日本文化研究センターの怪異・妖怪伝承データベースは、内田清司新利根むかしばなし」(『茨城の民俗』通巻28号、1989年、122頁)を典拠に、小雨が降る夕方に火の車が出る。人が近づくと「乗ったか」と声をかけるが、返事をするまで決して離れようとしない。「乗ったァ」と答えると、走り去って行くと言うと記します。

逃げ方が決まっています。

返事をすれば去ります。 黙っていると離れません これがこの記録の要です。

火の車の漢字表記と読み方

読みは「ひのくるま」です。

火の車は、もとは地獄で罪人を運ぶ車を指す仏教の言葉です。 家計の苦しさをいう言い方にもなりました。

この記録の火の車は、声をかけてくるところが変わっています。

この図鑑には片輪車(各地)も収めています。そちらも車の妖怪です。

火の車(ひのくるま)

日文研データベースが示す呼称。

乗ったか(のったか)

車がかけてくるとされる声です。

火の車の姿と特徴

火の車の姿は、記録に短く書かれています。

出る天気 … 小雨。
出る時刻 … 夕方。
声をかける相手 … 近づいた人。
かける言葉 … 「乗ったか」。
しつこさ … 返事をするまで決して離れない。
去る条件 … 「乗ったァ」と答えること。

車の形や大きさは書かれていません。

火の車の伝承記録

  1. 小雨の夕方に出る
  2. 乗ったかと聞く
  3. 答えると走り去る

小雨の夕方に出る

小雨が降る夕方に、火の車が出ます。

天気と時刻が決まっています。 晴れた日とは書かれていません。

乗ったかと聞く

人が近づくと「乗ったか」と声をかけます。

返事をするまで、決して離れようとしません。

追いかけるのではなく、返事を待ちます

答えると走り去る

「乗ったァ」と答えると、走り去って行くといいます。

害を受けたとは書かれていません。

必要なのはひとことだけでした。

火の車の伝承地域

公的データベースの地域欄は茨城県稲敷市を示します。

稲敷市は利根川と霞ヶ浦にはさまれた低地にあたります。

稲敷市(いなしきし)

日文研データベースが示す伝承地域

地図で開く

稲敷市の所在地:茨城県稲敷市

報告は茨城民俗学の会の茨城の民俗によります。

報告の題は新利根むかしばなしです。

火の車の正体と考えられているもの

火の車は、返事を求めるものです

祟りという語は使われていません。 記されているのは、離れないということと、去る条件だけです。

それでも、答え方まで決まっています

この図鑑には片輪車(各地)も収めています。

火の車が登場する作品

火の車を単独で扱った本は見当たりません。読めるのは学会誌です。

声をかけてくる怪の話は各地にあり、返事の仕方が語りの芯になります。この図鑑には片輪車(各地)も収めています。

火の車が登場する学会誌

茨城の民俗

茨城民俗学の会の学会誌です。1989年の号に内田清司の報告が載ります。

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火の車についてよくある質問

火の車とは何ですか。

茨城県稲敷市で、小雨の夕方に出るとされた車です。

何と言ってきますか。

「乗ったか」と声をかけてくると記録されています。

どうすれば去りますか。

「乗ったァ」と答えると走り去るとされます。

黙っているとどうなりますか。

返事をするまで決して離れようとしないと記されています。

火の車と併せて覚えたい言葉・用語

火の車(ひのくるま)

もとは地獄で罪人を運ぶ車を指す仏教の言葉です。

稲敷市(いなしきし)

茨城県南部の市。旧新利根町を含みます。

新利根(しんとね)

稲敷市の旧町名。報告の題に使われています。

火の車の参考資料

この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。

  1. 国際日本文化研究センター「火の車」